SBI証券のIPOチャレンジポイントが落選で2ポイント、PO購入で51ポイントのインフレ化

SBI証券が、8月18日~12月30日の期間限定で、IPOチャレンジポイントを通常より付与するキャンペーンを始めました。

やったー!と喜んだのもつかの間、よくよく見ると、一般投資家がポイント当選しづらくなる内容でした…

キャンペーンの内容と、その影響についてこちらで説明したいと思います。

IPOチャレンジポイントとは?

チャレンジポイント枠はポイント使用数の多い人から当選

SBI証券は、IPOに参加し落選すると、IPOチャレンジポイントが1ポイント付与されます。

付与されたポイントを貯めて、ブックビルディング時に利用することで、ポイント上位利用者から割当(当選)する仕組みです。

カブスルは2018年に、こどもは2020年にポイント当選しました。(当選実績

チャレンジポイントの詳しい説明は、参考記事をご覧ください。

キャンペーンで落選で2ポイント、POの購入で最大51ポイントが付与!

2020年8月18日~12月30日の期間限定で、IPOチャレンジポイントを通常より付与するキャンペーンが始まりました。

通常はIPOだけに付与されるIPOチャレンジポイントですが、POにも適用となります。

金融商品 条件 付与ポイント
IPO 落選 2ポイント
PO 当選 1ポイント×購入単元数
補欠当選後、繰上当選 1ポイント×購入単元数
補欠当選後、購入申込したが落選 1ポイント
落選 対象外

IPOの落選は分かりやすいと思います。
通常は1ポイントもらえるのが、2倍の2ポイントになります。

POの場合、購入した株数(単元数)に応じて、ポイントが付与されます。(最大51ポイント)

POとは?IPOとの違い

POとIPOは、どちらも主に資金調達が目的として行われます。

決定的な違いは、上場しているかしていないか。

違いは?
  • IPO(新規公開株)
    未上場の企業が、新たに上場して資金調達を行う。
  • PO(公募・売出)
    すでに上場している企業が、市場から資金調達を行う。

未上場企業であればIPO、上場企業であればPOです。

POには公募と売出がある

POは、公募または売出があります。
ややこしいと思いますが、両者の違いはこちら。

項目 公募 売出
有価証券
(株式)
企業が新たに新株を発行する。 大株主が既存の株式を証券会社に依頼して売り出す。
調達した資金 増資により企業の資本金になる。 売出を行った大株主に資金が入る。
発行済株式数 発行済株式数は増える。
株式の希薄化が起こり、既存の株主の印象は悪くなりがち。
発行済株式数は変わらない。
大株主から他の株主へ株式が移動するので流動性(売買のしやすさ)は良くなる。
備考 基本的には発表で株価が下がりやすくなる。
ただし、調達した資金が企業の成長に活かせるようであればよい材料となる。
企業側の資金にはならないので、印象が悪い場合がある。
ただし、流動性が増すことにより株価が上がる場合もある。

新しく株を発行するのが公募、既存の株を売り出すのが売出です。

公募または売出が行われる株は、市場価格より数%ディスカウントされた価格にて販売されます。

つまり、通常より対象企業を安く購入できるのがPOのメリットになります。

ポイントのばらまきにより希薄化へ

参考までに、SBI証券で昨年の同時期(2019年8月~12月)に行われたPOは9社でした。

仮にすべてのPOを最大で購入すると、459ポイント貯まります。

2018年は7社(357ポイント)、2017年は9社(459ポイント)の実績。

最初に述べた通り、通常はIPOの落選1社につき、1ポイントしか貯まりません。

2019年と同じ数のPOが実施され最大で購入すると、IPOの落選459回分のポイントが手に入ります。

約6年分のポイントが4ヵ月で貯まる

一般投資家にとって、悲しい計算をします。(2020.9.3時点)

SBI証券の幹事数は次の通り。

こちらの合計が444社で、すべて落選すると、IPOチャレンジポイントが444ポイント貯まります。

通常は涙ぐましい努力により手にするポイントですが、キャンペーンが適用されたPOの購入をすると4ヵ月で手に入ります。
(POが昨年と同じ件数なら)

購入資金力があるほどPOを買える(ポイント貯まる)

キャンペーン中は、POを購入するほど、IPOチャレンジポイントが付与されます。(1銘柄につき最大51ポイント)

  • 100株 当選(補欠当選)し、購入した場合。
    1ポイント+(1ポイント×1)=2ポイント
  • 600株 当選(補欠当選)し、購入した場合。
    1ポイント+(1ポイント×6)=7ポイント
  • 3,000株 当選(補欠当選)し、すべて購入した場合。
    1ポイント+(1ポイント×30)=31ポイント
  • 5,000株 当選(補欠当選)し、すべて購入した場合。
    1ポイント+(1ポイント×50)=51ポイント
  • 7,000株 当選(補欠当選)し、購入した場合。
    71ポイントだけど、上限により51ポイント
  • 100株 補欠当選し、購入申込したけど購入できなかった場合。
    1ポイント

POは、ディスカウントされた株価で購入できるため、IPOチャレンジポイント関係なく購入する方がいらっしゃいますし、ポイント目当てで購入される投資家も期間中はでてくると思います。

ご覧の通り、購入できる株数がおおいほど、IPOチャレンジポイントは貯まり、ポイントを大量に付与される投資家もでてくるため、既存のポイントは希薄化されます。(1ポイントの価値が薄まる)

既存のポイントは使いどころが難しくなる

IPOチャレンジポイントのインフレ化により、これまでに貯めているポイントの使いどころは、以前よりさらに難しくなります。

いまのところ個人的に考えている方法は2つ。

  1. POが実施され、資産家がポイントを大量に得るまでに使用する。
  2. あきらめる。

1番目の問題点は、同様に考える人が多いので、ポイント当選のボーダーラインが上がること。

ポイント上位利用者から順番に当たる仕組みなので、参加者が増えれば当選のボーダーラインも上がります。

普段ですら、人気IPOの割当(当選)は300P程度では難しかったのが、キャンペーンによりさらに難しくなったと思います。

カブスルと妻もポイントが280P程度ありますが、恐らく利用する機会がありません。

二番目の方法は、あきらめること(笑)

無理に、POによる損失リスクや資金拘束リスクを負ってまで、資産家とPOのポイント稼ぎ勝負をしても、勝てるわけありません

金持ち(偏見)

PO価格が100株あたり20万円の場合。

  • 600株購入 = 120万円の購入資金が必要。
  • 3,000株購入 = 600万円の購入資金が必要。
  • 5,000株購入 = 1,000万円の購入資金が必要。

参加できそうなPOには軽めに参加し、ひたすら時が過ぎるのを待ちます(泣)(上位保持者が使うのを待つ)

IPOは、SBI証券でしか当選しないわけじゃありません。

一般人としては、公平抽選を採用している証券会社で運による当選を願うのが向いています。

カブスルも、地道に落選の2ポイントを稼ぎ、POも参加できそうなら少額で参加する予定です。

ポイント狙いのPO参加は注意が必要!

POのメリットは、市場価格より数%ディスカウントされた価格にて販売されることです。

ただし、POはその内容により大衆心理の方向へ株価が働いたり、市況が影響するので株価が上下どちらに動くのか読みづらいです。

つまり、いくら安く購入できたとしても、POで取得した株価より、市場の株価が下がれば損失になります。

よって、ポイント狙いでPOに参加する場合は、株価が上昇しそうかどうか判断する必要があります。

  • POは公募?売出?
  • POの内容は、株価が上昇しそう?(成長につながれば上昇)
  • 仮に損失になっても、IPOチャレンジポイントが欲しい?(損失よりポイントの価値が上回る?)

参考までに

参考になるか分かりませんが、考え方としては次のように考えています。

2020年8月に4歳の娘がポイント当選したモダリス
390Pを利用して300株の当選。

100株あたり130P。
初値売りで13万円なので、1ポイントあたり1,000円の利益

・・・ということで、

  • 1ポイントを得るには、POを100株購入。
  • 100株あたり、POで1,000円以上の損失がでれば、ポイントの価値を下回る。

ということになります。

こちらはモダリスの例になりますが、IPOにより1ポイントあたりの利益は変わってきます。

また 今回のキャンペーンにて、IPOチャレンジポイントはインフレ・希薄化されますので、1ポイントあたりの利益(価値)も下がります。

これらを踏まえて、IPOチャレンジポイント狙いでPOに参加するか?は考えたいところです。

カブスルはポイント狙いでPOに参加することには消極的です。

SBI証券のPO一覧。GETされるチャレンジポイントは?

SBI証券で取り扱いが決まったPOの一覧と、配分数の上限です。(Twitter調べ)

銘柄 受渡日 大体の人の割当数
獲得ポイント
ソフトバンク(9434) 9/23 1,000株(11~12ポイントGET)
モーニングスター(4765) 10/19 100株(1~2ポイントGET)

キャンペーン期間中のポイントGETの合計は、想定で12~14ポイント

まだまだ一般人への影響はないレベルです!(最大でも落選14回分)

ソフトバンクのPOは、見かけた人の最大割当数は3,100株(32P)でした。

モーニングスターのPOは、当選の上限が100株で残りは補欠当選に。

PO対象の株を分析

PO対象となった株を分析しています。

銘柄 売出価格 受渡日始値 受渡日始値の損益 騰落率
ソフトバンク(9434) 1,204.5円 1,242円 3,750円 3.1%
モーニングスター(4765) 462円 425円 -3,700円 -8.0%

損益で見るとトントンですが、ソフトバンクのPOの方が割当数が多かったので、両方に参加された方は利益の方が大きいかと思われます。


PO期間が終わった銘柄は、長文なので、初期状態で閉じています。クリックで展開。

ソフトバンクのPOのポイントは?

ソフトバンクのPOのポイントは?

ソフトバンク(9434)のPOが決定しました。

今回は大株主である親会社のソフトバンクグループ(SBG)が放出する売出です。

ブックビル期間 種別 ディスカウント率 売出価格決定日
(抽選日)
受渡期日
9/8 0時~9/16 11時
(最短で9/14 11時)
売出 3%・4%・5% 9/14~9/16のいずれか (X)から5営業日後
  • 国内売出:6億7047万4,800株
  • 海外売出:2億5701万5,400株
  • オーバーアロットメントによる国内売出:1億57万1,200株

売出しの規模、伝わりますでしょうか?
参考までに8月の出来高が177,500,700株で、1.7億株です。

国内へは単純計算で、3~4か月分の出来高分の売出しが行われます。

【9.23追記】
受渡日の始値は1,242円でした。
始値で売却すれば、100株あたり3,750円の利益となりました。

【9.15追記】
売出価格は1,204.5円(3%引)に決まりました。受渡日は9/23(水)。
売出数の合計は9.2億株。(国内6.2億株、海外3億株)

SBGは、財務基盤を強めるために、保有するソフトバンクの株を売出します。

なお、ソフトバンクはPOによる株価の下落を懸念してか、1,000億円および8,000万株を上限とする自己株式の取得を実施することも発表しています。

ソフトバンクの株価は、公募価格の1,500円付近まで堅調に回復しつつあったんですが、POの発表により下落しました。(かわいそうに)

■ 3ヵ月チャート
ソフトバンクの3ヵ月チャート

この下落価格に さらにディスカウントがつきますので、PO発表前より株価は安くなります。

2018年12月に上場しましたが、上場来 最安値は1,176円

■ 2年チャート
ソフトバンクの2年チャート

ソフトバンクの魅力のひとつは配当金。(配当利回り6%)

ソフトバンクの株価
マネックス証券の銘柄スカウターより)

ただ、配当利回りというのは、1株利益が同じであれば、株価が上昇すれば下がり、株価が下落すれば上がります。

9/28(月)は、権利付き最終日となり、株主権利(配当金)が確定する日でもあります。

ソフトバンクのPOまとめ

ソフトバンクのPOをまとめると以下になります。

  • 通信会社は5Gにより将来性あり。ただし、株価には反映されていた。(堅調に上昇していた)
  • 配当利回りは6%。配当金については積極姿勢。
  • ソフトバンクは自社株買いを行う。
  • 10/1から日経平均銘柄に採用される。
  • 売出の規模が非常に大きい。売出後に買う投資家いる?
  • POによる投資家心理の冷え込み。
  • 上場時の下落イメージあり。
  • 上場時の公募価格は1,500円。
  • 上場来 最安値は1,176円。
  • 9/28が権利付き最終日。
モーニングスターのPOのポイントは?

モーニングスターのPOのポイントは?

モーニングスター(4765)のPOが決定しました。

ブックビル期間 種別 ディスカウント率 売出価格決定日
(抽選日)
受渡期日
10/5 0時~10/12 11時
(最短で10/7 11時)
公募・売出 4%・5%・6% 10/7~10/12のいずれか 10/19

公募株:6,781,000株、売出株:5,500,000株、OAの売出株:1,841,000株

【10.19追記】
受渡日の始値は425円でした。
始値で売却すれば、100株あたり3,700円の損失となりました。

【10.8追記】
売出価格は462円(4%引)に決まりました。受渡日は10/19(月)。

調べてみた所、どうやら100株当選のみで、残りの申込はすべて補欠当選となっているようです。
個人的にはチャレンジポイントが希薄化されず良かったと思います。

モーニングスター(4765)はジャスダックに上場していますが、市場変更が予定されています。(恐らく東証一部)

新株の発行と売出を行う予定ですが、市場変更を好感され、PO発表直後は株価が上昇しましたが、その後 下落に転じています。

■ 3ヵ月チャート
モーニングスターの3ヵ月チャート

ソフトバンクは結果的にPO成功となりましたが、PO参加者はリスクを減らすために「信用取引による売り注文」を行い、リスクヘッジしていました。(リスクを減らす手法で損益が小さくなる)

今回のモーニングスターは「信用取引の売り注文が禁止」(10.2時点)となっており、こちらのリスクヘッジができません。

PO価格で購入したあと、株価がPO価格を上回れば利益、株価が下回れば損失という分かりやすい構図となっています。

当然ながらPO価格は安ければ安いほど、参加のメリットがあります。

モーニングスターは期待先行で株価が上昇していますので、この点がPO価格決定以降の下落懸念にもなります。

参考までにカブスルは参加しません。

参考までに

モーニングスター(4765)の株主優待は、株式新聞の無料購読クーポンがついており、投資家に人気があります。

カブスルも今年の8月までは月額4,400円を支払って購読していたんですが、DMM.com証券の口座をお持ちの方は無料で見られるようになりました!(カブスルも有料購読を解約)

新興市場やIPOの情報(初値予想やブックビルディング情報)が豊富で、おすすめの情報誌です。

カブスルはPOに不参加

ちなみに、カブスルはポイント目当てでPOを買っていません。

  • ポイントが欲しいのは、IPOに当選したいから。
  • IPOに当選したいのは、利益を得たいから。

目的は、利益を増やすこと。
その手段として、IPOがあります。

さらに、そのIPOを当選させるために手段として、IPOチャレンジポイントや今回のPO参加があります。

POで損失を出しては手段としての意味がないので、参加する予定はありません。

取引手数料ゼロの流れの影響もあるかも

カブスルは、SBI証券を筆頭に取引手数料ゼロの流れが起きようとしている時に、IPOが利用されることを危惧しておりました。

IPOに興味を持つ個人投資家は多いので、IPOは自社の収益確保のエサにしやすいです。

今回のSBI証券のキャンペーンは予想しておりませんでしたが、今後 「平等抽選」を掲げている証券会社も、「ステージ制(個人優遇)」に抽選方法を変更する可能性はゼロじゃないなぁと思っていました。

ステージ制では、預け残高や支払った手数料により、IPOの当選確率が変動します。(つまり優良顧客優先)

今回のSBI証券のキャンペーンも、IPOをエサに自社からのPO参加者を増やしているように思います。

もちろん、SBI証券が悪者なのではなく、自社の強みを上手に利用して収益化を図っているんです。

個人的には、証券会社は取引手数料で収益化を図って欲しいと思っています。
利用者も取引手数料ゼロにそれほどこだわる必要がないかと。
例えば、売却益に対してだけ取引手数料を取るシステムであれば、双方にとって都合がいいかもしれません。

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