委託幹事証券とは?裏幹事と呼ばれている理由は?
委託幹事証券とは、主幹事証券や引受幹事証券からIPOの販売を「委託」された証券会社です。
IPOの承認時に発表される目論見書に、委託幹事証券は載りません。
目論見書(オモテ)には載らないので、裏幹事証券とも呼ばれています。
なんか…悪そうですね(笑)
私たちは、委託幹事証券からもブックビルディングに申し込みできます。
委託幹事(裏幹事)は気づかない人も多いので参加者が少なく、IPO当選の狙い目です。
目次
委託幹事証券(裏幹事証券)はIPO当選の狙い目!
委託幹事証券(裏幹事証券)が なぜ、狙い目かというと理由は簡単。
いつの間に・・・!?
という程、コッソリと委託幹事になっていることが多いです。
よって、気付かない人はブックビルディングに参加できないんです。
つまり、IPOの抽選時にライバルが少ない為、結果的にIPOに当選しやすくなります。
委託幹事証券(裏幹事証券)はどうやって知る?
委託幹事証券は目論見書に載らないので、見落としがちの証券会社です。
各証券会社のTOPページにある、お知らせ欄に「●●のIPOの取り扱いを始めました。」と載っていることがありますが、各証券会社をいちいちチェックするのも大変です。
そこで、委託幹事証券(裏幹事証券)をカンタンに知る方法を3つご紹介したいと思います。
- 各証券会社を事前に口座開設
- 庶民のIPOの情報を活用
- グループ会社をチェック
其の一:各証券会社を事前に口座開設
各証券会社を口座開設していると「お知らせメール」の設定をすることができます。
お知らせメールを受け取る設定をしていると、IPOの取り扱いに気付きやすくなります。
証券会社名 | 備考 |
---|---|
マネックス証券 | ログイン→登録情報→アラートメール登録状況→新規公開株アラートメールを「通知する」に IPOの取り扱い決定とメールあり |
SBIネオトレード証券 | ログイン→お客様情報→案内メール設定を「要」に IPOの取扱いが決定とメールあり |
auカブコム証券 | ログイン→自動通知サービス→その他通知→新規公開株→「メール通知」にチェック IPOのブックビルディング開始とメールあり |
松井証券 | 特に連絡なし |
大和コネクト証券 | 特に連絡なし |
ワンポイント
お知らせメールでは「委託幹事になりました」というメールが届くわけではありません。
- 株式会社★★の、IPOの取扱いが決定されました。
- 株式会社★★の、ブックビルディングが開始されました。
というメールが届きます。
このメールを受け取った際に「あれ?幹事証券だったっけ?」と気付くことが肝心!
其の二:庶民のIPOの情報を活用
庶民のIPOは IPOの総合情報サイトであるため、各証券会社の情報を常にチェックしています。
よって、委託幹事に気づいた際に委託幹事証券(裏幹事証券)の情報も発信しています。
- TOPページおよびお知らせ一覧にて情報発信
- IPO管理帳やIPO管理帳ログイン版の幹事証券に表示
- IPOのメール通知システムのメール本文に記載
- Twitterで発信
ちなみに、庶民のIPOのチョットした気遣いとして、公募割れのリスクが高いIPOについては、委託幹事証券の情報を積極的に発信しておりません。
そもそも、委託幹事証券(裏幹事証券)の情報を庶民のIPOで発信している意図は、IPOのブックビルディングに参加しましょう!とお知らせしています。
公募割れ(損失)のリスクが高いIPOについて、わざわざ紹介する意味がありません。
其の三:グループ会社をチェック
証券会社の中には、同じグループ企業に属している証券会社があります。
同じグループに属しているため、一方が幹事証券になった際に、IPOの委託をされやすくなります。
グループ | 委託幹事 |
---|---|
大和グループ | 大和証券から、大和コネクト証券にIPOの委託 |
SBIグループ | SBI証券から、SBIネオトレード証券にIPOの委託 |
三菱UFJフィナンシャルグループ | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券から、auカブコム証券にIPOの委託 |
委託幹事証券(裏幹事証券)になりやすい証券会社
委託幹事証券(裏幹事証券)を常にチェックしているカブスルが、委託幹事証券になりやすいと感じている証券会社です。
証券会社名 | 備考 |
---|---|
大和コネクト証券 |
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松井証券 |
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岡三オンライン |
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auカブコム証券 |
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SBIネオトレード証券 |
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マネックス証券 |
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楽天証券 |
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DMM.com証券 |
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大和コネクト証券は超穴場で特におすすめ
大和コネクト証券は2020年12月からIPOの取り扱いをはじめた証券会社ですが、IPOの当選報告が多いです。
同グループの大和証券からIPOが回ってくるので、IPOの取扱数が多いのが特徴。
- 2023年:44社(全体の46%)
- 2022年:42社(全体の46%)
- 2021年:49社(全体の39%)
カブスルも、大和コネクト証券で2020年12月にココペリに当選。39万円の利益に。(当選実績)
感覚で当選しやすいというのが分かっていましたが、実際の割当数がどれくらいあるのか2023年3月のIPOを調べてみました。
IPO | 完全 抽選 |
優遇 抽選 |
大和コネクト証券に 回った割合 |
大和証券 の割当数 |
---|---|---|---|---|
SHINKO 7120 |
60名 | 23名 | 0.86% | 961,600株 |
ハルメクHD 7119 |
35名 | 14名 | 1.00% | 489,600株 |
アイビス 9343 |
3名 | 0名 | 0.88% | 34,000株 |
カバー 5253 |
5名 | 1名 | 0.97% | 62,100株 |
モンスターラボHD 5255 |
357名 | 150名 | 0.87% | 5,846,800株 |
AnyMind Group 5027 |
3名 | 0名 | 1.11% | 27,000株 |
住信SBIネット銀行 7163 |
403名 | 64名 | 0.49% | 9,483,300株 |
Fusic 5256 |
1名 | 0名 | 1.67% | 6,000株 |
調べてみた結果、大和証券の約1%の株数が大和コネクト証券に回ってきているようです。
感覚通り、大和コネクト証券は割当数が多い!です。
約1%という数値は大きくないんですが、大和証券の割当数がとても多いので、大和コネクト証券への割当数も多いです。
さらに大和コネクト証券は新しい証券会社で、IPOの取り扱いも2020年12月と最近なので、IPO抽選のライバルが少なく、IPO当選に向けて超穴場の証券会社となっています。
参考までに
ウェルスナビ(7342)の場合
証券会社 | ネット抽選分 |
---|---|
みずほ証券 | 701口 |
野村證券 | 187口 |
大和コネクト証券 | 429口 |
大和コネクト証券のネット抽選分は、大手の野村證券より多いです。
また、みずほ証券よりは抽選分は少ないですが、口座開設数を考えれば、当選機会は大和コネクト証券の方があったと考えられます。
松井証券はベンチャーキャピタルへの投資で引受数を増やしている
2021年から、松井証券の幹事数が増えています。
ベンチャーキャピタルへ出資することで上場企業検討企業との接点を増やす取り組みを行っているようです。
2024年3月期 決算報告資料より
2021年の資料に、引受参入率50%を目指すと、力強い言葉が書かれていましたが、有言実行されています。
2020年の幹事数は全体の19%でしたが、2021年に全体の45%、2022年に全体の60%、2023年に全体の73%と、大幅に幹事数を伸ばしています!
委託幹事証券は、IPO承認から数日後に発表されることが多いです。
委託幹事に気付いてから証券会社の口座開設をしても、間に合わない場合があります。
(口座開設申込みが増えるため通常より時間がかかる)
可能なら、事前に口座開設をしておくのがオススメです。
閲覧者の方からも委託幹事からの当選報告があります。