親子上場とは?

カブトリ ちゃん一家

親会社と子会社が上場することを、親子上場と呼びます。

日本では多く見受けられる親子上場ですが、ガバナンス(企業統治)の問題や投資家からの批判もあり欧米ではほとんど見受けられません。

JPXによると、親子上場企業は2025年7月時点で215社(全体の8.5%)
→ 2018年末で313社だったので緩やかに減少中

親子上場のメリットとデメリット

一般的な親子上場のメリットとデメリットです。

ワンポイント

★ 親子上場のメリット

  • 親会社のメリット
    • 保有している子会社の株式を売却することによる資金調達
    • 子会社の株式の市場価値が向上
  • 子会社のメリット
    • 親会社から独立性が増す。経営独立性の確保
    • 上場会社で働く従業員としてモチベーションが向上

★ 親子上場のデメリット

  • 親会社のデメリット
    • 子会社に対する影響力が弱まる
    • 子会社の上場による情報開示
  • 子会社のデメリット
    • 親会社への依存度が低下することによる営業力の低下、管理コストの負担
    • 親会社の利益が優先され、子会社の少数株主の利益が不当に阻害される恐れ

親会社の大きなメリットとしては、資金調達の方法が増えることです。

一方、子会社は経営独立性が増し、従業員のモチベーションが上がります。

どちらかというと、親子上場は親会社に良い影響があり、株価も上がりやすくなります。

参考までに

親会社は子会社の株式を保有しています。

よって、子会社が配当金を支払うと、親会社は配当金を得られます。

子会社が高配当を行っている場合、株主の為というわけではなく、親会社のために行っている可能性もあります。子会社の利益を親会社が吸い上げる図式にもなりえます。

日本国内の親子上場

日本国内の知名度の高い親子上場です。

  • 親会社:キヤノン(7751)
    子会社:キヤノン電子(7739)、キヤノンマーケティングジャパン(8060)
  • 親会社:トヨタ自動車(7203)
    子会社:日野自動車(7205)
  • 親会社:イオン(8267)
    子会社:イオンモール(8905)
  • 親会社:ソフトバンクグループ(9984)
    子会社:ソフトバンク(9434)
  • 親会社:日本郵政(6178)
    子会社:ゆうちょ銀行(7182)、かんぽ生命保険(7181)
  • 親会社:伊藤忠商事(8001)
    子会社:伊藤忠テクノソリューションズ(4739)、伊藤忠エネクス(8133)

親子上場は解消の方向へ進んでいる

親子上場は株主から批判されることもあり、親子上場を解消する動きがでています。

2026年1月に「親子上場等に関する取組みの状況」というレポートがJPXからでています。

親子上場をする場合、その正当性をきちんと説明する必要がでてきており、説明責任をきちんと果たして親子上場を維持するか、子会社の上場をやめて親子上場をやめる必要性がでています。

カーブスHDが行ったスピンオフに期待

2020年3月2日に上場したカーブスHDが、日本初のスピンオフという制度を利用して上場しました。

スピンオフは、子会社を本体と資本関係のない独立した会社にする仕組みです。

経済産業省の資料に下記のように書かれています。

  • 自社内の特定の事業部門又は子会社を切り出し、独立させるもの。
    独立した会社の株式は元の会社の株主に交付される。
  • 自社内の特定の事業部門を切り出す場合は新設分割、子会社を切り出す場合はいわゆる現物配当により行う。

スピンオフによる効果として、経営の独立、資本の独立、上場の独立による企業価値の向上が期待されます。

詳しくは、下記に掲載しています。

大型の親子上場も解消の方向へ

近年はガバナンス強化や資本効率改善の観点から、親子上場の解消が進んでいます。

象徴的だったのが、親会社:NTT(9432)と子会社:NTTドコモ(9437)です。NTTがTOBによりNTTドコモを完全子会社化し、NTTドコモは上場廃止となりました。

そのほかにも、大型企業を中心に親子上場の解消事例が相次いでいます。

親会社 子会社 内容
NTT(9432) NTTドコモ 国際競争力強化を目的にTOBを実施し完全子会社化。上場廃止
伊藤忠商事(8001) ファミリーマート グループ戦略の一体化を目的にTOBを実施し非上場化
LIXIL(5938) LIXILビバ アークランドサカモトによるTOBに応じ、保有株式を売却
ソニーグループ(6758) ソニーフィナンシャルHD 金融事業の機動的運営を目的にTOBで完全子会社化
日立製作所(6501) 日立化成 事業ポートフォリオ再編の一環として昭和電工のTOBに応じ売却

TOBについては、姉妹サイトのカブスルにて詳しく紹介しています。

新規IPOの親子上場もあり

親子上場は解消の方向へ進んでいるはずですが・・・
一方で、新たに子会社のIPOも上場しています。

2025年 2024年 2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
IPO数 1社 5社 6社 6社 1社 3社 6社

市場で親子上場は海外投資家や機関投資家からガバナンスの観点から敬遠されやすいですが、IPOは個人投資家に人気。

IPOの初値をみると親子上場関係なく、子会社に魅力があれば買われているようです。

(例)ソフトバンクとソフトバンクグループの親子上場

ソフトバンクグループ(SBG)の子会社であるソフトバンクの上場が2018年12月にあり、注目されました。

親会社のソフトバンクグループ(SBG)は、投資業などを主に行っています。

ソフトバンクは上場することにより携帯子会社として経営の独立性が高まり、親会社のソフトバンクグループ(SBG)は投資会社としての性格が強まります。

ソフトバンクグループはとても大きな企業。
すでに子会社が国内に7社上場し、海外に1社 上場。※2019.5.10時点

上場している子会社のうち、知名度が高い会社です。

ソフトバンクが上場すると国内で上場している子会社が8社目に。親子というより大家族。

親会社と子会社が経済的にも密接に関わっていることは確実ですので、子会社であるソフトバンクの新規上場によって潤沢な資金が入ってくれば、親会社であるソフトバンクグループの株価に良い影響を与える可能性は十分にあります。

親会社のソフトバンクグループ(SBG)は投資会社としての性質を持っていますから、資金調達は大きなメリットです。


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