キオクシアホールディングス(285A):IPO上場情報と初値予想


キオクシアホールディングスは、メモリ及び関連製品の製造、販売、研究開発等を行っている企業です。グループは連結子会社22社(国内7社、海外15社)および関連会社等6社(国内4社、海外2社)により構成。

NAND型フラッシュメモリーの売上高で世界3位。(1位はサムスン電子、2位はSKグループ)

主要製品

()は2024年3月期における売上収益の比率

  • SSD&ストレージ(48.0%)
    PC、データセンター、エンタープライズ向けSSD製品及びメモリ製品
  • スマートデバイス(34.8%)
    スマートフォン、タブレット、テレビ等の民生機器、車載、産業機器等の用途で使用される制御機能付きの組み込み式メモリ製品
  • その他(17.3%)
    SDメモリカード、USBメモリ等のリテール向け製品及び製造合弁会社3社経由で計上されるWestern Digitalグループ向けの売上収益等

東芝メモリ株式会社からの単独株式移転により、2019年3月に設立。2019年10月に社名変更。
(日本語の「記憶(KIOKU)」と、ギリシャ語の「価値(AXIA)」に由来)

沿革

2023年10月より公開価格決定のプロセスが変更となりました。承認前提出方式(S-1方式)が採用された初のIPOとなります。IPOのポイントでも説明しています。

同社の従業員数は123名、平均年齢は46.3歳、平均勤続年数は14.2年、平均年間給与は1045万円。連結の従業員数は15,152名(2024年10月末)


キオクシアHDのIPOの内容や事業内容は日本取引所グループに掲載されています。
本ページで掲載している画像は、キオクシアHDの目論見書から引用しています。
庶民のIPOは、初心者でもIPOに参加しやすいよう要約し、評価や初値予想を掲載。はじめての人へ

キオクシアホールディングスの上場日

C
  • 業績:不安
  • IPO人気:あり
  • オファリングレシオ:低い

上場日 2024/12/18(水) 証券コード 285A
市場 東証プライム 業種 電気機器
Webサイト Webサイト 単元株 100株
Yahoo!ファイナンス キオクシアホールディングス(285A)
時価総額
7,493億円(想定価格で計算)

キオクシアホールディングスのブックビルディング内容

ブックビルディング期間中に、幹事証券からIPOに申し込みましょう。

ブックビルディング期間

2024/12/2 (月) ~ 12/6 (金)

仮条件 12/2 (月)に決定
当選口数 827,339口
発行済株式数 539,062,500株 オファリングレシオ 15.3%
公募株数 21,562,500株 売出株数 50,380,100株
吸収金額 1,150億円あたり O.A分 10,791,300株
仮条件決定日 12/2 (月) 公開価格決定日 12/9 (月)
購入期間 12/10 (火) ~ 12/13 (金)
備考

【11.22追記】売出は、国内17,286,500株、海外33,093,600株(海外販売の割合 65.7%)

※ 吸収金額は公募株、売出株、OA株を含む。
※ 申込・購入期間は各証券会社で異なります。

キオクシアホールディングスの初値予想と予想利益

キオクシアホールディングスの初値予想と予想利益です。予想利益は仮条件の上限価格を基にしています。

想定価格と初値予想

想定価格 1,390円あたり ※抽選資金:13.9万円あたり
初値予想 1,320円 ~ 1,440円 (0.9倍~1.0倍)
予想利益 -7,000円~5,000円
送信中...

初値予想アンケート

キオクシアホールディングス(285A)の初値予想アンケートに、ご協力をお願いします。

目論見書の想定価格(1,390円)を基準価格としています。

有効回答:916   投票期限:2024/12/17 (火) 23:59まで
3倍以上(4,170円以上)
89票  10%
投票済み

2.5倍以上~3倍未満(3,475円以上~4,170円未満)
27票  3%
投票済み

2倍以上~2.5倍未満(2,780円以上~3,475円未満)
34票  4%
投票済み

1.5倍以上~2倍未満(2,085円以上~2,780円未満)
88票  10%
投票済み

1.2倍以上~1.5倍未満(1,668円以上~2,085円未満)
216票  24%
投票済み

1倍以上~1.2倍未満(1,390円以上~1,668円未満)
156票  17%
投票済み

公募割れ(1,390円未満)
306票  33%
投票済み

キオクシアホールディングスの主幹事と幹事証券

キオクシアホールディングスのIPOを取り扱っている証券会社です。

現金8,000円+2,000ポイントがもらえる口座開設タイアップ企画を行っています。
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キオクシアホールディングスの決算情報

単独 財務情報 (単位/百万円)

決算期 2024年3月 2023年3月 2022年3月
売上高 6,417 5,625 6,048
営業利益 68 56
営業利益率 1.06% 1%
経常利益 1,169 1,224 1,474
当期利益 892 611 950
純資産 1,153,019 1,152,166 1,164,491
配当金
EPS -0.89 1.18 1.84
BPS 1,620.40 1,644.89 1,643.71
前期比(営業利益) 21.4%
前期比(売上高) 14.1% -7%
※配当金、EPS、BPSは(単位/円)

連結 財務情報 (単位/百万円)

決算期 2024年3月 2023年3月 2022年3月
売上高 1,076,584 1,282,101 1,526,495
営業利益 -252,698 -99,015 216,228
営業利益率 -23.47% -7.72% 14.16%
経常利益 -343,330 -186,443 154,356
当期利益 -243,728 -138,141 105,921
純資産 449,635 658,068 793,855
EPS -470.97 -266.94 204.68
BPS 868.86 1,271.63 1,534.02
前期比(営業利益) 155.2% -145.8%
前期比(売上高) -16% -16%
※EPS、BPSは(単位/円)
業績

キオクシアホールディングスのPERとPBR

想定価格(1,390円)で算出したPERとPBRです。

決算月 PER PBR EPS BPS
2023年3月
(実績/連結)
- 1.09倍 -266.94 1,271.63
2024年3月
(実績/連結)
- 1.6倍 -470.97 868.86

キオクシアホールディングスの配当金と配当利回り

想定価格(1,390円)と配当金で算出した配当利回りです。

決算月 1株あたり
の配当金
配当利回り 配当性向
2024年3月
(実績)
0円 - -

上位株主とロックアップ情報

キオクシアホールディングスの上位10名の株主構成、ロックアップの情報です。

株主名 株数 売出数 ロック
アップ
㈱東芝 210,300,000
39.68%
35,932,700 180日
BCPE Pangea Cayman, L.P. 134,112,000
25.31%
14,447,400 180日
BCPE Pangea Cayman2, Ltd. 77,400,000
14.60%
- 180日
BCPE Pangea Cayman 1A, L.P. 48,489,780
5.85%
- 180日
BCPE Pangea Cayman 1B, L.P. 30,998,220
4.24%
- 180日
HOYA㈱ 16,200,000
3.06%
- 180日
ステイシー・スミス 3,105,000
0.59%
(3,105,000)
- 180日
ロレンツォ・フロレス 388,140
0.07%
(388,140)
-
早坂 伸夫 372,600
0.07%
(372,600)
- 180日
渡辺 友治 310,500
0.06%
(310,500)
- 180日
※()内の数値は、新株予約権による潜在株式数。
  • 180日のロックアップ期間は、2025年6月15日まで
詳細は目論見書にてご確認ください。

直近の類似IPOの上場結果

キオクシアホールディングスと同じホットワードのIPOの上場結果です。

知名度が高い」のIPOの直近の結果です。

  • 2024/10/23 東京地下鉄(東京メトロ)
    初値売り損益:43,000円
    (騰落率:35.83%、倍率:1.36倍)
  • 2024/10/18 インターメスティック
    初値売り損益:40,800円
    (騰落率:25.03%、倍率:1.25倍)
  • 2024/07/26 タイミー
    初値売り損益:40,000円
    (騰落率:27.59%、倍率:1.28倍)
  • 2024/03/21 トライアルHD
    初値売り損益:51,500円
    (騰落率:30.29%、倍率:1.30倍)
  • 2023/04/21 楽天銀行
    初値売り損益:45,600円
    (騰落率:32.57%、倍率:1.33倍)

キオクシアホールディングスと市場と業種が同じIPOの上場結果です。

「市場:プライムまたは東証一部」かつ「業種:電気機器」の直近のIPO結果です。

キオクシアホールディングスのIPO分析

NAND型フラッシュメモリは、キオクシアグループが1987年に世界で初めて開発し世界標準となった不揮発性半導体メモリであり、大容量のデータ保存を可能にする記憶用デバイスです。(電源を切っても記憶が消えないメモリ)

デジタルデータの総量は増加の一途を辿っており、今後もAIの発展を筆頭にクラウド、5G、IoTなどの普及によりメモリが果たす役割が重要になることが見込まれます。世界における生成データ量は、2023年から2028年まで年平均成長率24.4%で成長し、2028年には394ZBまで伸長することが予想されています。

A世界でのデータ発生量の推移とフラッシュメモリの需要見通し

注目すべき点は時価総額。想定価格で算出した時価総額は7,493億円です。
目標としていた時価総額は1.5兆円なので、目標の半額の規模での上場となります。
時価総額にこだわって上場時期の見送りなどをしていたので、ここにきて、この時価総額で上場を急ぐとは思っておりませんでした。

上場により調達した手取金の使途(277億円)としては、今後予測されるメモリ市場の伸長に伴うフラッシュメモリの需要増加に対応すると共に、継続的なコスト競争力の向上を図るために生産規模及び生産効率を最大化することを目的として生産能力増強に係る設備投資を予定。
三重県の四日市工場などに投資(米メモリー大手のウエスタンデジタルと共同。国から最大2430億円の補助)

2025年3月期3Qの業績予想(連結)が発表されています。
市況回復で業績は回復傾向にあります。

業績予想

通常のIPOは、東証が上場を承認した後に有価証券届出書を提出し売出価格などを決定します。

キオクシアは、東証が上場を承認する前に有価証券届出書を提出するので、承認前提出方式(S-1方式)と呼ばれています。
この方式は2023年10月に施行された公開価格決定プロセスの変更により可能となりました。

上場承認日から上場日までの期間を短縮する方式での上場が可能

通常のIPOと比較して、上場承認から上場日までの期間を10日ほど早めることが可能となっています。

キオクシアはNAND型フラッシュメモリー専業で市況の波に業績が左右されやすい事業内容なので、上場タイミングを選択できるS-1方式はキオクシアに合っている上場方式だと個人的に思っておりました。上場時期は2024年12月~2025年6月の間で選択できたのに、最速での上場へ!

半導体株への投資は難しいです。半導体需要により業績が大きく上下に振れますし、次世代半導体の開発も必要。半導体株は今年 注目度の高いセクターでしたが、カブスルは一切 投資をしませんでした。機会損失も大いにあったと思いますが、大損を避けるために過熱感のある個別株の投資を避けています。

キオクシアも投資先としては非常に投資判断が難しいと思います。

経営成績の状況

キオクシアは当初の予定の時価総額1.5兆円どころか、1兆円を切る時価総額に(7,493億円)
S-1方式で機関投資家からのヒアリング済みかと思いますが、評価が低かったことと、この時価総額でもこの時期に上場したいキオクシアの判断によるものかと。想定価格が割安になったとみるか、見向きもされていないとみるかは難しいところ。

ただ、キオクシア自体は上場後に時価総額1兆円を目指していると思われます。
日本企業を応援したい気持ちはありますが、IPOの初値については公募割れのリスクもあると思います。投資されるなら長期目線が必要。

東京メトロ(9023)のIPOと比べてどうですか?という質問もいただきますが、人気度は全く違います。東京メトロは同業他社と比較して割安感があり、配当利回りも魅力的、業績も安定していました。IPOは知名度が高いからといって人気化するわけではありません。

個人的な評価が難しいIPO。
仮条件の価格や半導体相場を考慮して評価と初値予想は変更する可能性があります。

参考までに

評価は下記を考慮して、公募割れのリスクがややある「C」に設定しました。

公募割れのリスクあり
  • 市況回復で業績は回復傾向。2025年3月期の中間利益は過去最高の1,760億円
  • フラッシュメモリ市場は中長期的に拡大する予測
  • AI関連市場の成長
  • オファリングレシオが15.3%と低いIPOデータ
  • 知名度が高い
  • グローバルオファリング(海外販売)あり。売出株の海外販売比率は65.7%
  • 配当実績なし
  • 直近の半導体株は軟調に推移
  • 業績に上下のブレがある。フラッシュメモリ市場の需要により市況の改善と悪化が周期的にあり(決算情報
  • 需給バランスによりフラッシュメモリ製品の販売価格が大幅に下落する可能性
  • 目標の時価総額1.5兆円を目指した経営をするはず(想定価格による時価総額は7,493億円)
  • 2024年3月期はAppleグループへの販売高が、当社の連結売上収益の10%以上、2023年3月期はDellグループへの販売高も10%以上
  • NAND型フラッシュメモリーの専業。DRAMも研究中

目論見書の想定価格は1,390円。初値予想は1,320円 ~ 1,440円としました。
予想利益は-7,000円~5,000円で、市況によっては公募割れのリスクがあるIPOになります。

IPOの参加・不参加の判断は非常に悩ましい。特に急いで買う必要もなさそう。とはいえ、IPO好きとしては100株のみの当選を目指して参加してみようかなと思っています。当選したら初値では売らずに応援目的で長期保有します。

短期売買の利益を狙っている方は、公募割れのリスクもあるのでスルーでも良いIPOかなと思います。
投資は自己責任でどうぞ。

下記はカブスルのIPO参加スタンスです。やや消極的に参加するので、IPOに当選後に当選を辞退するとペナルティがある証券会社からの参加は控えようと思っています。松井証券は抽選資金が不要なので参加し、松井証券で当選したら他の証券会社は当選しても辞退します。

松井証券と主幹事証券のみずほ証券野村證券はブックビルディング時の抽選資金が不要です。
当選後に購入資金を入金すれば良いので気軽に参加できます。(松井証券は口座開設タイアップ中)

特に松井証券はIPOの引受部門にチカラを入れており、幹事数が増えています(5割目標)

その他に、資金力に左右されない当選が期待できるマネックス証券や、落選しても次回以降の当選チャンスに活かせるポイントが付与されるSBI証券で参加する予定です。

キオクシアのIPOは紆余曲折ありました。

  • 2024.9.24 世界的に半導体株が調整。目標の時価総額1.5兆円に届かないと判断し上場見送り…。早くて年内にIPOを行うと
  • 2024.8.23 東証へ上場を申請したとのこと。まだ油断できないのがキオクシア(記事
  • 2024.6.26 東証へ予備申請し10月末の上場を目指すと・・本当か??(記事
  • 2024.4.16 半導体市況回復で2024年内の上場を目指すとの報道あり(記事
  • 2022.10.26 今はIPOに適切な時期じゃないと発言。メモリー市況は厳しい
  • 2022.3.24 非公開化を検討。会社2分割案は否決で白紙に。いいかげんにして!
  • 2021.11.8 事業を3分割して2年後のIPOを目指すとの報道もあり、大混乱中です(笑)
  • 2020.9.26 ブックビルディング終了後、IPOの中止を発表(上場中止したIPO

2020年10月に上場予定だったキオクシアのIPOの内容はこちらです。

ブックビルディングの参加スタンスは Twitterにて発信しています。

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本ページで掲載している画像は、キオクシアHDの目論見書から引用しています。
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