人気が高いIPOの特徴
IPOは評価が高いほど、初値の騰落率が高くなる傾向があります。
初値の騰落率が高くなるので、得られる利益も大きくなります。
当サイトでは、大手の予想も勘案し評価を「S」「A」「B」「C」「D」の5段階で評価しご案内しておりますが、評価項目にはどんな要素があるのかをコチラでご紹介致します。
IPOの人気を左右するチェック項目
IPOの初値を決める要素は「市場からの人気度(評価)」と言っても過言ではありません。
こちらは、その人気度を図るチェック項目の一例です。
※がついた項目は下記にて詳しく紹介しています。
チェック項目 | プラスの要素 | マイナスの要素 |
---|---|---|
市場からの吸収金額 ※ | 小さい (小さければ小さい程 人気化) |
大きい (特に知名度がないのは人気が低い) |
公募株数 ※ | 売出株数より多い (最も人気があるのは公募株のみ) |
売出株数より少ない (特に人気度が低いのは公募株数0) |
売出株数 ※ | 公募株数より少ない (最も人気があるのは売出株数0) |
公募株数より多い (特に人気度が低いのは売出株だけの上場) |
公開株数 ※ | 少ない (少ないほど人気化) |
多い |
業種 ※ | その時代で人気のある業種 (2018年:AI関連や人材不足) (2017年:AI関連や人材不足) (2016年:ビッグデータやIoT) |
その他の業種 |
公開市場※ | 東証マザーズ JASDUQ(ジャスダック) |
東証二部 |
ロックアップ | あり | なし |
ベンチャーキャピタル | なし | あり |
知名度 | 高い | その他 |
業績 (売上や経常利益成長率など) |
良い | 悪い |
企業の割安性 (PERやPBRなど) |
割安 | 割高 |
財務健全性 (自己資本比率や有利子負債) |
安全 | 危険 |
配当利回り | 高い | 低い |
株主優待 | 設定あり | 設定なし |
株式市場の活況度 ※ | 活況 | 不況 |
同時期に上場する他のIPO | ない | ある |
各チェック項目の詳しい説明
上記のチェック項目の詳しい説明と補足です。
市場からの吸収金額
市場からの吸収金額(公開規模)が小さければ小さいほど、評価が高まる傾向があります。
参考までに
IPOで人気のある「東証マザーズ市場」の場合。市場からの吸収金額が、
- 5億円 以下 ・・・
かなり人気が高い!! - 10億円 以下 ・・・
人気が高い! - 20億円 以上 ・・・
人気が低い
上記は「東証マザーズ市場」の場合です。
「東証一部」の場合は、そもそも公開規模が大きいのが当たり前ですし、上場企業の知名度が高い場合は、市場からの吸収金額がそれほど 気にされない場合もあります。
公募株数、売出株数、公開株数
公募株数と売出株数の違いです。
- 「公募株数」
企業が新しく発行する株式 (企業にお金が入る) - 「売出株数」
既存株主が市場に出す株式 (既存株主にお金が入る)
この2つを合わせたものが上場企業の「公開株数(当選数)」になります。
売出株数が公募株数よりも多い または 100%売出株のIPOは評価が低くなりやすくなります。
理由としてはIPOで調達される資金が「企業」ではなく「既存株主」に渡る為 嫌気されるというわけです。
また、「公開株数(当選数)」が小さければ小さいほど、IPOの人気度も高くなりやすくなります。
当選数が小さいと、当選倍率が高くなるのでプラチナチケット化されます。
欲しい人がもらえない状況になり、上場日に買いが集まる可能性があります。
業種
その年により人気のある業種は変わりますが、「政策テーマ」や「その年のトレンド」と合った業種は市場からの人気度が高くなります。
参考までに
- 2018年も「AI(人工知能)」を活用した「ディープランニング」や「人手不足解消」をテーマとしたIPOに人気。
AI活用の「RPAホールディングス」は初値が4倍に。初値売りの利益は約107万円に! - 2017年は「AI(人工知能)」を活用した「ディープランニング」や「人手不足解消」をテーマとしたIPOに人気。
AI活用の「ユーザーローカル」は初値が約4.2倍に。初値売りの利益は95.6万円に! - 2016年~2014年は「ビッグデータ」や「クラウド」「IoT」といった「IT系」
IT系の「ネオジャパン」は初値が約5倍に。初値売りの利益は116万円に! - 2013年は「iPS細胞」やアベノミクスによる民間投資で恩恵を受けそうな「医療系」
医療系の「リプロセル」は初値が約5.6倍に。初値売りの利益は146万円に!
公開市場
「東証マザーズ」や「JASDUQ(ジャスダック)」市場はIPOで人気がある市場です。
どちらも、「新興企業向けの市場」であり「ベンチャー企業などの成長企業」が集まる市場です。
目新しいサービスや事業の将来性が高い企業が多いのも特徴です。
参考までに
東証マザーズ市場は東証一部へのステップアップを目的とした市場である事から、より企業の成長に意欲的といったイメージがあります。
上記のイメージもあり、ジャスダックよりも東証マザーズ市場の方がやや人気が高いです。
2018.12.21追記。新興市場を2つに再編する動きがあります。
- 成長企業向け市場に統合検討
東証マザーズ(270社)とジャスダックグロース(37社) - 安定企業向け市場に統合検討
ジャスダック・スタンダード(691社)と東証二部(494社)
また、東証一部(2,131社)の上場基準を高くし数を減らすようです。
(反発もあるので時間をかけて)
2018.1.6 追記。東証マザーズとJASDUQの統合が検討されています。
日本を代表する新興市場としての位置づけを明確にし、投資家の資金や上場企業を呼び込みやすくして市場を活性化させる狙いがあります。
株式市場の活況度
株式市況の活況度も評価に影響します。
項目 | 人気化しやすい | 人気化しづらい |
---|---|---|
株式市場の活況度 | 取引が活発 株価は上昇傾向 |
取引が少ない 下落が続いている |
Yahoo!掲示板などの状況 | 書き込みが多い | 書き込みが少ない |
直前のIPOの初値 | 高い | 安い |
IPOが持つ実力(企業の業務内容や実績)だけで、評価が決まらないところもIPOの面白いところです。
あのIPO・・・この低迷期ではなく あの絶頂期に上場していたら もっと凄かったのに・・・といった事も少なくありません。
逆もあり、かなり人気がないIPO(赤字企業など)でも市況の勢いで初値が上がる場合があります。
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こちらの記事は、IPO歴14年の運営者が執筆しています。IPOに60回当選。長年の経験と実績による内容です。
株式投資歴は15年。NISAや株主優待など投資全般に詳しいです。