「PO」と「IPO」の違いは?

違いは?

「PO」と「IPO」の違いは何でしょうか?

たまに証券会社から「PO」の連絡があり、日本郵政も「PO」を行うことから「IPO」との違いが気になりました。

「用語」も「資金調達という目的」も似ていますが、別物と捉えてください。

庶民のIPOで紹介しているのは「IPO」になり「PO」はまったく紹介しておりません。

  • IPO
    未上場の企業が、新たに上場して資金調達を行う。
  • PO
    すでに上場している企業が、市場から資金調達を行う。

「IPO」と「PO」の違いと、個人投資家がそれぞれに対して、どう取り組んで行けばよいのか?を説明します。

「IPO」と「PO」の用語の意味

まずは「IPO」と「PO」の用語の意味から見ていきましょう。

  • IPO
    新規公開株。
    Initial Public Offeringの頭文字。
  • PO
    公募・売出。
    Public Offeringの頭文字。

両者に共通している「Public Offering」は「公開する売り物」で日本語にすると「公募」になります。

「IPO」にある「Initial」は「最初の」という意味になります。
つまり、「最初に公開する売り物」で日本語にすると「新規公開株」になります。

株式投資における「PO」は「公募・売出」

株式投資では「PO」は「公募・売出」として取扱われています。
「公募」と「売出」の違いは下記になります。

  • 公募
    正しくは「公募増資」で 不特定かつ多数の投資家に対し、新たに発行される有価証券の取得の申し込みを勧誘すること。
  • 売出
    すでに発行された有価証券の売付けの申し込み、またはその買付けの申し込みを勧誘すること。

新たに有価証券(株式)を発行するのが「公募増資」で、既存の有価証券(株式)を売りに出すのが「売出」になります。

両者の違いについては ページ下部の「POの取り組み方」で詳しく説明します。

「IPO」と「PO」の目的は?

どちらも 株式市場から資金を調達するのを目的として行われます。

大きな違いは「未上場企業」か「上場企業」かの違いですが、資金調達を行う目的は一緒です。

未上場企業(IPO)の場合、資金調達以外にも「知名度や信頼度のアップ」が目的として行われます。

「IPO」と「PO」はどう取り組めばよい?

IPOの魅力については、庶民のIPOで たっぷりと紹介(笑)させて頂いております。

下記の記事などを参考に積極的に取組んで頂ければよいかと思います。

一方、POに関してはやや注意が必要です。

こちらで「POの取り組み方」について紹介させて頂きますので、参考にして頂ければ幸いです。

余談ですが、IPOを身内に勧めた際に IPOと間違って身内がPOに応募していたことを思い出しました。
用語も一文字違いですので、間違われやすいんですね。

「PO」は「公募・売出」の2種類。違いに注意!

「PO」による「公募・売出」の違いです。

項目 公募 売出
有価証券
(株式)
企業が新たに新株を発行する。 大株主が既存の株式を証券会社に依頼して売り出す。
調達した資金 増資により企業の資本金になる。 売出を行った大株主に資金が入る。
発行済株式数 発行済株式数は増える。
株式の希薄化が起こり、既存の株主の印象は悪くなりがち。
発行済株式数は変わらない。
大株主から他の株主へ株式が移動するので流動性(売買のしやすさ)は良くなる。
備考 基本的には発表で株価が下がりやすくなる。
ただし、調達した資金が企業の成長に活かせるようであればよい材料となる。
企業側の資金にはならないので、印象が悪い場合がある。
ただし、流動性が増すことにより株価が上がる場合もある。

POは、投資家心理が働くので株価がどちらに動くのか読みづらいです。

公募または売出が行われる株は、市場価格より数%ディスカウントされた価格にて販売されます。

つまり、通常より対象企業を安く購入できるのがPOのメリットになります。

ただし、いくら安く購入できたとしても、POで取得した株価より、市場の株価が下がれば損失になります。

よって、POに参加する場合は「POは公募か?売出か?POで企業の成長に繋がるのか?時期や目的など適切か?」などを判断する必要があります。

  • IPO
    企業が新規に上場する。
    庶民のIPOでは、五段階の評価IPOの予想利益を掲載。
    初心者でも、ブックビルディング参加の判断がしやすい
  • PO
    ブックビルディング中も株価が変動。市況も常に変化。
    投資家心理が大いに働く。
    初心者や経験者でも、ブックビルディング参加の見極めが難しい。

どうしても欲しい!という銘柄でない限り、「POの参加」は見送るのがベストかと思います。

(参考)日本郵政のPOについて

質問で「日本郵政のPO」の話がありましたので、カブスルの考え方を参考までに紹介します。(2017年のPO)

参考までに

カブスルは日本郵政のPOに申し込みました。(ブログ

理由としては、

  1. 配当利回りが良い!(日本郵政は3%後半。平均は約1.6%。)
  2. 配当金目当てによる長期運用。
  3. IPOの公開価格1,400円より株価が下がっている。
  4. 倒産リスクが ほぼない。
  5. 日本郵政3社のIPOで利益を得ている。
  6. POを行うのは政府。調達資金は東日本大震災の復興財源に回る。

一応、念のため 私は平等抽選のマネックス証券と「IPOチャレンジポイント」が付与されるSBI証券でブックビルディングに参加しました。

上記のようにカブスルがPOを購入するのは配当金目当ての長期保有が目的です。
短期の売買には向かないと思いますので、参加の有無は自己責任でお願いします。

※後日談:「落選」しました(泣)申し込み倍率が1.6倍と意外と高かったようです。


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