当選したIPOのキャンセル(辞退)はできますか?ペナルティがある証券会社一覧
IPOに当選しましたが、キャンセル(辞退)したいと思います。
辞退することは出来ますか?
IPO当選後のキャンセルは出来ます。
が、注意点も確認しておきましょう!
IPOは抽選に当選することにより、IPOを購入できる権利を得られます。
通常であれば喜ぶわけですが、様々な理由で辞退(キャンセル)したい場合もあるかと思います。
- 急に不安になった。当選を辞退したい…
- 購入期間内に購入するのを忘れた…
IPOも株式投資です。
買う権利もあれば買わない権利もあるので、当選後の辞退(キャンセル)も可能です。
ただし、一部の証券会社では「当選を辞退」もしくは「購入期間内に購入申込をしない」とペナルティが発生する証券会社がありますのでご注意を。
また、抽選前に購入申込をするタイプの証券会社も、辞退は出来ません。
ペナルティがある証券会社と辞退できない証券会社を、確認していきましょう。
目次
なぜ、IPO当選を辞退するのか?
IPOのブックビルディング(購入申し込み)に参加して当選!
ブックビルディングに参加する時点では欲しいと思ってたが、状況の変化により見送りたいと思うのは仕方ありません。たとえば、
- ブックビルディング後に悪いニュースがでた!
- 思っていたより評判が悪かった!
- 似たような事業のIPOが直前に公募割れをした!
- 某国がミサイルを発射し、株式相場は低調に!
- 他のIPOの抽選や株式の購入に資金を使いたくなった!
- 急に資金が必要になり出金したいので辞退したい!
IPOの抽選終了(当選発表)から、購入期間までは約一週間あります。
その一週間で市況が変わっている場合があります。
気を付けてほしいのは、購入期間内に購入の申し込みをしない(購入の申し込み忘れ)行為も当選辞退となるので注意しておきたいところです。
ついうっかりの購入申し込み忘れはペナルティを免除してもらいたいところですが、辞退したくて購入期間内にわざと申し込みまないケースが考えられますので それは難しそうです。
当選辞退をする方法
IPOの当選を辞退する方法は2つあります。
- 当選辞退を申込む
- 購入申し込み期間中に購入しない
おすすめは「当選辞退を申込む」ですが、それぞれ見ていきましょう。
1.当選辞退を申込む
IPOに当選後、購入期間中に証券会社にログインすると、「購入」と「購入辞退」のボタンが用意されています。
「購入辞退」を押すことにより、IPOの当選を辞退(キャンセル)することができます。
当選辞退のメリットは、当選分の拘束された資金が、辞退により解放されることです。
つまり、ほかのIPOの抽選資金にすぐ回せるようになります。
大和証券など一部の証券会社では「購入辞退」が用意されていない場合があります。
その場合は下記の2の方法で辞退します。
2.購入申し込み期間中に購入しない
抽選で当選することによりIPOを購入する権利を得るわけですが、購入できる期間は決まっています。
(例)メルカリの購入期間は、6/12(火)~6/15(金)の4日間でした。
メルカリの場合、6/15(金)までに購入しないと購入意思なしとして当選辞退になります。
当選後、購入する意思がない場合「ほったらかし」にする方法ですが、その場合は購入資金相当の資金が拘束されており、購入期限を過ぎた後に資金が解放されます。
どちらも同じ「当選辞退」ですが、「1. 当選辞退を申込む」の方が早く資金が解放されます。
当選辞退でペナルティがある証券会社とその内容
IPOの当選辞退または購入を忘れた場合に、ペナルティがある証券会社の紹介です。(2024.12.10調べ)
ペナルティといっても罰金があるわけではなく、IPO参加や抽選に制限がかかります。
IPOの当選辞退をする場合は、画面をよく確認してください。
ペナルティがある証券会社では、当選辞退をする際にその内容が表示されます。
いつの間にか運用ルールが変わっている場合も考えられます。
証券会社 | 期間 | ペナルティの内容 |
---|---|---|
松井証券 | 6ヵ月間 |
|
SMBC日興証券 イージートレード |
1ヵ月間 |
|
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 1ヵ月間 |
|
東海東京証券 | 最大1年6ヵ月 |
|
岡三証券 | 明記されず |
|
岡三証券は以前は公式サイトのどこかにペナルティの内容が書いていたと思うのですが、見つからず。
問い合わせてみたところ「IPOのペナルティは、社内ルールのため開示しておりません。」という怖い返答がありました・・・
東海東京証券は同日に複数抽選がある場合に注意!
IPOの当選辞退(キャンセル)にひっかかりやすいのは、東海東京証券です。
抽選時において「抽選申込株数×募集・売出価格」の金額より買付可能金額が満たない場合、抽選対象外となりペナルティの対象となります。なお、申込時は買付可能金額が満たなくても申し込めるため、きちんとご自身の買付可能額を確認しておかないと、抽選時に足りなくなっている場合があります。
また、申込んだIPOが同日に複数銘柄の抽選がある場合、その全ての抽選資金を入金していないと同様にキャンセル扱いとなります。
東海東京証券 / 2024.9.18時点
当選後の購入申し込みを忘れでペナルティを受けた方たち
三菱UFJモルガン・スタンレー証券で当選後の購入申し込みを忘れた方が、ペナルティを受けていました。
日本国土開発のIPO当選!と二度目の悲劇( T_T) https://t.co/TP9jJe4PAr pic.twitter.com/xAtCacR1pK
— kuma (@kumakumai3) 2019年2月26日
当選確認を怠ってのペナルティはダブルでキツイですね。
日本国土開発は初値売りで1.1万円の利益でした。
松井証券の落選失効って何?
松井証券の購入申し込み後、「当選約定」または「落選失効」と表示されます。
松井証券のHPより
落選失効と表記されると、「何かやらかしたかな?」と不安になりますが、松井証券の落選失効は下記の状態で表示されます。
- 購入期間内に申込をしていない(ペナルティ対象)
- 当選の配分がない(ペナルティ対象外)
IPOラッシュ時など、購入申込を忘れたかな?と思うこともしばしば。
非常に紛らわしいので、配分がない場合は、単なる「落選」にして欲しいですね!
ペナルティがある証券会社は慎重に参加を
ペナルティが発生する証券会社は、覚えておきましょう。
また、評価が低いIPOのブックビルディングに参加するのを控えておきましょう。
上記の内容はTwitterなどでもよく見かけます。
決して、当選して後悔することのないようにしましょうね(  ̄∇ ̄)
抽選前に購入申込をする証券会社は当選辞退できない
一部の証券会社では、抽選申込みと購入申込みの2回、申し込む必要がある証券会社があります。
そのなかで、当選後に当選辞退ができない証券会社です。
この2回申し込むタイプの証券会社は、「購入申し込み」の後に「抽選」を行います。
上記の証券会社は、購入の意思を表示して、抽選に参加します。
最初に購入の意思を表示して抽選に参加しますと宣言しているわけですから、抽選後に「やっぱり や~めた」が出来ません…
2回申し込むタイプの証券会社は、注意しておきましょう。
※当選された場合は、購入の取消は一切お受けできませんのでご注意ください。
なお、楽天証券はさらに厳しく、購入申込をしたあとは、抽選前にキャンセルすることも出来ません。
※購入申込後は取消を行うことが出来ません。また、購入申込時点より「公開価格×購入申込株数」分のご資金を抽選結果が出るまで、拘束させていただきます。
2回タイプで購入申込をする際は、よくよく注意してください。
たまに、Twitter上で「しまったぁああ」という絶叫が見受けられますので。
参考までに
2回申し込むタイプに岩井コスモ証券もありますが、下記の一文があるので当選辞退はできそうです。
当選の辞退(キャンセル)があった場合の取扱いは、当該数量を対面等取引をご利用のお客様への配分に組入れることといたします
当選してしまった。ペナルティ覚悟で辞退?購入?
ペナルティの内容とIPOの申し込み状況を確認して考えましょう~。
松井証券と岡三証券の場合、ペナルティがキツめですので、公募割れ覚悟で購入を検討したいところです。
松井証券は需要申告できるが、6ヶ月間は抽選対象から除外。
(申告状況によっては当選する場合もあり → 人気ないIPOかと思われます)
岡三証券は需要申告ができなくなる期間が明記されておらず。
SMBC日興証券(イージートレード)と三菱UFJモルガン・スタンレー証券については、ペナルティの2点に注意して判断しましょう!
ワンポイント
下記の場合、ペナルティが気にならないので、購入辞退を検討できます。
- 他のIPOの抽選に参加していない、または少ない。
- 今後、一ヵ月間 IPO(上場)の予定がない、または少ない。
下記の場合、ペナルティが重くのしかかってきます。
- 他のIPOの抽選に参加している。
- IPO(上場)の予定が控えている。(3月と9月、12月は特に多いです)
公募割れをしたIPOの損失額
参考までに、IPOが公募割れをした場合の損失額です。
こちらを参考にして、IPO当選辞退のペナルティを受けるか、公募割れのリスクを背負うか判断してみてください。
- 公募割れしたIPO(2023年)
29社(全体の30%)、
平均 1万517円の損失 - 公募割れしたIPO(2022年)
19社(全体の21%)、
平均 1万3,232円の損失 - 公募割れしたIPO(2021年)
22社(全体の18%)、
平均 1万9,341円の損失
数千円の損失であれば まだ受け入れやすいですが、数万円規模になると損失は痛いですね。
評価が低いIPOの参加は、ペナルティがある証券会社では見送るのが一番です。