楽天証券のIPOはSBI証券と比べて当たりづらい?

IPOに当選したい!

楽天証券のIPOに当たらない、当たりづらいという声を聞きます。

口座開設数No1を競っているSBI証券と比較すると、わたしも楽天証券はIPOに当たりづらいと思います。

IPO投資歴19年のIPO当選実績と、幹事数や抽選方式など各方面から考えても、それを証明できますので説明していきたいと思います。

IPO投資歴19年。楽天証券とSBI証券のIPO当選実績は?

2023年8月30日時点での、カブスル一家のIPO当選実績です。

証券会社 当選数 IPOの利益額
楽天証券 3回 6万2,200円
SBI証券 36回 664万3,070円

SBI証券の方が楽天証券より12倍も当選回数が多いです。

この結果から、楽天証券はSBI証券と比較してIPOに当たりづらいといえます。少なくとも個人のデータ的には。

では、何故ここまで当選実績に差がでてくるのか、各項目から検証していきましょう。

口座開設数はどちらも多い。つまりIPO当選のライバルが多い

楽天証券とSBI証券は口座開設数No1を競っています。

2023年6月末時点/SBIグループのIR資料より
証券会社 口座数 備考
楽天証券 924万3千 口座 楽天証券のみの口座数
SBI証券 1046万5千 口座 SBI証券、ネオモバ、ネオトレ、FOLIOの合計口座数

楽天証券は単体での口座開設数を公開しているのに対し、SBI証券はグループとしての口座開設数を公開していますので、単純比較ができません。(SBI証券も楽天証券が口座開設数を伸ばす前までは単体での口座開設数を公開していました)

ちなみに、下記の図が2024年3月期1Qに出されたSBIグループのIR資料です。

SBI証券と楽天証券の口座開設数

まぁ、なにはともあれ、楽天証券とSBI証券は共に口座開設数が多い証券会社となります。

IPO当選目線で言い換えれば、どちらもIPO当選のライバル数が多い証券会社となります。

幹事数はSBI証券が多い。楽天証券は幹事数が少ないのでIPOに当たりづらい

IPOに申し込むには、幹事証券になる必要があります。
つまり、幹事数が多いほどIPOへの参加機会が増え、IPOに当選しやすくなります。

楽天証券とSBI証券の幹事数の比較です。(横スクロールできます)

表をみると一目瞭然で、SBI証券の方が圧倒的に幹事数が多いです。

つまり、IPOに参加できる機会はSBI証券の方が多く、幹事数で比較すると、楽天証券はIPOに当たりづらいです。

主幹事数はSBI証券のみ。主幹事はIPOの当選数が多い

主幹事証券とは?

IPOの当選数(割当数)が多い主幹事証券は、SBI証券では毎年 取扱いがありますが、楽天証券では主幹事の取扱いがありません

主幹事証券になるとIPOの当選数(割当数)が増えるので、IPOに当たりやすくなります。

SBI証券と楽天証券は口座開設数に大差なし。分母が大きい方がIPOに当選しやすいので、主幹事になる機会が多いSBI証券の方が楽天証券よりIPOに当たりやすいと言えます。


2023.8.30時点
証券会社 2023年 2022年 2021年
楽天証券 0社 0社 0社
SBI証券 11社 13社 21社

年間の幹事数、主幹事数、どちらも楽天証券よりSBI証券の方が多く、IPOの参加機会が多い上に割当数も多くなっています。

抽選方式の違い。SBI証券は落選時のチャンスがある

SBI証券と楽天証券のIPOの抽選方式はこちら。

証券会社 抽選方式 特徴
SBI証券 口数比例抽選 申込数が多いほど当選しやすい仕組み(上限なし)
イメージでいえば宝クジと一緒。100株申し込むより5万株申し込む方が当選しやすい
ポイント配分 口数比例抽選で落選した人を対象に、IPOチャレンジポイント上位利用者から割当(当選)
IPOチャレンジポイントは、IPOに落選するごとに1ポイント付与されます
裁量配分 取引実績などを考慮してIPOを配分。一般の人には恩恵なし
楽天証券 口数比例抽選 申込数が多いほど当選しやすい仕組み(上限あり)
割当数が少ないので申込上限が100株の場合もあり。
需要申告と購入の意思表示で、1つのIPOに2回申し込む必要あり

SBI証券はIPOチャレンジポイントという仕組みが用意されており、IPOに落選するごとにポイントが1ポイント付与され、貯めたポイントをIPOに利用することで、IPOの割当(当選)があるという仕組みを採用しています。

このポイント制度により、SBI証券から積極的にIPOに参加している方は多いかと思います。

一方の楽天証券はIPOの申込時に、需要申告(買いたい)という意思表示(1回目)と、当選したら買いますという意思表示(2回目)を行う証券会社でやや面倒ですし、この2回目の意思表示を忘れる方もいらっしゃいます。

つまり、SBI証券はIPOに参加しやすいですし、楽天証券はややIPOに参加しづらいです。
口座開設期間が長くても、IPOに参加する機会が少ないと、IPOに当たりづらくなります。

この意味において、楽天証券はIPOの申し込みやすさや申込忘れを考慮すると、IPOに当たりづらいです。

まとめ:楽天証券はSBI証券と比較するとIPOに当たりづらい

総合的に考えると、楽天証券はSBI証券と比較してIPOに当たりづらいです。

  • 楽天証券とSBI証券の口座開設数は一緒くらい
    IPOのライバルはどちらも多い
  • 幹事数はSBI証券が圧倒的に多い
    楽天証券で申込めるIPOが比較すると少ない
  • 主幹事証券はSBI証券はある。楽天証券はない
    主幹事はIPOの割当数が多い
  • 楽天証券は2回の申告必要。SBI証券は落選時のチャンスもあり
    楽天証券は申込忘れも発生

なお、楽天証券はIPOに当たりづらいと言っているだけで、当たらないとは言っていません。
カブスルも楽天証券でIPOに3回当選し、6万円の利益を得ていますので。

ただし、抽選資金が限られている方は、楽天証券よりも他の証券会社でIPOに参加した方が当選確率が上がる可能性があります。

SBI証券も楽天証券も口数比例抽選を採用しており資金力が必要。
抽選資金が限られている方は、抽選資金不要や平等抽選を採用している証券会社を中心にIPOに申し込みましょう!


楽天証券だけでIPOに参加してIPOに当たらない!と文句を言っている方を見かけますが、今回の記事を読んでいただければ、その理由が少し見えたのではないでしょうか。

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