IPOとは「新規に株式を公開(上場)」すること。投資家のメリットやリスクを紹介

IPOとは?人気の理由であるメリットやリスクについて

IPOは宝くじ感覚ではじめられる、初心者でも気軽にできる資産運用です。
メリットが多いIPOですが株式投資である以上、損失リスクもあります。

こちらでは、IPOの仕組みや流れ、IPO株の選び方やリスク回避の方法などを紹介しています。

はじめてIPOという単語を目にする人にも、わかりやすいよう丁寧に説明しています。

4コマ漫画:IPOとは?1 4コマ漫画:IPOとは?2 4コマ漫画:IPOとは?3 4コマ漫画:IPOとは?4

IPOの仕組み

そもそもIPOとは何なのでしょうか?
IPOの仕組みについてご説明します。

IPOの読み方は「アイ ピー オー」になります。

IPOは、企業が新規に上場すること

IPOは、Initial Public Offeringの略で日本語では「新規上場」です。

株式会社には、上場会社と非上場会社があります。

  • 上場会社
    証券取引所に上場しており、株式市場で広く株式の売買が行われている株式会社。
  • 非上場会社
    証券取引所に登録されておらず、株式市場では株式を買えない株式会社。

株式会社を設立した場合、最初はみんな非上場会社です。
一定の要件を満たして審査に合格すれば、上場を果たして証券取引所に登録してもらうことが可能です。

IPOにより上場すれば、企業は証券取引所を通じて株式を公開できます。
国内はもとより海外からも株式を購入してもらうことができるので、多くの事業資金を集めることができます。

IPOとは?

身近な例では、フリマアプリで有名なメルカリが、2018年にIPOを行いました。

上場前の株価は30万円、上場時の株価は50万円。初値売りで20万円の利益となりました。

また CMが流れていたのでご存知の方も多いと思いますが、ソフトバンクも12月にIPOを行いました。
残念ながらこちらは大規模な通信障害もあり、3,900円の損失でした。

上場していなかった企業が、新たに上場することをIPOといいます。
IPOという言葉は知らなくても、上場という言葉は聞いたことがあると思います。

証券会社からIPO株を購入できる

IPOをするとき、企業は新たに多数の株式を発行したり、既存株主から株式を調達して取引所に流通させます。

IPOによって公開される株式を、新規上場株またはIPO株と呼びます。

IPO株は、企業が証券取引所に上場したことによって株式市場に新しく公開される株式です。
そのとき多くの投資家を公募するので、投資家は新たに発行されたIPO株を購入することが可能です。

IPO株は値上がり益をつかみやすい

説明するにあたり、IPOの用語からご紹介します。

  • 公募価格(公開価格)
    IPOが上場する前に、株式の購入希望者に販売する価格(株価)。
  • 初値
    IPOが上場した際に、株式市場ではじめてついた価格(株価)。

上場日に株式が公開されると、上場後 最初の価格である「初値」がつきますが、この価格は上場前の「公募価格」より高額になるケースが多いです。

上場する企業の期待感(将来性)が高ければ高いほど、初値も高くなります。
つまり、上場前の公募価格で買うと、株価の上昇による利益を得やすくなります。

IPO株を購入するときの流れ

IPOが行われるとき、下記のような流れになります。

IPOを購入するまでの流れ

IPOを購入するまでの流れ

わたしたちに関係あるのは下記の3つです。

  • ブックビルディング(需要申告)
  • 抽選
  • 当選&購入

特に重要なのはブックビルディングになります。

「IPOの承認」や「仮条件の決定」など、IPOの流れについては下記で詳しく紹介しています。

ブックビルディング

ブックビルディング前にIPOの公募価格(上場前の株価)を決める「仮条件」が決定します。
仮条件は800円~1,000円と価格の幅があります。

わたしたちは仮条件で決められた価格帯から、

「IPOを ★★円 で、 ★★株 買いたい!」と幹事の証券会社を通じて希望を申告します。

欲しい株数や株価を申告することを「ブックビルディング」といいます。

IPOに参加するには証券会社の口座開設が必要になります。

(例)IPOの仮条件が「2,000円 ~ 2,500円」で、単元株が100株の場合。

抽選に参加
  • Xさん 「2,000円 で 100株 購入したい」
  • Yさん 「2,200円 で 300株 購入したい」
  • Zさん 「2,500円 で 200株 購入したい」

それぞれ、希望の株価と株数を申告します。

ブックビルディングの申し込みは、どこの証券会社でも出来るわけではなく、主幹事証券および引受幹事証券にて申し込むことができます。

IPOの個別ページに、ブックビルディングに申し込める証券会社が掲載されています。

(例)メルカリのIPOに申し込める証券会社。

主幹事と引受幹事証券の例

ブックビルディングに参加(需要の申告)しないと、 IPOの当選(割当)はありません。

ブックビルディング期間は約5日間になります。
忘れずにブックビルディングの期間中に参加するようにしましょう。

参考までに

「仮条件」 × 「100株」 = 「抽選に必要な投資資金」 になります。

抽選時に資金は拘束されますが、落選すると戻ってきます。

(例)仮条件が2,000円 ~ 2,500円の場合、
当選を狙うなら上限の2,500円で応募するのがおすすめです。

よって、2,500円 × 100株 = 25万円の抽選資金が必要になります。

一部の証券会社では、抽選資金が必要ありません。
(当選した場合の購入資金は必要です)

抽選

抽選のイメージです

IPOは公開株数が決まっています。

ブックビルディングで希望の株数を需要申告しますが、公開株数より希望数が多かった場合、抽選により公開株で購入できる「当選者」を決定します。

ほとんどのIPOは公開株数より投資家の応募数が上回ります。希望者全員に割当することはできず、応募者の中から「抽選」によって公開価格にて株式を購入できる人が選ばれます。

IPO株は、値上がり益が期待され人気があります。
それにより発行予定株式数よりも多くの申し込みが入るケースが多いです。

よって、上場前の公募価格で購入できる人は「抽選」で当選した人がほとんどです。

各証券会社で抽選方式が異なります。
1人1口の公平抽選もあれば、申し込む株数ごとに複数の抽選券をもらえる方式もあります。

IPOは抽選に落選すると、ブックビルディングで拘束された資金が戻ってきます。
抽選に参加するだけで損失を出すことはありません。また、手数料もありません。

IPOは抽選に外れれば抽選資金は戻ってくる

人気の高いIPOほど、抽選倍率は高くなります。

どちらも日経新聞に載っていた抽選倍率です。
抽選倍率は各IPOで発表されるわけでなく、注目度の高いIPOだけ紙面に載ります。

当選と購入

抽選日に抽選結果が出ますので、当選したか確認します。

当選したら、IPO株の代金を払い購入しましょう。
これにより、上場前の公募価格にてIPO株の買付が完了します。

IPOのメリット

IPOは個人投資家に人気があります。その魅力(メリット)は主に3つです。

  1. 大きな利益を得られる可能性
  2. 少ない資金でも参加できる
  3. 損失を出すリスクが低い

こちらではIPOの魅力をカンタンに紹介しています。具体的な実例は下記で紹介しています。

1.大きな利益を得られる可能性

将来性が高い事業はIPOで人気があります。
人気があるので上場後 買い注文を集めやすく、初値が公募価格よりも大きく値上がりします。

人気があるIPO株を抽選などにより公募価格で購入できれば、購入した金額の何倍もの利益を獲得することも可能です。

参考までに

参考までに、2018年のIPOの平均騰落率は116.51%。
倍率にして2.17倍ですから、平均して初値が購入価格の2倍になっています。

もちろんすべてのIPO株でそのような値上がりをするわけではありませんが、そういったチャンスを狙ってIPO株投資をする人も多いです。

2018年は「AI(人工知能)」をテーマとした事業が、IPOで非常に人気が高かったです。

参考までに、2018年に上場したAI関連4社のIPOの上場結果です。

IPO 騰落率
(倍率)
初値売りの利益
HEROZ
公募価格:4,500円、初値:49,000円
988.89%
(10.9倍)
445万円
RPA HD
公募価格:3,570円、初値:14,280円
300%
(4.0倍)
107万円
Kudan
公募価格:3,720円、初値:14,000円
276.34%
(3.8倍)
102万円
テクノスデータサイエンス・エンジニアリング
公募価格:3,200円、初値:6,350円
98.44%
(1.9倍)
31万円

このように大きな利益を得らえる可能性が高いのが、IPOの魅力になります。

わたしたちの身近な企業もIPOを行っています。

IPO 騰落率
(倍率)
初値売りの利益
メルカリ
公募価格:3,000円、初値:5,000円
2018年6月に上場
66.67%
(1.7倍)
20万円
佐川急便
公募価格:1,620円、初値:1,900円
2017年12月に上場
17.28%
(1.2倍)
28,000円
LINE
公募価格:3,300円、初値:4,900円
2016年7月に上場
48.48%
(1.5倍)
16万円

過去5年間の初値売りの平均損益と平均騰落率(倍率)は次の通りです。

  • 2018年245,771円116.51% (2.17倍)
  • 2017年213,283円109.21% (2.09倍)
  • 2016年134,022円70.95% (1.71倍)
  • 2015年162,296円87.26% (1.87倍)
  • 2014年186,194円88.82% (1.89倍)

データでみると、2018年はここ5年間で一番好調でした。

2.少ない資金でも参加できる

10万円の抽選資金があれば1割、20万円あれば5割のIPOに参加できます。
さらに30万円あれば、85%のIPOに参加できます。

銀行の定期預金金利は0.01%と超低金利時代です。
10万円を1年間あずけた場合、つく預金金利はわずか10円です。20万円の場合は20円。

銀行に預金を寝かせる人が日本では多いですが、リスクの低いIPOで資産運用するのもひとつの手です。

また、証券会社によっては資金0円でも抽選に参加できます。

抽選資金が必要ないので、気軽にIPOに参加することが出来ます。

3.損失を出すリスクが低い

IPOも株式投資の一種なので、損失を出すリスクがあります。
ただし、その損失リスクを回避する方法がありますので、損失を出すリスクは限りなく低くなります。

ゆえに利益が大きく、損失が小さくなる「ローリスク・ハイリターン」の構図になりやすいです。

IPOによる損失については次で詳しく紹介します。

IPOの損失リスク

IPOには魅力もありますが、損失を出すリスクもあります。
リスクを確認してIPOに参加しましょう。

  1. 公募割れによる損失
  2. 上場後の変動リスク

1.公募割れによる損失

IPO株は、公開直後の初値が公開価格より高くなることが多いですが、IPO株によっては初値が公開価格を下回り損失を出すリスクがあります。

初値が公開価格を下回ることを「公募割れ」と呼びます。
購入した株価より価値が下がっていますので損失が発生します。

参考までに

参考までに、知名度が高く公募割れになったIPOを3社 紹介します。

IPO 騰落率(倍率) 初値売りの利益
ソフトバンク
公募価格:1,500円、初値:1,463円
-2.4% -3,700円
スシロー
公募価格:3,600円、初値:3,430円
-4.7% -17,000円
コメダHD
公募価格:1,960円、初値:1,867円
-4.7% -9,300円

管理人は、コメダHD(コメダ珈琲)のIPOで損失を出しています。
また、妻もソフトバンクで損失を出しています。(IPO当選実績

IPO投資は「必ずもうかる」というわけではありません。
対象企業の業績や事業内容、期待感の高さなどを総合的に検討する必要があります。

ワンポイント

IPOがはじめての人や調べる時間がない人は、各IPOの参加を判断するのが難しいと思います。

当サイトではIPOの内容や将来性を考慮し、IPOの人気度を5段階に評価しています。
人気が高ければ予想利益は高く、人気が低ければ利益どころか公募割れのリスクが高まります。

評価はIPO歴14年の管理人が長年IPOをみてきた経験からつけています。
IPOに参加する際の目安にしてください。

公募割れのIPOは評価が「C」や「D」のものが多いです。

絶対に損失をだしたくないと考えている人は、評価が「S」や「A」のIPOにだけ参加するのも手です。

2.上場後の変動リスク

まるでジェットコースター

IPO株は上場後、注目を浴びます。
注目を浴びると投資家が多く集まり、売買が活発になるので株価が乱高下します。

売買の差額による利益を狙うプロ投資家も多く、IPO初心者は上場後のIPO株を売買しようと思うと失敗する可能性が高いです。

IPO株を上場後まもない時期に買うのは、損失を出すリスクが高いのでやめておきましょう。

一番 安全なのはブックビルディングに参加して公募価格にてIPO株を購入することです。

こちらではIPOのリスクをカンタンに紹介しています。
損失の回避策や損失がでた実例はこちらで詳しく紹介しています。

まとめ:投資家にとって、IPOはメリットが大きい

IPO株は 個人投資家にとって、利益になる可能性が高い投資方法(資産運用)です。

IPO株はメリットがたくさんあるため、年々人気が上がる傾向にあります。
人気が上がるとライバルも増えるので当選しづらくなりますが、その分値上がりも期待できます。

このチャンスを有効に活用して、IPO株を資産形成に役立てましょう。


次項では、IPOの魅力についてさらに詳しく紹介します。

こちらの記事は、IPO歴14年の運営者が執筆しています。IPOに60回当選。長年の経験と実績による内容です。
株式投資歴は15年。NISAや株主優待など投資全般に詳しいです。