コロナショックで18社が上場中止。裏事情をIPOに関わった関係者が解説

2020年2月に中国武漢よりおこった新型コロナウィルスの感染拡大。

世界中の株価が下落し、コロナショックと呼ばれる状態に。

IPOも影響をうけ、2020年3月と4月は合計で43社が上場予定でしたが、18社のIPOが中止となりました。
(2004年以降 歴代最多)

これほどIPO中止が相次いだ裏事情を、IPOに関わった関係者さまに教えて頂きました

上場中止(延長)となったIPOが再開された際に応援する意味でも、是非ご覧ください。

コロナショックでIPO中止は18社

2020年3月、4月に中止となったIPOの一覧です。

各社の中止の理由は、ほぼ下記の内容です。(個別ページに原文を転載)

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大及び原油価格の急落等を受けた最近の株式市場の動向等諸般の情勢を総合的に勘案し中止することを2020年★月★日開催の当社取締役会において決議し、東京証券取引所マザーズへの上場を延期いたしましたのでお知らせ申し上げます。

IPO中止を発表した順に紹介します。

上場日 銘柄名 備考
3/26
1社目
ウイングアーク1st 企業の情報活用を促進するソフトウェア、クラウドサービス。
3/24
2社目
ペルセウスプロテオミクス 医薬品等の研究開発、製造、販売。
3/18
3社目
Fast Fitness Japan 24時間型フィットネスクラブ「エニタイムフィットネス」。
事業内容は新型コロナウィルスの影響をモロに受ける。
3/30
4社目
バリオセキュア ネットワークセキュリティ機器と独自監視システムによる運用。
4/9
5社目
ロコガイド チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」の運営。
4/8
6社目
アルマード 卵殻膜原料を活用した化粧品・健康食品の販売。
4/7
7社目
アイキューブドシステムズ 法人向けモバイルデバイス管理サービスの提供。
個人的にはテレワーク関連として注目。
4/9
8社目
ステムセル研究所 民間さい帯血バンク。再生医療。
4/2
9社目
コパ・コーポレーション 実演販売士による販売チャネルによる販売。
コロナショックの恩恵が多少あったと思える事業内容。
4/20
10社目
Speee データ資産を利活用しマーケティング活動を支援。
4/9
11社目
コマースOneHD ECプラットフォーム関連事業。
巣ごもり消費として恩恵があったかも。
4/9
12社目
サイバートラスト IoT、認証・セキュリティ、Linux・OSSの分野で事業を展開。
テレワーク関連のセキュリティでイケると思ってました。
4/22
13社目
アールプランナー 注文住宅の請負事業。
4/23
14社目
スマート・ソリューション・テクノロジー 勤怠管理システムのIC打刻や交通カード情報の読取りなど。
4/24
15社目
SANEI 給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の製造・販売。
4/28
16社目
ヤマイチエステート 不動産の開発、売買、賃貸、管理及び仲介業。
4/30
17社目
GMOフィナンシャルゲート キャッシュレス決済市場において対面決済サービス事業。
上場期待していただけに残念。
4/24
18社目
さくらさくプラス 認可保育所を中心とした保育所等の運営。

コロナショックの影響により、前代未聞の中止件数となりました。

関係者さまに裏事情を教えて頂きました

「関係者さま」に、一連のIPO中止について事情を教えていただきました。

転載の許可をいただきましたので、紹介させて頂きます。
ご協力ありがとうございますm(_ _)m

下記より、この枠で囲んでいる部分が、「関係者さま」からいただいた内容です。

ポイントとなる個所を強調文字にさせて頂きました。

各企業が上場申請したのはコロナショック前

上場承認された企業は、東証に上場申請した時期は12月前後です。

申請会社は東証に申請後、3回のヒアリング、社長、独立役員、常勤監査役の面談等を経て、最終的に上場承認されるのが申請の3か月後、上場日はその1か月後となります。

よって、今回、上場中止した企業が申請したときにきはまだコロナは発生しておりません。

また、証券会社から聞いたのですが、上場の取り消しはすべて幹事証券会社の意向だったようです。

申請会社の意思如何にかかわらずです。

証券会社はかつて経験したことのない事態のため、クライアントに対し、早々に撤退させることを決めたのが実情のようです。

関係者さまより

わたしを含めて一般の人は、中止判断の理由は、発表された文章の中でしか判断できません。

再掲載すると、企業の発表文章はほとんどがコチラ。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大及び原油価格の急落等を受けた最近の株式市場の動向等諸般の情勢を総合的に勘案し中止することを2020年★月★日開催の当社取締役会において決議し、東京証券取引所マザーズへの上場を延期いたしましたのでお知らせ申し上げます。

この文面から、IPO中止は取締役会による会社の意向だとカブスルは思っていましたが、「関係者さま」からいただいた内容を見る限り、延期(中止)は幹事証券の意向であり、申請会社の中には上場したかった企業もあるようです。

決まった上場日は延期できない。会社側が辞退するという体裁をとる

会社サイドとしては、コロナが収束するまで上場日をずらしてほしい、と思うのですが、上場承認日に上場日が発表されると、上場日を変更するという対応は全くないそうです。

だから、その上場予定日に上場できないとなれば、会社側から自ら上場を辞退するという体裁をとるみたいです。

証券会社だけでなく東証にとっても初めての経験みたいで、今回上場を取り消さざるを得なかった企業への対応として、再び上場申請するときには、審査手数料400万円を免除するという話が出ているそうです。

関係者さまより

こちらの内容をみて唖然としました・・・。
日本的というか、なんというか・・・。

前代未聞の事態は分かりますが、このコロナショックの状況下で、事務的に次々とIPOを承認していく東証に問題ありですね・・・。

終わった事はしかたないので、東証側には「上場日の延期を認める」または「新規承認をしない(延期)」といった対応をとれるように改善して欲しいですね。

IPOの新規承認はコロナ禍が収束しない限り厳しい

今後は相当な期間、IPOはないと思います

IPOを行う際、社内体制が整ったあと、まずは幹事証券会社の公開引受部という部署が会社の内容を審査します。これに数か月要します。

これをクリアすれば、証券会社内の会議で取り上げられ、担当者が審査部のスタッフに対して説明を行い、審査部からOKが出て、次の段階に進めます。

審査部からは、3回の質問が来ました。
毎回、質問のリストが送られてき、これに資料を添えて回答するという作業が数か月続きます。(証券会社によると思います)

そして最終的にOKが出れば、めでたく東証に申請となります。

この証券会社が判断する時点で、上場申請する会社のうちどの会社が実際に上場するのか、ほぼ固まっているみたいです。

何回申請しても上場承認があられない会社がある半面、上場させるのを前提に証券会社がサポートする会社もあるようです。

知り合いの会計士が某証券会社を訪れた際、部外秘の上場予定表を目にしたとのことで、そこには私が関わらせて頂いた会社もリストアップされていたそうです。

そんな情報は業界に流れているらしくて、上場承認の2か月前くらいから、いろんな証券会社から売り出しに関わらせてほしいとのアプローチが始まり、中には役員レベルの方が来社されることもありました。

証券会社の審査段階ですでに東証とも情報共有しているそうで、証券会社が「押す」と決めて本気を出してくれた場合には、実質的に上場が決まっているように感じられました。

東証審査も同じような感じで、3回の質問があります。
すでに証券会社がいろんなことを調査しておりますから、ガバナンスなどで大きな問題がない限り、東証審査はスムーズに進みます。

証券会社の審査の開始から上場承認日までのプロセスに8か月以上はかかりますが、コロナが収束しないかぎり、証券会社の公開引受部も動かないと思います。

そうなれば、特殊なケースを除き、1年以上、新規上場はないように思われます。

審査の中で重視される項目の一つとして、3年間の利益計画があります。

右肩上がりで、売上と利益がのびているのが望ましいのです。

しかし、コロナ収束の見通しが立たず、さらに終息後の社会がどうなっているかの予測もつかない中で、先を読んで利益計画を立案できる会社は限定されるでしょう。

そうなると、数年単位で新規上場は難しいかもしれません。
今、市場は誰も経験したことのない状況にあるのではと思います。

関係者さまより

そうだろうなぁとは思っていましたが、改めてIPOに関わっている方に聞くと、ショックですね(涙)

特殊なケースというのは、キオクシア(旧:東芝メモリ)のような準備にさらに時間がかかりそうな、超大型IPOのことかな?と個人的に思いました。

GMOフィナンシャルゲートだけ中止理由に幹事証券の指導と書いたワケは?

こちらはカブスルの質問に対して返答して頂きました。

IPOの中止理由に「また主幹事証券の指導等を総合的に勘案し」と記載されていたのはGMOフィナンシャルゲートだけでした。

GMOフィナンシャルゲート社が「主幹事証券の指導等を総合的に勘案」と記載されておられますが、強制的に有無を言わさず、証券会社が辞めさせたのが真実だと思います。

野村証券はまずIPOから手を引き、大和証券も「かつて経験したことがない事態」として、急に腰くだけになってしまいました。

コロナ問題が深刻化したのちに上場までたどり着けたのは、オムロン等が大口取引先であり、同社らからバックアップすると約束うけた企業(名前は忘れました)と、すでに5社程度上場させている投資会社がさらにもう1社上場させたケースのみという話も聞きました。

関係者さまより

再承認時には応援します

関係者さまから頂いた内容を見る限り、IPO延期(中止)は申請会社側の問題というよりは、東証や証券会社側が、異例の事態に対応できなかったために起こった現象だと感じました。

コロナ禍に収束がみえれば再承認されるかと思いますので、その時は応援させて頂きたいと思います。

各企業さま。
IPO中止時に文句を言って申し訳ありませんでした m(_ _)m

再承認時には一生懸命、応援させて頂きます!

余談ですが、連日のIPO中止にカブスルは当時 イライラしておりました。

主幹事証券はIPOが上場すれば終わりではなく、上場後もサポートを行います。

そういった観点からしても、先日の中止は仕方なかったのかなぁと思います。

【追記】6社の再承認が決定しました!

コロナ禍により延期となったIPOの再承認が決定しました!

新しい目論見書には、新型コロナウィルスに関する同社の認識が掲載されていますので、そちらも個別ページに追記させて頂きました。

上場日 銘柄名 備考
7/15 アイキューブドシステムズ 法人向けモバイルデバイス管理サービスの提供。
個人的にはテレワーク関連として注目。
7/15 GMOフィナンシャルゲート キャッシュレス決済市場において対面決済サービス事業。
6/24 ロコガイド チラシ・買い物情報サービス「トクバイ」の運営。
6/24
コパ・コーポレーション 実演販売士による販売チャネルによる販売。
6/26 コマースOneHD ECプラットフォーム関連事業。巣ごもり消費。
7/10 Speee データ資産を利活用しマーケティング活動を支援。

中止となったIPOは、一度、上場審査を通っていますので、コロナ禍においても事業の先行きが見込める企業については、再承認も早いのかもしれません。

個人的には下記の企業がコロナ禍においても強そうなので、中止IPOの再承認を待っています。

銘柄名 備考
サイバートラスト IoT、認証・セキュリティ、Linux・OSSの分野で事業を展開。
テレワーク関連のセキュリティでイケると思ってました。
スマート・ソリューション・テクノロジー 勤怠管理システムのIC打刻や交通カード情報の読取りなど。

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