抽選資金の拘束のタイミングはいつ?

抽選資金の拘束のタイミングはいつでしょうか?
また、同じ資金で複数のIPOに申し込めますか?

各証券会社で抽選資金の拘束タイミングは違います。

買付余力(抽選資金)の確認と、購入資金の拘束のタイミングは、各証券会社で違います。

また、同一資金を使って、ほかのIPOの抽選に回せるかどうか?も各証券会社により違います。

こちらのページにまとめましたので確認しておきましょう。

買付余力の確認と購入資金の拘束

IPOの抽選に参加する場合、買付余力(購入資金)が必要になります。

まず最初に、こちらのページで出てくる用語について説明します。

  • 買付余力の確認
    買付余力(現金など)を確認するタイミングです。
  • 購入資金の拘束
    買付余力からIPOの購入資金がロックされます。
  • 同一資金の利用
    同一資金を他のIPOの抽選に利用できます。(入金額が小さくてすみます)

買付余力の確認とは?

抽選資金が足りない

買付余力とは、株式などを購入できる証券口座の資金(残高)になります。

IPOの抽選に参加する際は、証券会社の買付余力を確認されます。

つまり、参加するIPOの購入資金があるかどうか?を確認されます。

確認といってもこちら側が何かをするわけでなく、IPOに申しむ際に口座に現金があるかどうかがチェックされます。買付余力が足りないと、申し込み時に資金が足りませんとエラーメッセージが出ます。

買付余力の確認は、証券会社に現金を入金するタイムリミットと考えると、覚えやすいかもしれません。

最初からややこしくて申し訳ないんですが、買付余力の確認の取り扱いは各証券会社で違います。

  • 買付余力の確認を行う証券会社と、行わない証券会社がある。
    買付余力の確認をしないのは、いわゆる資金不要の証券会社
  • 買付余力は現金のほか、保有している株式の価値もカウントされる証券会社がある。

その他、信用取引の取り扱い状況によっても買付余力の範囲が変わる証券会社があります。

ややこしいので、基本的には「現金」と考えておいてください。

参考までに

2023年10月から公開価格決定のプロセスが変更となり、公開価格が仮条件の上限価格の+20%で決まる場合があります(最小は下限価格の-20%)

  1. 仮条件の範囲内で公開価格が決まるパターン(ほとんどこちら)
  2. 仮条件の価格の±20%で公開価格が決まるパターン(たまにある)

「1」か「2」のどちらかで公開価格が決まります。詳しい説明は下記で行っています。

購入資金の拘束とは?

IPOの購入資金が拘束(ロック)されると、株の購入やほかのIPOの購入に同一資金を回せません。

例として、買付余力が50万円あった場合。

メルカリの購入資金30万円が拘束されると、50万円-30万円=20万円。
買付余力は20万円になり、この金額内で株の購入や ほかのIPOに応募できます。

  • 15万円の株を購入する
  • 30万円の株を購入する
  • 20万円の他のIPOに応募する
  • 25万円の他のIPOに応募する
  • 10万円の株を購入し、10万円の他のIPOに応募する(合計20万円)

購入資金を拘束されるタイミングは、各証券会社で違います。

資金拘束のタイミング

主に下記の3タイプあります。

  1. IPOのブックビルディング時(抽選参加時)に拘束するタイプ
    参加ごとに拘束されるので、どんどん買付余力が減っていく。
  2. IPOの抽選時に拘束するタイプ
  3. IPOに当選 or 補欠当選したときに拘束するタイプ
    当選後に拘束されるので一番ありがたい!

どの証券会社がどのタイプなのかは下記の表で紹介しています。

資金を拘束されるタイミングは遅ければ遅いほど、資金が自由になるので助かります。

購入資金の拘束は、抽選で落選すると解放されます。

同一資金の利用とは?

ブックビルディングにおいて、同一資金(買付余力)で複数のIPOの抽選に参加できる証券会社があります。

証券会社の入金が少なくて済むので、資金効率が良いです。

参考までに

A社:20万円、B社:30万円、C社:10万円の抽選資金を必要とするIPOがあり、買付余力が30万円ある場合

  • 同一資金の利用が可能な証券会社の場合
    同一資金でA社、B社、C社のすべての抽選に参加できます。
  • 同一資金の利用が不可な証券会社の場合
    A社に応募した場合、買付余力は10万円となりC社にだけ参加できます。
    B社に応募した場合、買付余力は0円となり他のIPOに応募できません。

同金額の買付余力なら、同一資金の利用ができる証券会社の方が、資金効率は良いです。

同一資金の利用

同一の抽選資金を利用して、IPOに応募が可能な証券会社はこちらです。

抽選資金が必要ない証券会社は、当選するまで購入資金がいらないので、複数のIPOにどんどん応募ができます。(当選したら購入資金が必要)

資金の重複申し込みが可能な証券会社の注意点としては、同一抽選日のC社とD社に応募した場合、C社に当選または補欠当選すると、「当選または補欠当選した株数の資金」が拘束されます。

ギリギリの抽選資金で応募している場合、D社の抽選資金が足らず、抽選対象外となる可能性があります。

こちらで紹介しているのはあくまでも、同一資金でほかのIPOに抽選に参加できるということです。

抽選日が同日の場合、上記の当選の例以外にも、同日抽選日分の資金が必要になるケースもあるかと思いますので、あくまでも参考程度にお願いします。(HPに明記されていない)

各証券会社のIPOの入金期限と資金拘束のタイミング

IPOの抽選資金の入金期限(買付余力の確認)と、資金拘束のタイミングを各証券会社で調べました。
まずは、用語を再確認しておきましょう。

  • 買付余力の確認
    買付余力(現金など)を確認するタイミングです
  • 購入資金の拘束
    買付余力からIPOの購入資金がロックされます
  • 同一資金の利用
    同一資金で他のIPOの抽選に参加。ただし、同一抽選日の場合は注意
2024.9.18時点
証券会社 同一
資金
【入金】買付余力の確認
【拘束】資金拘束のタイミング
抽選申込み
(需要申告)
抽選時 当選
(補欠)
購入申込み
マネックス証券 × 【入金】
【拘束】
     
SMBC日興証券 × 【入金】
【拘束】
     
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 × 【入金】 【拘束】 次点  
SBI証券 ○   【入金】 【拘束】  
大和コネクト証券 ○ 【入金】 資金確認 【拘束】  
大和証券 ○ 【入金】 資金確認   【拘束】
松井証券 ○ 抽選資金が必要なし! 【入金】
【拘束】
岡三オンライン ○ 抽選資金が必要なし! 【入金】
【拘束】
SBIネオトレード証券 ○ 抽選資金が必要なし! 【入金】
【拘束】
みずほ証券 ○ 抽選資金が必要なし! 【入金】
【拘束】
野村證券 ○ 抽選資金が必要なし! 【入金】
【拘束】

入金&資金拘束に関してゆるいのが、松井証券岡三オンラインのパターンになり、厳しいのが、マネックス証券SMBC日興証券のパターンになります。

上記の表の【入金】【拘束】の欄が右側にくるほど、ゆるく(楽に)なります。

抽選資金が必要ない証券会社は「当選」してから購入資金を入金すればOKです。

資金0円で気軽にIPOへ応募できるので、口座開設しておきたい証券会社になります。

参考までに

初心者にもわかりやすいよう「入金」という表現をしておりますが、正確には「買付余力」になります。

買付余力は「現金」がメインとなりますが、一部の証券会社や信用取引を行っている人は「保有株式」も買付余力に反映されます。

各証券会社の買付余力はログイン後に口座情報などから確認できます。

ややこしいので表には掲載しませんでしたが、東海東京証券は、ブックビルディング時は同一の抽選資金を利用できますが、申込んだIPOが同日に複数銘柄の抽選がある場合、その全ての抽選資金を入金していないとキャンセル扱いとなります。また、キャンセル扱いとなると、IPOの申込に制限がかかるペナルティ対象となります。

東海東京証券 / 2024.9.18時点
同日に複数銘柄の抽選がある場合のペナルティ

IPOに2回申し込むタイプの証券会社

一部の証券会社では、「抽選申込み」と「購入申込み」の「2回」申込が必要な証券会社があります。

購入申し込みの後に抽選が行われます。

  1. 抽選申込み(需要申告)
    ブックビルディング参加の意思表示。
    資金確認あるが、資金拘束はなし(資金の重複可)
  2. 購入申込み
    当選したら購入するという意思表示。
    資金拘束あり(資金の重複不可)

2回、ログインして申込む必要があるのですが、どちらか一方を忘れると、抽選の権利を逃します。
また、1回目の抽選申込みを行わないと、2回目の購入申込みができません

2024.11.18時点
証券会社 同一
資金
【入金】買付余力の確認
【拘束】資金拘束のタイミング
抽選申込み
(需要申告)
1回目
購入申込み
(抽選前)
2回目
抽選時 当選
(補欠)
楽天証券 × 【入金】 【拘束】    
auカブコム証券 ×   【入金】
【拘束】
   
岩井コスモ証券 ×   【入金】
【拘束】
   
GMOクリック証券 ×     【入金】
【拘束】
 

2回目の購入申込みで抽選資金が拘束されるので、同一資金の利用はできません。
1回目の需要申告時は、購入資金があるかどうかの確認だけされます。(資金拘束なし)

1回で申し込みが済むタイプと比べるとブックビルディングの申し込み忘れも発生しやすく、やや面倒です。

IPO管理帳を活用して、申し込み忘れを防いでください。カブスルも管理帳がない時代は何度か忘れてました…

拘束資金の解放は、抽選に落選または辞退したとき

抽選で拘束された購入資金が解放されるタイミングは、

  • 落選したとき
  • 抽選申込みや、購入申込みを辞退したとき

上記になります。

なお、出金については各証券会社の取り扱いや、出金を申請した時間帯により出金日が異なります。

各証券会社にはどれくらい入金が必要?

IPOの抽選資金別のデータを公開していますが、36万円くらい 入金しておけば 約8割のIPOに応募 できます。50万円を入金すれば ほぼすべて(98%)のIPOに参加可能です。

IPO初心者は各証券会社の入金額で悩むと思います。

入金の参考例や、各証券会社の必要抽選金額を掲載したコンテンツを公開しましたので、参考にどうぞ。

ワンポイント

参考までに カブスルの入金スタイルです。

  • 前受金 採用の証券会社
    マネックス証券SMBC日興証券IPOごとに抽選資金が拘束されます。
    IPOの当選回数が多い事や、株の購入も行っているので多めの入金となっています。
  • 抽選資金不要の証券会社
    松井証券野村證券岡三オンラインなどは抽選資金が必要ないので、入金しておりません。
    当選または補欠当選した際に購入資金を入金しております。
  • その他の平等抽選の証券会社
    大体 30万円~50万円ほどを入金しています。
    幹事数が少ない証券会社はIPOがあった際に入金しています。
  • SBI証券
    上記で各証券会社に配分して余った金額を入金しています。

(実例)メルカリの資金拘束タイミング

参考までに、メルカリの、各証券会社の資金拘束タイミングです。

  • ブックビルディング期間:6/4 ~ 6/8
  • 抽選日:6/11
  • 購入期間:6/12 ~ 6/15
証券会社 【入金】買付余力の確認
【拘束】資金拘束のタイミング
抽選申込み
6/4 ~ 6/8
抽選時
6/11
当選
6/11
購入申込み
6/12 ~ 6/15
マネックス証券 【入金】
【拘束】
     
SMBC日興証券 【入金】
【拘束】
     
SBI証券   【入金】 【拘束】  
大和証券 【入金】 資金確認   【拘束】
みずほ証券 【入金】 資金確認   【拘束】
野村證券 抽選資金が必要なし! 【入金】
【拘束】

購入申し込みの後に抽選がある証券会社の場合はこちらです。

  • ブックビルディング期間:6/4 ~ 6/8
  • 購入期間:6/12 ~ 6/15
  • 抽選日:6/15
証券会社 【入金】買付余力の確認
【拘束】資金拘束のタイミング
抽選申込み
6/4 ~ 6/8
購入申込み
6/12 ~ 6/15
抽選時
6/15
当選
6/15
岩井コスモ証券   【入金】
【拘束】
   

各証券会社で抽選資金を用意するタイミングや その資金が拘束されるタイミングが違います。

参考までに

一部のブログなどで、入金タイミングについて誤った情報が掲載されているようです。

上記のメルカリの例でいえば、下記の方法が紹介されています。

  1. 資金が少ない人に朗報!
  2. マネックス証券などの前期型のブックビルディングに参加
  3. 前期型の抽選が終わったら後期型の証券会社に資金を移動
  4. 後期型の購入申し込みにだけ参加する
  5. 同一資金で、前期型も後期型も申込めて当選確率アップ!

この方法、間違っているんですが どうやったら出来ますか?と庶民のIPOにお問合せが来ます。
下記にて間違いを指摘し、代替案も出しています。


IPOラッシュ時は資金管理が大変。資金拘束タイミングは覚えておきましょう。


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