テクセンドフォトマスク(429A):IPO上場情報と初値予想


テクセンドフォトマスクは、半導体製造に不可欠な「フォトマスク」の開発・製造・販売を行う企業です。

グループは同社と連結子会社13社、持分法適用会社2社で構成。世界8拠点に工場あり。
親会社はTOPPANホールディングス。

フォトマスクとは

フォトマスクは、 表面の遮光膜にごく微細な回路パターンをエッチングした透明なガラス板で、 回路をシリコンウェハに焼き付ける際に用いられる原版です。

フォトマスクに成形されたパターンをシリコンウェハ上に縮小露光することで、 微細なパターンが形成可能となります。

半導体製造工程におけるフォトマスクの位置づけ

フォトマスク市場は内作(自社生産)市場と外販市場に分けられますが、テクセンドフォトマスクは外販市場にてシェアNo.1を獲得しています(シェア38.9%)

同社の従業員数は489名、平均年齢は43.1歳、平均勤続年数は2.7年、平均年間給与は794.6万円。連結の従業員数は1,899名(2025年8月末)


テクセンドフォトマスクのIPOの内容や事業内容は日本取引所グループに掲載されています。
本ページで掲載している画像は、テクセンドフォトマスクの目論見書から引用しています。
庶民のIPOは、初心者でもIPOに参加しやすいよう要約し、評価や初値予想を掲載。はじめての人へ

テクセンドフォトマスクの上場日

C
  • IPO人気:あり
  • オファリングレシオ:高い
  • 売出多い
  • 割安感:やや割高

上場日 2025/10/16(木) 証券コード 429A
市場 東証プライム 業種 その他製品
Webサイト Webサイト 単元株 100株
Yahoo!ファイナンス テクセンドフォトマスク(429A)
時価総額
2,978.7億円(公開価格で計算)
3,544.7億円(初値で計算)

テクセンドフォトマスクのブックビルディング内容

ブックビルディング期間中に、幹事証券からIPOに申し込みましょう。

ブックビルディング期間

2025/9/30 (火) ~ 10/6 (月)

仮条件 2,900円~3,000円 (抽選資金:29万円 ~ 30万円)
当選口数 522,035口
発行済株式数 99,291,220株 オファリングレシオ 52.5%
公募株数 7,000,000株 売出株数 39,133,200株
吸収金額 1,566.1億円 O.A分 6,070,300株
仮条件決定日 9/30 (火) 公開価格決定日 10/8 (水)
購入期間 10/9 (木) ~ 10/14 (火)
備考

【10.8追記】売出株は32,611,000株 → 39,133,200株、OA株は5,941,600株 → 6,070,300株へ変更。

【10.8追記】売出は、国内11,983,800株、海外27,149,400株(海外販売の割合 69.4%)

※ 吸収金額は公募株、売出株、OA株を含む。
※ 申込・購入期間は各証券会社で異なります。

テクセンドフォトマスクの公開価格と初値

仮条件 2,900円~3,000円
公開価格 3,000円 初値 3,570円
騰落率 19.00%  倍率  1.19倍
初値売り損益 57,000円(3,570円 - 3,000円)× 100株

※初値や利益の数値はあくまで予想であり、将来の実際の結果を保証するものではありません。
※予想利益は公開価格(仮条件の上限価格)を基に試算しています。

テクセンドフォトマスクの初値予想と予想利益

テクセンドフォトマスクの初値予想と予想利益です。

※初値や利益の数値はあくまで予想であり、将来の実際の結果を保証するものではありません。
※予想利益は仮条件の上限価格(想定価格)を基に試算しています。

仮条件と初値予想

仮条件 2,900円 ~ 3,000円 ※抽選資金:29万円 ~ 30万円
上限は3.5%下ブレ↓
初値予想 3,090円 ~ 3,780円※9/30 修正
(1.0倍~1.3倍)
予想利益 9,000円~7.8万円

想定価格と初値予想

想定価格 2,670円 ~ 3,110円 ※抽選資金:26.7万円 ~ 31.1万円
初値予想 3,200円 ~ 3,910円 (1.0倍~1.3倍)
予想利益 9,000円~8万円
マネックス証券

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初値予想アンケート

テクセンドフォトマスク(429A)の初値予想アンケートに、ご協力をお願いします。

公開価格(3,000円)を基準価格に修正しています。

有効回答:1889   投票期限:2025/10/15 (水) 23:59まで
3倍以上(9,000円以上)
803票  43%
投票済み

2.5倍以上~3倍未満(7,500円以上~9,000円未満)
69票  4%
投票済み

2倍以上~2.5倍未満(6,000円以上~7,500円未満)
74票  4%
投票済み

1.5倍以上~2倍未満(4,500円以上~6,000円未満)
348票  18%
投票済み

1.2倍以上~1.5倍未満(3,600円以上~4,500円未満)
275票  15%
投票済み

1倍以上~1.2倍未満(3,000円以上~3,600円未満)
177票  9%
投票済み

公募割れ(3,000円未満)
143票  8%
投票済み

テクセンドフォトマスクの主幹事と幹事証券

テクセンドフォトマスクのIPOを取り扱っている証券会社です。

テクセンドフォトマスクの割当数とネット抽選の当選数

目論見書で公表されている証券会社の割当数と、ネット抽選分の当選数(個人配分)の予想です。

割当数にネット抽選分のパーセンテージをかけた単純な計算ですので、参考程度にお願いします。

証券会社 割当率 割当数 ネット
抽選分
主幹事
SMBC日興証券
49.11% 12,304,100株 12,304口
主幹事
野村證券
24.88% 6,233,800株 6,233口
主幹事
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
20.78% 5,205,100株 5,205口
主幹事
モルガンスタンレーMUFG証券
1.24% 310,700株 0口
主幹事
BofA証券
0.41% 103,600株 0口
みずほ証券 1.43% 358,900株 358口
大和証券 1.43% 358,900株 358口
マネックス証券 0.14% 35,800株 358口
松井証券 0.14% 35,800株 250口
SBI証券 0.14% 35,800株 214口
岡三証券 0.14% 35,800株 35口
岩井コスモ証券 0.14% 35,800株 35口

大和コネクト証券のネット抽選分は、35口あたりが想定されます。大和証券の約1%

委託幹事である三菱UFJ eスマート証券岡三オンラインは、委託数が公表されていません。

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テクセンドフォトマスクの決算情報

単独 財務情報 (単位/百万円)

決算期 2025年3月 2024年3月 2023年3月
売上高 23,258 21,899 21,556
営業利益 3,834 5,642
営業利益率 16.48% 25.76%
経常利益 27,042 7,247 13,721
当期利益 23,091 5,238 10,891
純資産 94,845 98,751 93,512
配当金 90.00
EPS 241.85 52.38 108.91
BPS 1,027.63 987.49 935.11
前期比
(営業利益)
-32%
前期比(売上高) 6.2% 1.6%
※配当金、EPS、BPSは(単位/円)

連結 財務情報 (単位/百万円)

決算期 2025年3月 2024年3月 2023年3月
売上高 117,974 107,086 100,782
営業利益 28,199 19,827 28,680
営業利益率 23.9% 18.52% 28.46%
経常利益 30,771 22,901 29,366
当期利益 9,945 16,105 22,159
純資産 116,381 137,709 110,604
EPS 104.16 161.05 221.60
BPS 1,260.98 1,377.07 1,106.03
前期比
(営業利益)
42.2% -30.9%
前期比(売上高) 10.2% 6.3%
※EPS、BPSは(単位/円)
業績

テクセンドフォトマスクのPERとPBR

公開価格(3,000円)で算出したPERとPBRです。

決算月 PER PBR EPS BPS
2024年3月
(実績/連結)
18.63倍 2.18倍 161.05 1,377.07
2025年3月
(実績/連結)
28.8倍 2.38倍 104.16 1,260.98
※(予想)欄のPBRおよびBPSは、会社公表の業績予想を基に算出した参考値です。

テクセンドフォトマスクの配当金と配当利回り

公開価格(3,000円)と配当金で算出した配当利回りです。

決算月 1株あたり
の配当金
配当利回り 配当性向
2024年3月
(実績)
90円 3% 171.8%
2025年3月
(実績)
0円 - -
※(予定)欄の配当性向は、会社公表の業績予想および予定配当金を基に算出した参考値です。

上位株主とロックアップ期間

テクセンドフォトマスクの上位10名の株主構成とロックアップ期間です。

株主名 株数 売出数 ロック
アップ
TOPPANホールディングス株式会社 親会社 46,237,901
47.46%
- 180日
Iceインテグラル2投資事業有限責任組合 PE 20,469,194
21.01%
(1,167,846)
13,924,500 180日
Infinity Gamma Ice L.P. PE 8,280,822
8.50%
(472,455)
5,633,100 180日
Initiative Delta Ice L.P. PE 7,174,700
7.36%
(409,344)
4,880,700 180日
Insight Beta Ice L.P. PE 6,506,212
6.68%
(371,204)
4,425,900 180日
Innovation Alpha Ice L.P. PE 5,507,851
5.65%
(314,244)
3,746,800 180日
Iceインテグラル1投資事業有限責任組合 PE 901,040
0.92%
(51,407)
- 180日
二ノ宮 照雄 代表取締役社長 150,000
0.15%
(150,000)
- 180日
Michael G. Hadsell 取締役 85,000
0.09%
(85,000)
- 180日
糸雅 誠一 取締役 50,000
0.05%
(50,000)
- 180日
※()内の数値は、新株予約権による潜在株式数。
  • 180日のロックアップ期間は、2026年4月13日まで
詳細は目論見書にてご確認ください。

直近の類似IPOの上場結果

テクセンドフォトマスクと同じホットワードのIPOの上場結果です。

「半導体」のIPOの直近の結果です。

  • 2025/03/19 JX金属
    初値売り損益:2,300円
    (騰落率:2.80%、倍率:1.03倍)
  • 2024/12/18 キオクシアHD
    初値売り損益:-1,500円
    (騰落率:-1.03%、倍率:0.99倍)
  • 2024/12/04 TMH
    初値売り損益:62,800円
    (騰落率:41.87%、倍率:1.42倍)
  • 2024/10/25 リガクHD
    初値売り損益:-5,500円
    (騰落率:-4.37%、倍率:0.96倍)
  • 2023/10/25 KOKUSAI ELECTRIC
    初値売り損益:27,600円
    (騰落率:15%、倍率:1.15倍)

テクセンドフォトマスクと市場と業種が同じIPOの上場結果です。

「市場:プライムまたは東証一部」かつ「業種:その他製品」の直近のIPO結果です。

  • 2020/12/16 ローランド
    初値売り損益:-14,600円
    騰落率:-4.71%、倍率:0.95倍
  • 2006/10/13 SRIスポーツ
    初値売り損益:-6,000円
    騰落率:-3.16%、倍率:0.97倍

テクセンドフォトマスクのIPO分析

半導体製造に不可欠なフォトマスクの開発・製造を行う企業です。海外売上比率は約93%と高く、グローバル展開済み。

半導体関連銘柄は市場で注目されやすく、同社の注目度も高くなりそうです。

半導体メーカーは主に内作(自社生産)によってフォトマスクを調達していますが、 微細化が進むにつれて最先端以外の領域について徐々に外販化を進めています。テクセンドフォトマスクは外販市場にてシェアNo.1を獲得(シェア38.9%)

内作プレイヤーからの受注加速

2026年3月期の業績予想(連結)が開示されています。
売上は増加見込みで、営業利益は減少(増収・減益)となる予想です。

なお、「2025年3月期」の欄に配当金90円と記載がありますが、これは基準期が2024年3月期の配当で、決議・支払いが翌期(2025年3月期)に計上されたものです。したがって、2025年3月期を基準とする配当は実施していません。(配当利回り

業績予想

2026年3月期のEPSと配当金は「未定」です。
一方で、配当政策としては「連結配当性向30%程度を基本方針」としており、復配の可能性もあります。

参考までに、プライムに上場しているフォトマスク銘柄との比較です。
テクセンドフォトマスク以外は事業が広く、売上規模等ケタ違いですので、あくまでも参考までに。
(エレクトロニクス分野の売上高構成比:TOPPAN 15.9%、DNP 17.0%)

項目 テクセンドフォトマスク
(429A)
TOPPAN HD
(7911)
大日本印刷(DNP)
(7912)
事業内容 半導体用フォトマスクの開発・製造・販売 情報・生活産業。半導体用フォトマスク等のエレクトロニクス関連を含む 印刷・エレクトロニクス。半導体用フォトマスク等を展開
時価総額 2,978億円
(仮条件上限)
11,511億円 13,345億円
売上高(直近) 1,179億円 17,179億円 14,576億円
営業利益(直近) 282億円 840億円 936億円
配当利回り 未定 1.43% 1.49%
PER 28.8倍 17.4倍 12.7倍

テクセンドフォトマスク以外はフォトマスク以外に複数事業を展開しているため、利益率や成長性はそれぞれの事業ポートフォリオに大きく左右されます。

売出比率が80%と高めで、需給面ではやや重さが意識される、インテグラルグループの出口(EXIT)型IPOです。

このタイプのIPOは人気が出にくいですが、直近の半導体関連銘柄の株価は堅調に推移しており、弱いながらも無難な初値をつけそうな気がします。みなさんの初値予想からも期待がみてとれます。

ただし、市場全体の地合いや上場当日の市況によっては、公募割れの可能性もありえます。
なお、自民党の総裁選は10月4日に予定されています。

参考までに

評価は下記を考慮して、公募割れのリスクがややある「C」に設定しました。

公募割れのリスクあり
  • 半導体製造に不可欠な「フォトマスク」を手がける専業メーカー)
  • 世界シェア38.9%(外販市場)で、EUV対応マスクも量産実績あり
  • 海外売上比率は約93%と高く、グローバル展開済み
  • 市場で非常に人気の高いテーマである「半導体関連」銘柄(データ
  • 業績は安定的(決算情報
  • 2025年3月期 営業利益率は23.9%と高水準
  • 株価が高い値嵩株。値動きの幅が大きいため、短期トレーダーに好まれやすい
  • グローバルオファリング(海外投資家向け販売)あり。海外向け販売比率は55.9%
  • インテグラルグループが売出し中心の構成となっており、投資回収(EXIT)感が強いIPOデータ
  • 需給が重く初値が上昇しづらい構造
  • オファリングレシオは45.8%とやや高めIPOデータ
  • 売出比率が82.3%と高め
  • インテグラルグループが上場後も3割の株を保有。180日後にロックアップ解除(需給悪化の懸念)
  • 10月のIPOラッシュにより投資資金の分散懸念。値嵩株ゆえに一部投資家に敬遠される懸念も
  • 2026年3月期の業績予想(前期比)は、売上高 125,291百万円(+6.2%)、営業利益 25,500百万円(-9.6%)
  • 仮条件の上限価格と前期実績(連結)によるPERは28.8倍、PBRは2.38倍(PERとPBR
  • 配当方針として「連結配当性向30%程度」を掲げており、復配の可能性あり
  • AIや先端半導体への投資トレンドに連動しやすい事業構造
  • プライム市場のIPOは初値が控えめな一方、上場後は堅調に推移する傾向あり

9.30追記。仮条件が2,900円 ~ 3,000円に決定。(想定発行価格は2,670円~3,110円)
初値予想を3,090円 ~ 3,780円に修正し、予想利益を9,000円~7.8万円としました。

目論見書の想定価格は2,670円 ~ 3,110円。初値予想は3,200円 ~ 3,910円としました。
予想利益は9,000円~8万円で、市況によっては公募割れのリスクがあるIPOになります。

※初値や利益の数値はあくまで予想であり、将来の実際の結果を保証するものではありません。

カブスルは幹事証券にてIPOに参加します。

ワンポイント

主幹事の一角はSMBC日興証券です。
IPOの一連の流れを取りしきる立場にあり、IPOの当選数が一番多いです。

IPOの割当の一部は資金力に左右されない平等抽選を採用しています。カブスルは33回 IPOに当選。

他にも、平等抽選で資金力に左右されずに当選が期待できるマネックス証券や、落選しても次回の当選チャンスに活かせるポイントが付与されるSBI証券がおすすめです。

カブスルはこの3社だけでIPOに97回当選しています(全当選数の51.1%)

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委託幹事は気づかれないことも多いので可能なら参加しておきたいです。

※本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘を目的としたものではありません。
※数値は予想であり、将来の結果を保証するものではありません。

ブックビルディングの参加スタンスは X(Twitter)にて発信しています。

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