当選IPOの売り方は?売りタイミングが決まっている初値売りがおすすめ
IPOが当選した場合、どのタイミングでIPOを売却すればいいの?と悩まれるかもしれません。
IPO初心者におすすめの売り方は、初値で当選IPOを売却する「初値売り」です。




カブスルも実践している方法で、当選IPOの約9割はこの方法で売却しています。
目次
初値売りとは?
まず、各用語を確認していきましょう。
- 公開価格
IPO株が上場する前に、株式の購入希望者に販売する価格 - 初値
IPO株が上場した際に、株式市場ではじめてついた価格
初値売りとは、当選したIPO株を初値で売ることです。
当選IPOの王道的な売り方で、IPO初心者にもおすすめです。
初値売りのメリットとデメリットを確認しましょう。
初値売りのメリット
IPOは上場後に売買が解禁され注文が殺到するので、上場後に株価は乱高下しやすいです。

上場後にはじめについた株価(初値)よりも、買い注文が集まり株価が高くなってくれれば万々歳ですが、逆に売り注文が集まり、株価が初値よりも下がる場合があります。
どちらに株価が値動きするのかは、決定した初値の株価や、相場の状況次第なので誰にも予想できません。
そこで・・・
上場後の株価の乱高下を気にしない「初値売り」がおすすめです。
ワンポイント
IPOの初値売りのメリットは二点。
- 売り注文のタイミングがラク
- 株価の動向を気にしないでよい
当選IPOの売り方に迷っている人は、初値売りがおすすめです。
1. 売り注文のタイミングがラク
IPOの初値売りは、売り注文のタイミングが決まっているのでラクです。
- 初値売りをする場合
- 売るタイミングが決まっている
何も考えずにすむのでラク
- 売るタイミングが決まっている
- 初値売りをしない場合
- 激しい株価の値動きを見る必要がある
精神的にキツイ - 売るタイミングを見極める必要がある
作業的にキツイ
- 激しい株価の値動きを見る必要がある

初値売りをしない場合、自分で売るタイミングを見計らって売る必要がありますが、上場後の株価の激しい値動きの中で売却するのは、中々大変です。
カブスルも経験ありますが、株価がめまぐるしく動くと、どのタイミングで売っていいのか?が分からなくなります。
迷ったあげく適当に売り注文を出すか、または 売り注文を出せない事態に陥ります。
参考までに
人間には「損失回避バイアス(認知のゆがみ)」というものがあります。(心理学)
利益を得た喜びと損失の悲しみを比べると、損失のほうが大きく印象に残るというものです。
仮に当選IPOが下記のような株価の流れになった場合、ガッカリ感が強くなります。
- 公開価格 1,000円で100株 購入
- 初値は1,500円に。初値で売却しない
- 株価は800円~1,700円を乱高下。次第に900円~1,400円の値動きに
- たまらず、1,400円で売却
- (1,400円-1,000円)×100株 = 4万円の利益に
結果だけみれば4万円の利益を得ているのでOKなんですが、初値で1,500円がついたのをみています。
初値で売っていれば5万円の利益があったので、損したという気持ちが残ります。
(実際は損していない)
当選IPOは初値売りをする!と選択すれば、株価の激しい値動きを見る必要も、売りタイミングをはかる必要もありません。
精神的にも作業的にもラクなので、庶民のIPOでは当選IPOの初値売りをおすすめしています。
2. 株価の動向を気にしないで良い
当選IPOの株価が上下に乱高下する様子を見てるのは、精神的によくありません(笑)
株価が初値より上昇すれば嬉しいし安心できますが、逆に株価が下がっていくのは恐怖で落ち着いて見ていられません(経験談)
また、上記で説明しましたが人間には「損失回避バイアス(認知のゆがみ)」があります。
人は欲張りなもので、一度見てしまった株価が下がると損をした気持ちが強くなってしまいます。
当選IPOの公開価格が1,000円、初値が1,500円だった場合
- 終値が1,800円に
うれしい。ラッキー! - 終値が1,300円に
初値で売っておけば良かった!!!悔しいぃぃぃ!!!!!
と、下がった時の方が、精神的なストレスが大きいです。
初値売りを選択すれば「売るタイミングがルール化」されていますので、売りのタイミングで後悔することがありません。
当選IPOの公開価格が1,000円。初値が1,200円で高値が1,300円だった場合
- 初値 1,200円で売った場合
2万円の利益だ。嬉しい!
株価は初値より上がったけどルールだから仕方ない(納得) - 乱高下のさなか1,200円で売った場合
2万円の利益か・・・。
上手くやれば、あと1万円 利益がでたかもしれないなぁ(後悔)
同じ利益を得ているのに、初値売りでは喜びを感じ、取引中に売った場合は後悔が残っています。
そこで、決め打ちをして当選IPOは初値売りすると決めておいた方が精神的にもラクになります。
カブスルも、基本的に当選IPOは初値売りをしています。
ただし、配当金目当てで長期保有したい場合、将来性が見込め株価の上昇が期待できる場合、株式市場が活況な場合などは様子を見て売却するときもあります。
当選IPOのゆうちょ銀行は7年間保有し、配当金を4.7万円もらっています。
初値売りのデメリット
初値が決まった後、株価が上昇する場面も多いです。

その際に、「もっと利益になった!」と思うことがあります。
ただし、メリットで書いたように初値形成後はどちらに株価が転ぶかは分かりませんし、株価は常に動いているので、あまり気にし過ぎても仕方ありません。
初値売りと決めて売却するか、相場の流れを見て売却するかは、ご自身で判断してください。
人気IPOは抽選に当選し、公開価格で購入した時点で、ほぼ利益が決まっています。
あとは、利幅がどれくらいになるかだけです。
お問い合わせにて、「初値売りをしたほうがいいか?」というご質問を頂きますが、このページに書いてある通りです。判断が難しければ初値売りがおすすめです。
アタマとシッポはくれてやれ
相場の格言に「アタマとシッポはくれてやれ」という言葉があります。
株価が一番安いところで買い(シッポ)、一番高いところで売る(アタマ)のは難しい。
また、それを目指すと失敗しやすいので、多少は目をつむって売買しようという意味。

IPOは、抽選で当選し公開価格で購入できれば、ほぼ利益がでます。
なるべく高い価格で売りたいのは分かりますが、そう都合よくいかないのが株式投資ですし、ほぼ無理な話。
利益がでれば、失敗じゃないんです。
直近IPOの場合は、ウナギです。ウナギ!
あの細長い体の、頭とシッポを掴むのは不可能!無理!
ヌルヌルしているし、諦めるべし。
初値売りのやり方は?売り注文は何時から?
上場日の初値がつく前に「成行」で「売り注文」を出します。
初値がついたと同時に売り注文が成立し、当選IPOが売却されます。
売り注文を出せるタイミングは、証券会社により異なります。
証券会社 | 売り注文をだせる時間帯 |
---|---|
マネックス証券 | 上場日の前営業日の17時頃 |
松井証券 | 上場日の前営業日の17時頃 |
楽天証券 | 上場日の前営業日の17時以降 |
SBIネオトレード証券 | 上場日の前営業日の16時から |
auカブコム証券 | 上場日の前営業日の16時以降 |
SBI証券 | 上場日の前営業日の翌日の朝4時頃 |
野村證券 | 上場日の前営業日の翌日の朝6時以降 |
SMBC日興証券 | 上場日の朝5時から |
岡三オンライン | 上場日の朝6時から |
みずほ証券 | 上場日の朝6時から |
大和証券 | 上場日の朝6時から |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 上場日の朝6時から |
早い証券会社で、上場日の前営業日の夕方ころから売り注文が可能になります。
「上場日の前営業日の翌日」とは、20日(月)が上場日の場合、前営業日17日(金)の翌日である18日(土)のことです。ややこしいですね。
注文方法には成行注文と指値注文がある
証券会社の基本的な注文方法は、2つあります。
それが「成行注文」と「指値注文」です。
注文方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
成行注文 時間優先 |
早く売買できる | 予想よりも高く購入(安く売る)場合あり |
指値注文 株価優先 |
指定した株価で売買できる | 指定価格に達しないと売買が成立しない |

初値売りは、初値で当選IPOを売却することです。
当選したIPO株を「成行 売り注文」出しましょう。
(例)当選IPOの株価が1,000円、目標の売却価格が1,500円の場合。
「1,500円 売りの指値注文」をすると、1,500円以上の株価で売却ができます。
2つの注文の詳しい違いは、姉妹サイト「カブスル」で紹介しています。
嬉しい悲鳴!初日に初値がつかなかった場合は再注文を
成行注文の有効期間は「当日のみ」です。
人気があるIPOの場合、買い注文が集まり上場日に初値がつかなかいことがあります。
成行き注文は翌営業日になると、売り注文が取り消されています。
よって、翌営業日にあらためて成行の売り注文を出す必要があります。
慣れてきたら目標価格を決めて売ろう
IPOの当選などに慣れてきたら、売りたい目標価格から売り時を考えるのもひとつの手です。
- 初値が目標価格を超えそうなら、初値売り
- 初値が目標価格を下回りそうなら、保有で様子見
ただし 保有を選んだ場合は、目標価格に到達する時期が分かりませんし、その期間は資金も拘束されますので、総合的に判断しましょう。
当選IPOを管理するエクセルを配布していますが、目標とする騰落率や倍率から売値を計算できるシートもついています。これらを使って目標株価を決めるのもひとつの手です。

カブスルの場合、当選IPOの目標株価を決めて「売りの指値注文」を出しています。
初値がその価格を超えれば初値売りになりますし、その価格に届かない場合は保有になります。
姉妹サイトではWeb上でエクセル同様の計算もできます。
各証券会社で初値売りする方法
各証券会社で初値売りをする方法を、キャプチャ画面つきで紹介しています。
とりあえずカブスルの当選実績が多い証券会社の初値売りを紹介しております。
ご要望があれば他の証券会社も用意したいと思います。
6月26日より上場日の成行売りは禁止に。では、どうやって当選IPOを売る?
IPOの上場日の過熱感を抑えるため、上場日の成行買い注文および成行売り注文が6月26日(月)より禁止となります。
初心者には「当選IPOを成行売り注文しましょう~」と勧めておりましたが、それができなくなります。
6月26日以降の当選IPOは 売りの指値注文を行う必要があります。
- 新規上場日の売買において、成行呼値を終日禁止
- 新規上場日に初値が決定しなかった場合、初値決定日まで成行呼値禁止を継続
売りの指値注文とは?
売りの指値注文は、指定した株価以上になると売り注文が発動する注文方法です。
言い換えると、指定した価格より高く売りたい場合に利用します。

売りの指値注文の価格の決め方
売りの指値注文の価格の決め方を3パターン考えてみました。
パターン | 利用したい場面と 売り注文の価格 |
---|---|
利益をだしたい |
|
損失を多少だしても売りたい |
|
初値でとにかく売りたい |
|
繰り返しますが、売りの指値注文とは「指定した価格より高く売りたい」という注文方法です。
よって、公開価格より下の価格で売りの指値注文をだしておけば、「利益でも損失でも初値で売却」します。
利益が見込めるIPO株に当選した場合は公開価格で売りの指値注文!
利益が見込めるIPO株に当選した場合は、売りの指値注文の価格を公開価格と同じにします。
庶民のIPOの評価が「S」や「A」に設定しているIPOは初値売りでの利益になりやすく、売りの指値注文を公開価格に設定しておけば、初値がついた際に売買が成立します。
カバーのIPOに100株 当選した場合。
IPOの流れ | 内容 |
---|---|
購入するとき | 公開価格750円で購入 (当選IPOの購入価格) |
売却するとき | 売りの指値注文を750円に設定 (750円以上で売るという注文) |
上場日の初値 | 公開価格より上昇し1,750円に (750円以上なので売却成立) |
利益は? | (1,750円-750円)×100株 = 10万円の利益に |
指値注文は例として公開価格と同じにしましたが、希望価格がある場合、その価格にしてももちろん大丈夫です。ただし、初値がその価格を下回った場合、注文は残ります。
- 売りの指値注文を1,500円に設定
→ 初値の1,750円で売却 - 売りの指値注文を2,000円に設定
→ 設定価格に届かず、初値では売却できず(注文の有効期間内に株価2,000円以上になったら売却)
売りの指値注文は注文の有効期間を決められますので、初値で売却したい方は少し長めの有効期間に設定すると良いかもしれません。
指値注文と成行注文の詳しい説明は姉妹サイトにてご確認ください。
下落しそうなIPO株を初値で売る場合、公開価格より低めに売りの指値注文
IPOに当選したものの・・相場環境が悪いし下落しそう・・・初値で売ってしまいたい!
こんな場合は、公開価格より低めに売りの指値注文します。
ベースフードのIPOに当選した場合。
IPOの流れ | 内容 |
---|---|
購入するとき | 公開価格800円で購入 (当選IPOの購入価格) |
売却するとき | 売りの指値注文を640円に設定 (640円以上で売るという注文) |
上場日の初値 | 公開価格より下落し710円に (640円以上なので売却成立) |
損失は? | (710円-800円)×100株 = 9,000円の損失に |
売りの指値注文を低めに設定することで、公開価格を下回っても初値で売却できます。
なお、株式投資では株価は常に上下に動きます。ベースフードも無理に初値で売らず、様子見をするという方法もあります。ただし、IPOの中には一度も公開価格以上の株価にならないIPO株もありますので、その点は注意が必要です。(どこかで損切りをする見切りが必要)
初値では売らず様子見をしたい方は逆指値も利用
初値で売らない場合、上場後の株価はめまぐるしく変動します。
指値注文だけでなく、逆指値注文も利用すると売買が成立しやすくなります。
- 指値(さしね)
- 【買い】指定した価格より、株価が安ければ購入
- 【売り】指定した価格より、株価が高くなれば売却
- 逆指値(ぎゃくさしね)
- 【買い】指定した価格より、株価が高くなれば購入
- 【売り】指定した価格より、株価が低くなれば売却

なお、指値注文と逆指値注文を同時に出せる証券会社もありますので、そちらも利用すると、現在の株価に対して、上昇時・下落時に対応を自動売買に任せることができます。

各証券会社の注文方法につきましては、姉妹サイトで詳しく紹介しています。
参考までに
逆指値注文では、注文が発動されるトリガー価格を設定します。
このトリガー価格は、上場日のIPOの特別気配も条件の対象です。
(例)IPO株を公開価格の930円で購入
- 上場日に「逆指値 売り注文 1,000円」で指定
- 気配値は930円から値幅5%で推移。初値は2,000円に
- 気配値が1,000円以下なので、指値 1,000円の注文が有効に。初値2,000円で売却
このような逆指値注文をする機会はないと思いますが、一応、ご参考までに。
上場日の翌営業日は成行注文も可能になる
IPO株の成行注文が禁止されるのは、上場日だけです。(初値がつく日まで)
初値がついた上場日の翌営業日以降は、成行注文も利用できます。
結論:成行売り注文禁止は特に気にしなくて良い
こちらの項目、読者の方にお問合せを受けて追記しましたが、ご覧の通り、成行売り注文が禁止になっても特に気にされなくて大丈夫です。
成行注文できなければ、指値注文をすればいいだけです。
また、成行売り注文の価格を低めに設定することで、現状の成行売り注文と同じ結果になります。
いままで通り、IPO当選に向けて全力を尽くしていきましょう~!