企業がIPO(上場)するには理由あり

企業がIPOを行う理由

企業は上場(IPO)による「メリットとデメリット」を考慮して上場を決めています。

IPOを行う一番の目的は事業資金を調達することです。

上場している企業と上場していない企業

上場している企業はごく一部。
世の中、上場していない企業の方が多数です。

直近にIPO(上場)した企業の一覧です。評価が低いのが目立ちますが、すでに知名度の高い企業は市場からの調達金額が大きいことが多く、評価が低くなりがちです。

上場していない大手企業はこちら。
東証の上場審査をクリアできる企業力はあるものの、事業資金を調達する必要がないなどの理由で上場していません。

大手企業以外でも、上場が噂されている期待のベンチャー企業があります。

IPOを行う企業のメリット

企業がIPO(上場)することにより得られるメリットです。

企業がIPOを行うメリット
企業
  1. 株式市場から「事業資金が調達」しやすくなる
  2. 上場企業として会社の「信用度が上がる」
  3. 新規に株式を公開することで「知名度が上がる」

1. 株式市場から「資金が調達」しやすくなる

企業がIPOをする理由は、スムーズかつ広範囲で大規模な資金調達です。

企業が事業資金を調達する方法は、いくつかあります。

  • 借入
    銀行などからお金を借り入れる。
  • 助成金、補助金
    一定の要件を満たすときに行政から助成金や補助金を出してもらう。
  • ファクタリング
    売掛金を債権譲渡することによって現金化する。
  • 投資
    ベンチャーキャピタルや個人投資家などから投資を受ける。

ただ、上記のような方法では、さほど大規模な調達はできません。
銀行や公庫などで借入を利用しようとしても、審査に通らないケースもあります。

そこで企業は上場(IPO)により、新株を大量に発行して投資家に購入してもらうことにより、大きな事業資金を調達することを考え、上場を目指します。

株式が非上場のままでは、買う人が限定され資金を調達できません。
個人や機関投資家を広く集めて株式投資をしてもらうには、取引所に上場する必要があります。

IPOで新たに株を発行することにより、事業資金を調達しやすくなります。
日本中の投資家はもちろんのこと海外の投資家、投資会社も株式を購入してくれる可能性があります。

非上場の状態とは比較にならないほど資金調達が容易になります。
調達した事業資金は、事業拡大や設備投資、サービスの拡充などに利用されます。

2. 上場企業として会社の「信用度が上がる」

上場を目指す企業には、厳しい上場審査があります。
その審査基準をクリアしている企業として「会社の信用度・信頼度」がアップします。

証券取引所に上場していると、企業に対する信用が高まります。

上場によって商談しやすくなったり、金融機関から融資を受けやすくなります。

さらに、「できれば上場企業に就職したい」という学生や中途採用希望者を集めることができます。
募集が増えますので、優秀な人材も集めやすくなります。

3. 新規に株式を公開することで「知名度が上がる」

上場により、企業や提供しているサービスの知名度が上がり、自社商品や自社サービスを広く世に広めることができます。

また、自社商品やサービスも上場していない同業他社と比較して売れやすくなります。

上場後、経済系のTV番組にサービスや商品を取り上げられることが多いです。
上場によりメディアに注目されたためだと思われます。

以上、主に3点の理由にて 企業は上場(IPO)を目指します。
もちろん創業者による「起業したからには上場を目指す」といった目標になっている場合もあります。

企業のデメリット

メリットがある反面、上場すると企業には以下のようなデメリットがあります。

  • 証券取引所、監査法人による監督を受ける
  • 株主総会の案内の発送など事務作業の増加
  • 市場で株式を取得され、買収される恐れ
  • 株主の意向を反映させる経営が必要。

証券取引所、監査法人による監督を受ける

上場すると、その後ずっと証券取引所の方針に従う必要があります。

企業がコンプライアンスを守っているのはもちろんのこと、何か問題がある場合に指摘を受けて軌道修正する必要があります。問題を抱えていると最悪の場合、上場を廃止されてしまうデメリットもあります。

そのほか、監査法人などに対策を依頼する必要がありコストが発生します。

事務作業の増加

上場すると、株主総会や配当金の通知や株主優待の発送など上場に関する事務作業が増えます。
対応人員の増加など、企業の負担となるケースがあります。

買収のおそれ

上場すると株式が市場に売り出されるので、誰でも購入できる状態になります。

すると投資会社やライバル企業などが敵対的な買収を行って、いつのまにか自社株の多くを購入されていた、などというケースもあり得ます。

そこまでいかなくても、上場企業にとって好ましくない人や企業が株主となり、少数株主権などを行使して経営活動を害されるケースもあります。

以上の経営上や費用に関するデメリットを考慮して、上場を敬遠している大手企業もあります。
代表的な企業では小学館や竹中工務店など。

自社で資金調達ができており知名度も高ければ、上場する必要がないというわけです。

企業が上場するには数年かかる

企業が上場(IPO)するには数年かかります。

  1. IPO予定企業主幹事証券会社が IPO(上場)の準備をする
  2. 監査法人の監査を受ける
  3. 証券取引所に上場申請を行う
  4. 承認されてIPO(上場)を迎える

上場には証券取引所の厳しい審査がありますので、上場準備に時間がかかるわけです。

※詳しい上場の流れや審査基準を確認したい人は新規上場ガイドブック(日本取引所グループ)をご確認ください。


IPOがはじめての人は次項も参考にしてください。
初心者の質問は大歓迎です!

こちらの記事は、IPO歴14年の運営者が執筆しています。IPOに65回当選。長年の経験と実績による内容です。
株式投資歴は15年。NISAや株主優待など投資全般に詳しいです。