人気が高いIPOの特徴

IPOは人気が高いほど、初値の騰落率(倍率)が高くなる傾向があります。

購入時の公募価格より初値の株価が高くなりますので、得られる利益も大きくなります。

当サイトでは、IPO歴14年の経験から評価を「S」「A」「B」「C」「D」の5段階で評価しています。

IPOの評価

IPOの人気を決める評価項目には、どんなものがあるのかを紹介します。

IPOの人気を決める要素は?

IPOの初値は、市場からの人気度(評価)に大きく左右されます。

IPOの人気は下記の要素で決まります。

チェック項目 プラスの要素 マイナスの要素
市場からの吸収金額 小さい
小さければ小さい程 人気化
大きい
特に知名度がないのは人気が低い
公募株数 売出株数より多い
最も人気があるのは公募株のみ
売出株数より少ない
特に人気度が低いのは公募株数0
売出株数 公募株数より少ない
最も人気があるのは売出なし
公募株数より多い
特に人気度が低いのは売出株だけの上場
公開株数 少ない
少ないほど人気化
多い
業種 その時代で人気のある業種
2019年:AI関連や人材不足
2018年:AI関連や人材不足
その他の業種
公開市場 東証マザーズ
JASDUQ
東証二部
ロックアップ あり なし
ベンチャーキャピタル なし あり
知名度 高い その他
業績
売上や経常利益成長率など
良い 悪い
企業の割安性
PERやPBRなど
割安 割高
財務健全性
自己資本比率や有利子負債
安全 危険
配当利回り 高い 低い
株主優待 設定あり 設定なし
株式市場の活況度 活況 不況
同時期に上場する他のIPO ない ある

市場からの吸収金額

市場からの吸収金額(公開規模)が小さければ小さいほど、人気が高くなります。

吸収金額が小さいということは、株式市場に出回る株式数も少なくなります。

需要(買いたい人) > 供給(株式数) になると、買いたい人は高い株価で注文を出さざるを得なくなりますので、株価が上がりやすくなります。

2018年の東証マザーズに上場したIPOの吸収金額ごとの実績はコチラです。

吸収金額 初値 > 
公募価格
騰落率

初値売りによる
平均損益

1億円~
5億円未満
7社100% 256.7% 425,829円
5億円~
10億円未満
20社100% 240.3% 512,440円
10億円~
15億円未満
12社100% 97.6% 208,450円
15億円~
20億円未満
7社100% 100.0% 178,057円
20億円~
30億円未満
6社100% 147.2% 396,250円
30億円~
50億円未満
1社50% 28.1% 126,750円
50億円~
100億円未満
3社75% 15.9% 41,125円
100億円以上 3社60% 17.8% 56,500円

上記の表の通り、吸収金額が小さいほど騰落率が高くなり、逆に吸収金額が大きいほど騰落率は低くなり公募割れ(初値が公募価格を下回る)になるIPOも出始めます。

東証一部上場は、公開規模が大きいのが当たり前になるので、人気に影響されません。

公募株数、売出株数、公開株数

公募株数と売出株数の違いはこちらです。

  • 公募株数
    企業が新しく発行する株式 (企業にお金が入る)
  • 売出株数
    既存株主が市場に出す株式 (既存株主にお金が入る)

公募株数と売出し数の2つを合わせたものが、上場企業の「公開株数」になります。

公募株は企業が発行し、企業にお金が入るのでその使い道に期待が持てます。

一方、売出し株は既に株式を保有している株主が、株を売るのでその資金は株主に入ります。
つまり、企業側で資金を活用できません。

よって、企業に資金が入る公募株の割合が大きい方が人気があります。

  • 公募株の割合が大きい
    IPOによる調達資金が企業にはいるので、資金の活用が期待される。
    設備投資や人材育成、新たなサービスなど。
    公募株の割合が100%のIPOは特に人気化しやすいです。
  • 売出株の割合が大きい
    既存株主は出資(株の購入)の恩恵をうける。
    企業には資金がまわらないので、新規投資家には不人気。
    売出株100%のIPOは人気が非常に低い。

また、公開株数(当選数)が小さければ小さいほど、IPOの人気も高くなります。

当選数が小さいと、当選倍率が高くなるのでプラチナチケット化されます。
欲しい人がもらえない状況になり、上場日に買いが集まる可能性があります。

業種

その年により人気のある業種は変わりますが、「政策テーマ」や「その年のトレンド」と合った業種は市場からの人気度が高くなります。

人気テーマ 代表的なIPO
2018年
  • AI、ディープランニング
  • 人手不足解消
2017年
  • AI、ディープランニング
  • 人手不足解消
2016年~
2014年
  • ビッグデータ
  • クラウド、IoT
2013年
  • IT系
  • 医療系

なお IPOで人気のない業種としては、部品をつくる製造業などやや地味な事業になります。

また、同業種に悪いニュースが出た場合も、同事業として人気が低くなります。
2019年でいえば、かぼちゃの馬車問題やレオパレス問題で不動産関連は不人気。

公開市場

IPOは、将来性が高い事業に人気がでます。

「東証マザーズ」や「JASDUQ(ジャスダック)」は、どちらも「新興企業向けの市場」であり「ベンチャー企業などの成長企業」が集まる市場です。

東証マザーズ市場は東証一部へのステップアップを目的とした市場である事から、より企業の成長に意欲的といったイメージがあります。

上記のイメージもあり、ジャスダックよりも東証マザーズ市場の方がやや人気が高いです。

目新しいサービスや事業の将来性が高い企業が、同市場に上場しやすいです。

参考までに

2018.12.21追記。
新興市場を2つに再編する動きがあります。

  • 成長企業向け市場に統合検討
    東証マザーズ(270社)とジャスダックグロース(37社)
  • 安定企業向け市場に統合検討
    ジャスダック・スタンダード(691社)と東証二部(494社)

また、東証一部(2,131社)の上場基準を高くし数を減らすようです。
(反発もあるので時間をかけて)

日本を代表する新興市場としての位置づけを明確にし、投資家の資金や上場企業を呼び込みやすくして市場を活性化させる狙いがあります。

ロックアップ

ロックアップとは大株主に対して、条件をつけて上場後すぐに売却できないようにする仕組みです。

会社役員・大株主・ベンチャーキャピタルなどの公開前の会社の株主が、その株式が公開された後に一定期間、市場で持株を売却することができないよう公開前に契約を交わす制度のことをいう。

大株主がすぐに大量の株式を売却すると、株式の需給バランスが崩れやすくなります。

そこで 株式の安定を図る為、大株主に対してロックアップの制限がかかることがあります。具体的には、

  • 引受契約締結日から上場日後180日目(または90日目)まで。
  • 公募価格が1.5倍に達するまで。

ロックアップがかかる場合は、上記のどちらか、または両方がかかっている場合があります。

期間と株価の両方のロックアップがある場合は、どちらかの条件クリアでロックアップが解除されます。

  • ロックアップあり
    大株主は上場後にスグに売れない。
  • ロックアップなし
    大株主が上場後にスグに売れる。
    売り圧力となり初値が思うように上がらない要因にも。

公募価格の1.5倍以上でロックアップが解除される要件がついている場合、逆にいえば1.5倍までは売り圧力が弱いことが見込まれるということになります。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタル(VC)とは、未上場の企業に投資する投資会社です。

未上場企業に投資し、上場(株式公開)を目指します。
株式を取得していますので、上場後に株式を売却することで大きな利益を得ることができます。

創業者などが大株主の場合と比べて、ベンチャーキャピタルが大株主の場合はリターンを目的としていますので、株式を売却します。大きな売り圧力となるので、注意が必要となります。

上記で紹介したロックアップによる売却制限がかかっている場合も多いです。

株式市場の活況度

株式市況の活況度も評価に影響します。

項目 人気化しやすい 人気化しづらい
株式市場の活況度 取引が活発
株価は上昇傾向
取引が少ない
下落が続いている
Yahoo!掲示板などの状況 書き込みが多い 書き込みが少ない
直前のIPOの初値 高い 安い

IPOが持つ実力(企業の業務内容や実績)だけで、株価の初値が決まらないところもIPOの面白いところです。

あのIPO、あの時期に上場していたらもっと凄かったのに…といった事も少なくありません。
逆もあり、赤字企業で人気がないIPOでも市況の勢いで、初値が思ったより上がる場合があります。


以上、上記のことを考慮して、IPO歴14年の管理人がIPOの評価をつけています。
データを見ても、評価が高いほど初値の利益や騰落率が大きくなっています。


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