公募価格の下限決定は損失リスク大!当選キャンセルも考慮しよう
公募価格(公開価格)が仮条件の上限で決まらないIPOは、公募割れのリスクが高くなるので要注意です!
こちらで、実際に上限で決まらなかったIPOとその結果を紹介します。
公募価格の下振れは人気がない証拠!
ほとんどのIPOは「仮条件の上限」で決まることが多いです。
仮条件では「どの株価で購入したいですか?」というヒアリングをしていますが、公募価格が仮条件の上限で決まらないという事は「現在の設定している株価が評価より高い!」というレッテルを張られているようなものです。
つまり IPOとして人気化しづらく、このようなIPOは公募割れのリスクが非常に高くなります。
公募価格が下振れしたIPOの実績
公募価格が下振れ決定した IPOの実績です。
IPO株 | 仮条件 | 公募価格 | 初値 | 初値売り 損益 |
---|---|---|---|---|
ファンペップ 2020/12/25 |
650~ 730 |
650 (下限) |
715 | 6,500円 (10%) |
ローランド 2020/12/16 |
2,810~ 3,710 |
3,100 | 2,954 | -14,600円 (-4.7%) |
ダイレクトマーケティングミックス 2020/9/17 |
2,400~ 2,980 |
2,700 | 2,600 | -10,000円 (-3.7%) |
雪国まいたけ 2020/9/17 |
2,000~ 2,400 |
2,200 | 2,100 | -10,000円 (-4.5%) |
松屋R&D 2020/4/6 |
910~ 960 |
910 (下限) |
838 | -7,200円 (-7.9%) |
Macbee Planet 2020/3/31 |
1,830~ 1,990 |
1,830 (下限) |
2,348 | 51,800円 (28.3%) ※コロナショック |
ヴィス 2020/3/25 |
820~ 900 |
820 (下限) |
754 | -6,600円 (-8.0%) ※コロナショック |
フォーラムエンジニアリング 2020/3/9 |
1,310~ 1,400 |
1,310 (下限) |
1,030 | -28,000円 (-21.3%) |
ステムリム 2019/8/9 |
1,000~ 1,700 |
1,000 (下限) |
930 | -7,000円 (-7.0%) |
アルテリア・ネットワークス 2018/12/12 |
1,150~ 1,500 |
1,250 | 1,190 | -6,000円 (-4.8%) |
ワールド 2018/9/28 |
2,900~ 3,200 |
2,900 (下限) |
2,755 | -14,500円 (-5.0%) |
信和 2018/3/20 |
1,150~ 1,300 |
1,150 (下限) |
1,106 | -4,400円 (-3.8%) |
西本WismettacHD 2017/9/29 |
4,500~ 5,250 |
4,750 | 4,465 | -28,500円 (-6.0%) |
スシローグローバルHD 2017/3/30 |
3,600~ 3,900 |
3,600 (下限) |
3,430 | -17,000円 (-4.7%) |
マクロミル 2017/3/22 |
1,900~ 2,100 |
1,950 | 1,867 | -8,300円 (-4.2%) |
バロックジャパンリミテッド 2016/11/1 |
2,000~ 2,240 |
2,000 (下限) |
1,900 | -10,000円 (-5.0%) |
KHネオケム 2016/10/12 |
1,330~ 1,670 |
1,380 | 1,306 | -7,400円 (-5.3%) |
ベイカレント・コンサルティング 2016/9/2 |
2,100~ 2,360 |
2,100 (下限) |
1,963 | -13,700円 (-6.5%) |
上記の一覧をみると、公募価格が仮条件の上限で決まらないIPOは公募割れのリスクが高くなるのがお分かり頂けたかと思います。
2020年3月、4月はコロナショックで相場が大混乱していました。
Macbee Planetとヴィスは、条件の上限に票を集めたが、市況で異例の下限決定。
庶民のIPOの評価はどちらも「B」でしたが、この異例の事態で「D」へ変更。
Macbee Planetは初値が高くついたものの、上場日にストップ安となり、嵌め込みだった可能性があります。
当選IPOの辞退も検討!
場合によってはIPOに当選しても、購入の辞退(キャンセル)も検討された方がよいかと思います。
カブスルも公募価格が下振れをしたIPOは、当選をキャンセルをし、損失リスクを回避しています。

IPOは当選が目的ではなく、利益を得るのが目的です。
せっかく当たったから・・と購入して損失を出している方も見かけますので、ご注意を。
なお、SMBC日興証券など、ごく一部の証券会社では当選を辞退するとペナルティがあります。
ペナルティがある証券会社と、その内容を確認をしておきましょう。
