例年、最初のIPOと最後のIPOは盛り上がる。過去15年間のデータも掲載

例年、最初のIPOと最後のIPOは初値が良い傾向にあります。
特に最初のIPOは2月頃。
年末のIPOから約2ヵ月ぶりのIPOとなります。
待ちわびた投資家の注目度が高く、初値も高くなる傾向にあります。
各年の最初のIPOの結果
過去、15年間の最初のIPOの上場結果です。
2004年から調査しましたが、一発目のIPOで公募割れはありませんでした。
その年の平均騰落率を超えてるIPOは、背景色を黄色にしています。
2022年の株式市場は、2021年末からの弱気相場そのままに大乱調。長年続いた公募割れなしのアノマリーも崩れました。
上場日 | 企業 | 騰落率 倍率 |
初値売り 利益 |
その年の 平均騰落率 |
---|---|---|---|---|
2023年 1月26日 |
テクノロジーズ(5248) 想定価格:950、初値:- |
- | - | |
2022年 2月3日 |
Recovery International(9214) 公募:3,060、初値:2,640 |
-13.7% (0.86倍) |
-4.2万円 | 46.52% (1.4倍) |
2021年 2月5日 |
QDレーザ(6613) 公募:340、初値:797 |
134.4% (2.3倍) |
4.5万円 | 52.54% (1.5倍) |
2020年 2月7日 |
ジモティー(7082) 公募:1,000、初値:2,300 |
130% (2.3倍) |
13万円 | 105.6% (2.0倍) |
2020年 2月7日 |
コーユーレンティア(7081) 公募:1,890、初値:2,510 |
32.8% (1.3倍) |
6.2万円 | 105.6% (2.0倍) |
2019年 2月22日 |
識学(7049) 公募:1,800、初値:4,550 |
152.8% (2.5倍) |
27.5万円 | 82.1% (1.8倍) |
2018年 2月23日 |
Mマート(4380) 公募:1,240、初値:5,380 |
333.9% (4.3倍) |
41.4万円 | 116.5% (2.2倍) |
2017年 1月27日 |
シャノン(3976) 公募:1,500、初値:6,310 |
320.7% (4.2倍) |
48.1万円 | 109.2% (2.1倍) |
2016年 2月24日 |
はてな(3930) 公募:800、初値:3,025 |
278.1% (3.8倍) |
22.2万円 | 71.0% (1.7倍) |
2015年 2月12日 |
KeePer技研(6036) 公募:2,120、初値:3,160 |
49.1% (1.5倍) |
10.4万円 | 87.3% (1.9倍) |
2014年 2月13日 |
アキュセラ・インク(4589) 公募:1,800、初値:2,300 |
27.8% (1.3倍) |
5万円 | 88.8% (1.9倍) |
2013年 2月13日 |
メドレックス(4586) 公募:1,000、初値:2,200 |
120% (2.2倍) |
12万円 | 117.1% (2.2倍) |
2012年 2月22日 |
マックスバリュ九州(3171) 公募:1,250、初値:1,300 |
4% (1.0倍) |
5,000円 | 54.6% (1.6倍) |
2011年 3月3日 |
駅探(3646) 公募:2,780、初値:5,530 |
98.9% (2倍) |
27.5万円 | 23.9% (1.2倍) |
2010年 3月3日 |
アニコムHD(8715) 公募:2,000、初値:4,000 |
100% (2倍) |
20万円 | 16.2% (1.2倍) |
記憶に新しい2018年のMマートですが、正直それほど高騰するようなIPOの内容ではありませんでした。結果はご覧のとおり、初値は公開価格の4.3倍に!
おそらく、最初のIPOでなければ これほど高騰することもなかったと思います。
実は、2018年の最初のIPOは1月22日に上場予定だった「世紀」だったんですが、ブックビルディング開始前に中止となりました。これもあり、投資家の買い意欲がさらに高められたのかもしれません。
各年の最後のIPOの結果
過去、15年間の最後のIPOの上場結果です。
翌年のIPOまで例年、2か月くらい間が空きます。
上場日 | 企業 | 騰落率 倍率 |
初値売り 利益 |
その年の 平均騰落率 |
---|---|---|---|---|
2022年 12月29日 |
スマサポ(9342) 公募:760、初値:2,250 |
181.3% (2.8倍) |
14.5万円 | 46.52% (1.4倍) |
2021年 12月29日 |
Institution for a Global Society(4265) 公募:1,720、初値:2,002 |
16.4% (1.7倍) |
2.8万円 | 52.54% (1.5倍) |
2020年 12月29日 |
オンデック(7360) 公開価格:1,550、初値:4,500 |
190.3% (2.9倍) |
29.5万円 | 105.6% (2.0倍) |
2019年 12月26日 |
スポーツフィールド(7080) 公開価格:2,730、初値:8,500 |
211.4% (3.1倍) |
57.7万円 | 82.1% (1.8倍) |
2018年 12月25日 |
リンク(4428) 公開価格:3,580、初値:7,620 |
112.9% (2.1倍) |
40.4万円 | 116.5% (2.2倍) |
2018年 12月25日 |
ベルトラ(7048) 公開価格:384、初値:514 |
33.85% (1.3倍) |
1.3万円 | 116.5% (2.2倍) |
2017年 12月26日 |
オプティマスGP(9268) 公開価格:1,800、初値:2,001 |
11.2% (1.1倍) |
2万円 | 109.2% (2.1倍) |
2016年 12月27日 |
ティビィシィ・スキヤツト(3974) 公開価格:1,400、初値:4,500 |
221.4% (3.2倍) |
31万円 | 71.0% (1.7倍) |
2015年 12月25日 |
一蔵(6186) 公開価格:1,210、初値:1,236 |
2.2% (1.0倍) |
2,600円 | 87.3% (1.9倍) |
2014年 12月26日 |
MRT(6034) 公開価格:800、初値:3,275 |
309.4% (4.1倍) |
24.7万円 | 88.8% (1.9倍) |
2013年 12月24日 |
ヒューマン・ メタボローム・ テクノロジーズ(6090) 公開価格:1,400、初値:3,100 |
121.4% (2.2倍) |
17万円 | 117.1% (2.2倍) |
2012年 12月21日 |
グランディーズ(3261) 公開価格:360、初値:368 |
2.2% (1.0倍) |
800円 | 54.6% (1.6倍) |
2012年 12月21日 |
地盤ネット(6072) 公開価格:720、初値:1,412 |
96.1% (2倍) |
6.9万円 | 54.6% (1.6倍) |
2011年 12月22日 |
ミサワ(3169) 公開価格:860、初値:1,209 |
40.6% (1.4倍) |
3.4万円 | 23.9% (1.2倍) |
2011年 12月22日 |
アイセイ薬局(3170) 公開価格:3,460、初値:3,460 |
0% (1倍) |
0円 | 23.9% (1.2倍) |
2010年 12月21日 |
日本メディカルネット コミュニケーションズ(3645) 公開価格:840、初値:1,750 |
108.3% (2.1倍) |
9.1万円 | 16.2% (1.2倍) |
パッと見ると、その年最初のIPOに比べて初値はあまりよくないように見えます。
ところが12月のIPOは、その年の全体の約2割のIPOが上場します。
上場日が重なる場合も多く、IPOの数が多くなるため 各IPOに投資資金が分散されます。
資金が分散されるので、他の月に上場するIPOと比べて上がりづらくなります。
12月前半は好調なのですが、後半になると資金枯れが起こりIPOの初値は徐々に勢いがなくなります。
そういった状況の中で、その年最後に上場するIPOは 12月中のIPOに比べると 良い結果となっています。
その年最後のIPOについては、IPO相場の流れを見ていないと実感できない部分があるかなぁと思います。
その年最初のIPOについては、ライバルも少なく待ちわびた投資家の資金がガッと流れ込むので、初値が良い結果になりやすいです。