上場中止したIPO

新規上場を発表後に 上場を中止・延期したIPOです。

2023年のIPO中止・延期は8社・・多い!!

年に1~2社の上場中止があります。
延期と発表される場合もありますが すぐに再開されるわけではないので、実質中止です。

悲しい

IPOを中止するタイミングは各会社で違いますが・・・ブックビルディング開始前の中止ならいざ知らず、上場直前に中止する企業もあります。

上場を中止したIPO一覧です。

2020年のIPOは、コロナショックの影響で18社と最多のIPO中止件数です。
これまでの上場中止と状況が違うので、下記にまとめました。

目次

  1. 許すまじ!!上場直前に中止したIPO
  2. 当たったかも?抽選前に中止したIPO
  3. まだ良い!?ブックビルディング開始前に中止したIPO
  4. IPO中止(延期)の理由は?
  5. SBI証券のIPOチャレンジポイントはどうなる?

許すまじ!!上場直前に中止したIPO

IPO当選者にとってはかなりショック!

IPOの抽選を終え、購入資金も用意したのに・・・上場を中止(延期)したIPOです!
ヽ(*゜Д゜)ノガォー ヽ(*゜Д゜)ノガォー

IPOはなかなか当たりませんので、かなりのショックだと思います・・。

残念だったね

2023年7月25日:フラー

スマートフォンアプリを中心としたデジタル領域全般における事業開発コンサルティングやアプリ利用データ分析等を行っている企業フラー。上場予定日の前日にIPO中止を発表しました。

情報管理に関して確認すべき事項が発生し、2023 年7月24日開催の当社取締役会において、当該事項の確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行及び株式売出しの中止を決議しましたので、お知らせします。

以前から上場のうわさがあった有望スタートアップ企業。まさかの上場中止です・・・(ビックリ)

2023年4月26日:スタジアム

営業支援・ビジネスプロセスアウトソーシングサービスの提供を行っていたスタジアム
上場予定日の3営業日前にIPO中止を発表しました。

確認すべき事項が発生し、2023年4月21日開催の当社取締役会において、当該事項の確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行及び株式売出しの中止を決議いたしましたので、お知らせいたします。

IPO市況はかなりよく、公募割れが心配されていた楽天銀行の初値も32.5%に。
スタジアムも期待されていただけに残念です。

2023.6.30追記。グロース市場に上場しているエクサウィザーズ(4259)が同社を買収。IPOではなくM&AでEXIT。

2022年12月15日:AnyMind Group

2022年3月30日のIPOを中止。12月に上場予定でしたが、再度中止に。年内に二回目の中止!

その後、2023年3月に東証マザーズに上場!(三度目の正直)

インフルエンサー事業などを行っていたAnyMind Groupは、12月15日の上場予定日の3日前にIPO中止を発表しました。

3月の中止理由は株式市況の悪化によるもの(ロシアのウクライナ侵攻など)でしたが、今回は明確な理由はないものの確認すべき事項があるとのことで中止です。

確認すべき事項が発生し、2022年12月12日開催の当社取締役会において、当該確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行及び株式売出しの中止を決議いたしましたので、お知らせいたします。

年内二回目の中止は印象悪いですよね。

2018年12月25日:レオス・キャピタルワークス

2018年12月25日に上場予定だったレオス・キャピタルワークス

妻が100株当選していました。
上場を2営業日後に控えた20日にIPO中止が発表されました。

平成30年11月19日及び平成30年12月4日開催の当社取締役会において、当社普通株式の東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う募集株式発行及び株式売出しについて決議いたしましたが、当社のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性について投資家保護の観点から深掘りすべき事項が発生し、平成30年12月20日開催の当社取締役会において、当該深掘りに時間を要するものと判断したことから、募集株式発行並びに株式売出しと、それに伴う上場手続きの延期を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

なお、今後の上場手続きの再開時期につきましては、当該深掘り事案の結果を踏まえ、状況を慎重に見極めたうえで総合的に判断する予定です。

同社からの申出に基づき、東証が当該承認を取り消したという流れですが、2018年のIPO中止はこれで異例の5社目です。

ココからは個人的な勘繰りですが、この時期の株式相場は非常に軟調でした。
初値は相場にも影響するため、上場する時期としては最悪のタイミングです。

19日のソフトバンクの大型上場は事前のゴタゴタもあり、初値は騰落率-2.47%の公募割れに。終値は公開価格を14.53%下回りました。さらに20日の日経平均は2万392円で年初来安値を更新しました。

上場を延期したくなるような状況での、同社からの上場延期…。
公募割れのリスクも高まっていただけに、当選した妻もホッとしたようですが、個人的には上場を2営業日後に控えた このタイミングでの上場中止はやはり納得できません。

12.22追記。12月22日の日経新聞で藤野社長のインタビュー記事が載っています。
同社が取締役会において中止を決めたという話でしたが、主幹事のみずほ証券の指摘だとインタビューで答えています。

レオス上場延期、みずほ証券が問題指摘

レオス・キャピタルワークス(東京・千代田)の藤野英人社長は21日、新規株式公開(IPO)の延期について日本経済新聞に対し、「20日の夜に主幹事を務めるみずほ証券からの連絡で、延期を決めた」と明らかにした。内容について具体的な説明は避けつつも「法令違反などはなく、(みずほ証券の指摘は)納得できない」とした。

レオス上場延期、みずほ証券が問題指摘12/22

藤野社長は「納得できない」としていますが、真相は当事者でないと分かりません。

その後SBIグループ入りし、2023年4月に東証マザーズに上場!

2018年9月20日:テノ.ホールディングス

2018年9月20日に上場予定だったテノ.ホールディングス

市場からの調達金額が大きいものの、事業内容は応援したくなる内容のIPOでした。

が・・まさかの上場2日前にIPOの中止が発表されました。

「コーポレート・ガバナンスおよび内部管理体制の有効性」について新たに確認すべき事項が生じ、新規上場の承認が取り消されたため

内容を見る限り、同社が上場を中止したわけではなく、東証側から上場承認を取り消されたようです。自社でIPOを中止するパターンとは違いますが、上場直前の中止は非常に残念です。

2018年のIPO中止は異例の4社目となりました。

2018年12月21日の上場が新たに承認されました。
同じ年に延期されるのは珍しいパターンです。

中止になったときと比べて、仮条件が安くなり市場からの調達金額も小さくなりました。

2018年6月27日:インバウンドテック

2018年6月27日に上場予定だったインバウンドテック

上場の5日前にIPOの中止が発表されました。

インバウンド関連として注目され評価は「S」。
予想利益も50万円と非常に高いIPOだったため、当選した方のショックも非常に大きいと思います。

確認すべき事項が発生し、平成30年6月22日開催の当社取締役会において当該確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行および株式売出しの中止と東京証券取引所への上場申請の取り下げを決議いたしました

発表する中止理由については、もう少し具体的なものを出してほしいところです。
2018年のIPO中止は3社目となりました。

インバウンドテックは再承認され、2020年12月18日に上場しました
コロナ禍で外国人観光客はほぼ壊滅状態。評価もBに下げました。

2017年12月7日:アトリエはるか

2017年12月7日に上場予定だったアトリエはるか

上場の2日前にIPOの中止が発表されました。

評価「S」で当選数はごくわずかの510口。
プレミアムIPOとも言える内容だっただけに 当選した方のショックも相当だったと思います。

個人的には市場からの調達金額も0.8億円と非常に小さく、IPOの使用使途もサロンのシステム開発費となっており、一体 何のためにわざわざ上場するのか(上場させるのか)疑問だったIPOですが。

アトリエはるか側は社員から会社への内部通報で「コンプライアンス(法令順守)に関して確認すべき事項が発生したという理由」で新株発行などを中止し、2017年12月の上場を見送ったようです。

名証より「株券上場審査基準に定める形式基準を満たさない」として上場取り消しが発表されました。
承認後の取り消しは異例で名証では10年ぶりでした。

2015年8月10日:リッチメディア

2015年8月10日に上場予定だったリッチメディア

上場の4日前にIPOの中止が発表されました。

当社内部統制の有効性に関して確認すべき事項が発見され、本日開催の当社取締役会において、当該確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行並びに株式売出しの中止と、それに伴う上場手続きの延期を決議いたしました。

会社の予想利益と実際の利益に剥離が見受けられたことが中止の理由になっているようです。

2015年のIPOは予想利益がいい加減なIPOも何社か上場し、日本証券取引所から証券会社や監査法人に注意が出ておりました。(ブログ)2015年は合計3社のIPO中止がありましたが上記の関連で中止になったと思われます。

当たったかも?抽選前に中止したIPO

ブックビルディングが終了し、当選結果を待っている間にIPOを中止した企業です。

2023年7月21日:ホロスホールディングス

保険代理店事業を中心とする企業グループの持株会社ホロスホールディングス

公開価格決定日に上場中止の発表。2023年は5社目のIPO中止に。

今のところ、中止の理由は発表されず。まぁIPOの内容的に公募割れのリスクは高かったかなと思います。

2023年4月12日:トライアルホールディングス

ディスカウントストア「TRIAL」の運営を行っているトライアルホールディングス

再承認され、2024年3月21日に上場予定

公開価格決定日に上場中止の発表。2023年は3社目のIPO中止に。

2023年4月3日開催の当社取締役会において、昨今の金融機関の破綻等を契機とした混乱が続く中、株式市場に関する動向等を総合的に勘案し、募集株式発行及び株式売出しの中止並びにそれに伴う当社普通株式の東京証券取引所への上場手続きの延期を決議いたしましたので、謹んでご報告申し上げます。

個人的には上場日が遅くなればなるほど同社の強みも消えそうな気がしておりますが。

2023年3月29日:ノイルイミューン・バイオテック

CAR-T細胞療法を主とした新規がん免疫療法の開発を行っているノイルイミューン・バイオテック

公開価格決定日に上場中止の発表。2023年は初のIPO中止に。

グローバルにおいて金融機関の破綻等の混乱が続く中、株式市場の動向など諸般の事情を総合的に勘案し、当該募集株式発行及び株式売出しの中止と、それに伴う当社普通株式の東京証券取引所への上場手続きの延期を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

海外売出92%の予定だったので、グローバルの影響は確かに受けそう。中止は仕方なしかも。

その後、2023年6月に東証グロースに上場!

2022年3月18日:Repertoire Genesis

バイオベンチャーのRepertoire Genesis

2022年のIPO中止は5社目。(3/9時点)
公開価格決定日に中止となったのは2022年初です。

2021年末からの弱い株式市況と地政学的リスクの高まり、金利上昇懸念を受け、上場中止に。

2021年7月7日:ジィ・シィ企画

2021年7月7日に上場予定だったジィ・シィ企画

国策となるキャッシュレス事業で、やや注目されていましたが、公開価格の決定日に中止が決定しました。

当社の事業に関連して、2022年6月期以降の業績等に影響を与える可能性がある事象が発生し、その確認に時間を要するため、本日開催の当社取締役会において、募集株式発行並びに株式売出しの中止を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

2021年9月に早くも再承認。
中止の理由は、特許侵害に基づく訴訟によるものでしたが、問題ないとし再申請へ。

中止の理由

2021年6月29日:リヴァンプ

【2024.1.24追記】プライム市場に上場しているフューチャー(4722)と経営統合し、完全子会社化となります。

2021年6月29日に上場予定だったリヴァンプ

上位株主が著名起業家ということもあり、注目度が高く、仮条件も上振れし、個人的に期待感が高まっていましたが、ブックビルディング期間中に、IPOの中止(延期)が発表されました。

当社内部統制の有効性に関して確認すべき事項が発見され、2021年6月14日開催の当社取締役会において、当該確認に時間を要するものと判断したことから、自己株式の処分並びに株式売出しの中止と東京証券取引所への上場申請の取り下げを決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

4社同日上場だったので、ちょっとIPO的には過密でした。
延期され再承認されることを願っています。

2020年10月6日:キオクシアホールディングス(旧:東芝メモリ)

2020年10月6日に上場予定だったキオクシアホールディングス(旧:東芝メモリ)

2020年最大級の大型IPOの予定でしたが、米中摩擦の影響をうけファーウェイの取引が困難に。

ブックビルディングが終了し、公開価格が決まる前(抽選前)に、IPOの中止(延期)が発表されました。

最近の株式市場の動向や新型コロナウイルス感染の再拡大への懸念など諸般の事情を総合的に勘案し、当該新株式発行の中止を決定するとともに当該株式売出しの中止を承認し、それに伴い当社普通株式の東京証券取引所への上場手続きを延期することを決議いたしましたので、お知らせいたします。なお、当社は適切な上場時期を引き続き検討してまいります。

個人的には、規模が大きくIPO参加者も多くなる割には、公募割れのリスクが高いと思っていたので、上場が中止(延期)となり、良かったと思います。

2017年3月22日:エスキュービズム

2017年3月22日に上場予定だったエスキュービズム

ブックビルディングが終了し抽選待ちでしたがIPOの中止が発表されました。

当社普通株式の東京証券取引所マザーズ市場への上場に伴う募集株式発行および株式売出しについて決議いたしましたが、確認すべき事項が発生し、平成29年3月10日開催の当社取締役会において、当該確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行並びに株式売出しの中止と、それに伴う上場手続きの延期を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

カブスルも期待していたIPOだけに中止は残念でした。
上場の再開時期については状況を見極めたうえで総合的に判断するようです。

2016年12月19日:ZMP

2016年12月19日に上場予定だったZMP

ブックビルディングの終了日にIPOの中止が発表されました。

自動運転技術を手掛けるベンチャー企業で非常に注目度が高く、カブスルも数年前から上場を待望しておりました!(ZMPとは?

中止理由としては「顧客の個人情報が流出した問題を受け、社内体制を見直すため」とされています。

事業内容はとても面白く将来性も高いと思われますので、早期の再開を期待したい企業です。

2015年12月25日:グラフィコ

2015年12月25日に上場予定だったグラフィコ

ブックビルディングの終了後の抽選前にIPOの中止が発表されました。

2015年最後のIPOとなり期待も高かったので、後味が悪い中止となりました。

今期業績の進捗を慎重に確認すべきと判断され、当該確認に時間を要するとの理由から、株式の募集および売出しの中止と、それに伴う上場予定の暫時延期が決議されました。

今期業績の進捗が監査法人に指摘されたようです。
投資家保護の観点からは中止は適正かと思いますが、承認前に指摘があればベストですね!

2015年のIPOは予想利益がいい加減なIPOも何社か上場し、日本証券取引所から証券会社や監査法人に注意が出ておりました。(ブログ)2015年は合計3社のIPO中止がありましたが上記の関連で中止になったと思われます。

その後、2020年9月にJASDAQに上場!

まだ良い!?ブックビルディング開始前に中止したIPO

ブックビルディング(需要申告)前に上場を中止したIPOです。
利用者が行動する前という点で、中止したIPOの中ではマシだと思います。

2023年10月6日:Earth Technology Group

バイリンガルエンジニアによるIT総合サービスを提供しているEarth Technology Groupは、仮条件の決定日にIPO中止が発表されました。

最近の株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案し、募集株式発行並びに株式売出しの中止を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

Sunrise CapitalのLBOからのIPO。同ファンドのEXITと見られるIPOが続いていたので・・良かったのかな!?

2023年9月15日:Chordia Therapeutics

RMA制御ストレスを標的とするがん治療薬の開発等を行っているChordia Therapeuticsは、仮条件の決定日にIPO中止が発表されました。

最近の株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案し、当該募集株式発行及び株式売出しの中止を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

今期は3Q時点で黒字の創薬ベンチャー。個人的に市場の評価をみたかったので残念です。

2023年4月11日:キタムラ・ホールディングス

カメラのキタムラを運営しているキタムラ・ホールディングスは、仮条件が決まる前にIPO中止が発表されました。

最近の株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案し、募集株式発行並びに株式売出しの中止を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

直近のIPOは好調。銀行株の信用不安からか、IPOや小型グロース株に資金が流れていました。

キタムラホールディングスは売出株の一部を海外に販売する予定もあり、その影響を受けたかもしれませんが、上場時期は悪くなく中止はもったいなかった気がします。

2022年6月23日:ウェルネス・コミュニケーションズ

健康管理SaaSサービスを展開しているウェルネス・コミュニケーションズは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

同社の上場予定市場はグロース市場(旧マザーズ市場)、かつSaaS系の上場企業の株価は苦戦気味。
延期もやむをえないのかと思います。

昨今の株式市場に関する動向等を総合的に勘案し、株式上場に伴う募集株式発行及び株式売出しの中止ならびに東京証券取引所への上場申請を取り下げることを決議致しましたので、謹んでご報告申し上げます。

IPOの中止IRにしては珍しく、代表のコメントも添えられていたので、時期を見据えてまた上場申請されるんじゃないでしょうか。

2022年4月25日:インフォメティス

電力利用効率を最適化するプラットフォームをSaaS型で提供している、インフォメティスは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

同社の上場予定市場はグロース市場(旧マザーズ市場)。
ここ数日は、指数も戻しており、直近IPOの初値も好調なので市況は悪くないと思いますが、上場中止に。

昨今のウクライナ情勢や株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案し、2022年4月6日開催の当社取締役会において、当該募集株式発行並びに株式売出しの中止と、それに伴う上場申請の取下げを決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

まぁ、市況は悪くないですが、IPOの内容は悪いと思っておりましたので、中止で良かったんじゃないでしょうか。

2022年3月30日:AnyMind Group

IPOが再承認され、2022年12月15日に上場予定となりました。

インフルエンサー事業などを行っていたAnyMind Groupは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

株式市況はボラティリティが高い日々で、この市況では公募割れのリスクも高かったと思われるため、ナイス判断だと思います。

昨今のウクライナ情勢や株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案し、2022年3月11日開催の当社取締役会において、当該募集株式発行並びに株式売出しの中止と、それに伴う上場申請の取下げを決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

起業家や投資家の知名度が高いものの、正直何をやっているのかよく分からない企業でした。

2022年3月24日:住信SBIネット銀行

ネット銀行初のIPOでBaaS事業としても注目されていた住信SBIネット銀行は、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

想定価格による時価総額は約3,000億円。
この市況で需要を集めるのは過酷だったかも・・・ということでナイス判断。

ウクライナ情勢の影響や最近の市場動向など様々な環境の変化を総合的に勘案し、2022年2月15日開催の住信SBIネット銀行取締役会にて決議した住信 SBIネット銀行普通株式の東京証券取引所への上場に伴う募集株式発行及び株式売出しを中止すること並びに東京証券取引所への上場手続きを延期することを決議いたしました。

株式市況は昨年末より悪化しており、2022年のIPO中止・延期も4社目と例年より多いです。(まだ3月)

その後、2023年3月に東証スタンダードに上場!

2022年3月4日:トリプルアイズ

システムインテグレーションののトリプルアイズは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

同社HPに説明はありませんでしが、日経新聞によると「米国の長期金利の上昇に伴ってグロース(成長)株の下落が続いていたため」とのこと。

今年のIPO中止は3社目。
相場が不安定なことから、中止または上場申請を延期している企業が増えているようです。
岸田総理のスタートアップ支援とは・・・。

その後、2022年5月に東証グロースに上場!

2022年2月22日:ノーザ

歯科用レセプトのノーザは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

新型コロナウイルス オミクロン株の世界的な感染拡大、及び最近の株式市場全般の動向など諸般の事情を総合的に勘案し、募集株式発行並びに株式売出しの中止と東京証券取引所への上場申請の取り下げを決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

株式相場は年初より下落傾向でしたが、中止発表した当日と前日は反発し全体的に買いが入っており雰囲気は良かったです。
少しもったいない気もしますが、筆頭株主のSunriseの判断でしょうか。

2022年2月4日:ビッグツリーテクノロジー

ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

新型コロナウイルス オミクロン株の世界的な感染拡大、及び最近の株式市場全般の動向など諸般の事情を総合的に勘案し、2022年1月19日開催の当社取締役会において、当該募集株式発行及び株式売出しの中止と、それに伴い当社普通株式の株式会社東京証券取引所への上場申請を取り下げることを決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

株式相場は東証マザーズを中心として大荒れ状態。中止を決定した日はバリュー株まで売られ悲観相場に。
中止は妥当かなぁと思います。

2021年12月23日:ZEALS

ZEALSは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

最近の株式市場の動向など諸般の事情を総合的に勘案し、当該募集株式発行の中止を決定するとともに当該株式売出しの中止を承認し、それに伴い当社普通株式の東京証券取引所マザーズ市場への上場手続きを延期することを決議いたしましたので、お知らせいたします。

まぁ、上場ラッシュ時期のIPOですし、避けたかなぁという印象です。
来年、再チャレンジしてくるんじゃないでしょうか。

  • 2022.9.6追記。アメリカ法人を設立しグローバル展開へ。IPOしなくても良いのかも。
  • 2022.5.12追記。総額50億円の資金調達を行いました。再上場の時期はまだまだ先かもしれません。

政府系ファンドのJICベンチャー・グロース・インベストメンツ株式会社、Zホールディングス傘下のZ Venture Capital株式会社、日本郵政キャピタル株式会社、米国セールスフォース投資部門であるSalesforce Ventures(セールスフォース・ベンチャーズ)を引受先として35億円を調達しました。また株式会社みずほ銀行、株式会社三菱UFJ銀行から15億円の当座貸越枠を確保し、総額50億円の調達となりました。

2021年4月23日:ディマージシェア

ディマージシェアは、仮条件決定日にIPO中止が発表されました。

当社の事業に関連して、2022年3月期以降の業績等に影響を与える可能性がある事象が発生し、その確認に時間を要するため、2021年4月7日開催の当社取締役会にて、当該新株式発行及び株式売出しの中止と、それに伴う上場手続きの延期を決議いたしましたので、お知らせいたします。

2021年のIPO中止は2社目。相場環境はやや弱い状況でした。

2021年4月8日:アイ・パートナーズフィナンシャル

アイ・パートナーズフィナンシャルは、個人的に期待していたIPOだけに残念でした。
それにしても、業績に影響を与える事象というのが気になりますね。

当社を取巻く事業に関連して、来期以降の業績等に影響を与える可能性がある事象が発生し、その確認に時間を要するため、本日開催の当社取締役会において、募集株式発行及び株式売出しの中止を決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

相場環境もよく、突然の中止発表だったのでビックリしました。2021年としては初の中止に。

2021年6月23日に上場へ。早くも再承認されました。

どうやら個人顧客から訴訟があったようです。同社は争う姿勢。業種的にこのようなことは起こりそう。

訟等について

その後、2021年6月に東証マザーズに上場!

2019年12月20日:ファンペップ

ファンペップは、仮条件が決まる予定だった2日に上場承認が取り消されました。

最近の株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案し、2019年12月2日開催の当社取締役会において、募集株式発行並びに株式売出しの中止と、それに伴う上場手続きの延期を決議。

東証は「同社からの申出に基づき、当該承認を取り消し」たようです。

2019年はこれで2社目のIPO中止です。

その後、2020年12月に東証マザーズに上場!

2019年3月13日:ウイングアーク1st

2019年3月13日に上場予定だったウイングアーク1st

仮条件が決まる日にIPOの中止が発表されました。

2019年1月31日及び2019年2月25日開催の当社取締役会において、当社普通株式の東京証券取引所への上場に伴う株式売出しについて承認いたしましたが、2019年3月4日開催の当社取締役会において、最近の株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案し、当該株式売出しの中止を承認し、それに伴い当社普通株式の東京証券取引所への上場申請を取り下げることを決議いたしましたので、お知らせいたします。
なお、今後の上場手続きの再開につきましては、株式市場の動向等を見極めたうえで、引き続き検討してまいります。

2019年最初のIPO中止銘柄となりました。

事前の前評判も低かったので、個人的にはそれほど驚きはありませんでした。
市場の所属も決まっていなかったので、怪しいと思っていました。

おそらく、公開価格が決定していたら下振れ決定していたと思われます。

中止の理由として「最近の株式市場の動向等諸般の事情を総合的に勘案」とありますが、直近のIPOの上場結果は良いですし、株式市況も非常に良い環境でした。

個人の勘繰りとしては、仮条件の下振れ決定を懸念しての中止だと思っています。
事業内容は悪いとは思っていませんが、IPOの内容が悪すぎました。

内容を変えて出直すんじゃないでしょうか。

2020.3.10追記。出直して2回目の上場中止となりました。

2018年6月28日:パデコ

2018年6月28日に上場予定だったパデコ

仮条件が決まる日にIPOの中止が発表されました。

内部管理体制に関連して確認すべき事項が発見され、本日開催の当社取締役会において、当該確認に時間を要するものと判断したことから、募集株式発行および自己株式処分並びに株式売出しの中止と、上場申請の取下げを決議いたしましたので、お知らせ申し上げます。

2018年は早くも2社目のIPO中止となりました。

2018年2月8日:世紀

2018年2月8日に上場予定だった世紀

ブックビルディング開始の前日にIPOの中止が発表されました。

社内規程に照らして確認すべき事項が発生し、平成30年1月22日開催の当社取締役会において当該確認に時間を要するものと判断したことから募集株式発行並びに株式売出しを中止することを決議し、東京証券取引所への上場を延期いたしましたので、お知らせいたします。

2018年第一弾のIPOということで、市場の期待も高かっただけに残念でした。

繰上にて2018年第一弾のIPOとなった「Mマート」は 待ちに待った投資家の買い意欲を受けてか、騰落率333.87%(4.34倍)の初値をつけました。

また、2018年のIPOは最初のIPOで勢いがついたのか、どれも好調です。結果的には「世紀」が中止になったことでIPO市況が良くなったかもしれません(  ̄∇ ̄)

2016年9月30日:オークネット

2018年2月8日に上場予定だったオークネット

ブックビルディング開始前にIPOの中止が発表されました。

最近の株式市場の動向等諸般の情勢を勘案し、中止することを決議し、東京証券取引所への上場を延期いたしましたので、お知らせいたします。

理由がチョットずるい気がしますが・・・ブックビルディング開始前ということでOKでしょうか・・。

2017年3月29日に上場しました。騰落率は18.18%という結果でした。
ちなみに2008年10月にMBOにより上場廃止となっており、再上場のIPOでした。

2015年9月16日:ネットマーケティング

2015年9月16日に上場予定だったネットマーケティング

ブックビルディング開始前にIPOの中止が発表されました。

中止の理由は「取り巻く事業環境の変化に関連して、今期業績に与え得る影響を慎重に確認すべき事項が発見された」ということです。

2017年3月31日に上場しました。騰落率は36.14%という結果でした。

2015年のIPOは予想利益がいい加減なIPOも何社か上場し、日本証券取引所から証券会社や監査法人に注意が出ておりました。(ブログ)2015年は合計3社のIPO中止がありましたが上記の関連で中止になったと思われます。

その後、2017年3月にJASDAQに上場!

IPO中止(延期)の理由は?

企業が上場しよう!(IPO)と思い、上場するまでには準備を含め 大体 数年かかります。
上場準備の間に監査法人の監査などを受けて万全にしておく必要があります。

数年かけて準備しているわけですから、企業も主幹事も好んで上場中止にする必要はありません。
主に上場中止になる理由としては下記が挙げられます。

  • コンプライアンス
    コンプライアンスとは法令順守の事です。
    本来であればIPO承認前にチェックされるべき事案ですが、社内からの密告であったり、上場を控え注目されることにより明るみに出てくるコンプライアンス問題などがあるようです。
  • 予定の資金が調達できそうにない
    株式市況が弱かったり 企業の市場人気度が低く想定の初値がつかないと判断された場合、上場を中止(延期)する場合があります。
  • 業績予想の根拠・不備
    2015年以前に上場したIPOの中には上場後の決算が予想よりかなり悪いIPOなどがあり、2015年4月以降の業績予想のチェックは厳しくなりました。(ブログ
    よって、そもそも業績が怪しい企業は承認されなくなりました。
  • 仮条件に不満
    市況の状況や投資家の関心度(人気度)を考慮し主幹事が仮条件の引き下げを提案した場合、企業側がそれを拒否するとIPOが中止となります。

SBI証券のIPOチャレンジポイントはどうなる?

抽選後にIPOの中止が発表された場合、SBI証券の「IPOチャレンジポイント」は どうなるのかをSBI証券に聞いてみました。

基本的には その時の状況に応じてケース by ケースになるようです。

参考までに

SBI証券より過去の事例として返答がありました。(2018.10.11時点)

  • 落選後にIPOの中止が発表された場合。
    ⇒ IPOチャレンジポイントが1ポイント付与されます。
  • ポイントを利用して当選後にIPOの中止が発表された場合。
    ⇒ 使用したIPOチャレンジポイントは戻り、+1P増える。

過去の事例では落選と同様の扱いになり1ポイント付与されているようです。

ただし、公式サイトの説明文にはポイントは基本的に付与しないと書いてあります。(2018.10.11時点)

(公式サイトより)ブックビルディングの期間中又は終了後に、当該株式の上場が延期又は中止等になった場合、IPOチャレンジポイントは、一部の例外的措置を除いて増減いたしません

つまり、抽選後にIPOが中止になった場合、ポイントの取り扱いは下記になります。

  • 基本的には、IPOチャレンジポイントは増減しない。
  • 例外的措置として、IPOチャレンジポイントを1ポイント付与する。

過去の事例では「例外的措置」がとられ、IPOチャレンジポイントが1ポイント付与されているようです。


以上、IPOが中止になった企業とその理由を掲載してみました。
意外と!?評価の高いIPOでも中止が多かったです。

中止になることは理由があるので仕方ない事ですが、できればIPOの抽選前に上場中止の判断をしてほしいものですね。

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