即金規制とは?IPOで初値がつかなかった場合の買い注文規制

即金規制(そっきんきせい)とは、IPO株を買うときに、受渡しが終わっている現金だけで買う必要がある規制です。

正式には「即日現金徴収規制」と呼ばれ、買付代金をその日のうちに現金で用意するという意味です。

IPOが上場初日に初値がつかなかった場合などに、初値がつく日まで対象銘柄の買い注文に対して規制がかかります。

相場の過熱感を抑え、初値形成を促すために実施される規制で、主に下記の制限がかかります。

  • 受渡しが終わっている現金だけで買う必要がある
  • 上場初日は、初値がついた後も成行注文が使えない
  • 上場初日に初値がつかなかった場合は、初値がついた日まで成行注文が使えない
  • 信用取引の新規建てが制限される場合あり

こちらで、即金規制の「即金」とは何か?を説明します。

証券会社の口座には2種類の現金がある

証券会社にログインして口座情報をみると、似たような金額が表示されています。

  • 「お預り金」または「現金残高」
    すでに受渡しが終わっていて、すぐに使える現金。
    ⇒ 即金規制中にIPO株を買うときは、このお金だけが使えます
  • 「買付余力」
    株などを購入できる金額。受渡前の売却代金が含まれることがあります。
    即金規制時は、買付余力だけでは購入できません。

下記、わたしのマネックス証券の口座管理画面です。

現金と買付余力(マネックス証券)

2つの金額が表示されていますが、即金規制時に利用できるのは「1」のお預り金です。

受渡前の売却代金がある場合、「買付余力」と「お預り金」の金額に差が出ます。
即金規制時に使えるのは、受渡しが完了している「お預り金」や「現金残高」です。

お預り金と買付余力の違い

株式を売却した場合、その売却金額はすぐに「買付余力」へ反映されることがあります。

ところが、「お預り金」に反映されるのは、約定日から起算して3営業日目となる受渡日です。
通常は約定日の2営業日後に受渡しが完了します。

受渡日とは、株式や売却代金の受け渡しが完了する日のことです。

  • 株を購入した場合
    • 証券会社:すぐに保有銘柄として表示される。売却も可能。
    • 手続き上:受渡日に株式と代金の受け渡しが完了する。
  • 株を売却した場合
    • 証券会社:すぐに買付余力として表示されることがある。
    • 手続き上:受渡日に売却代金の受け渡しが完了し、お預り金に反映される。

(例)総合口座に100万円があり、10万円の株式を売却した場合。(売却当日)

  • 「お預り金」や「現金残高」は、100万円
  • 「買付余力」は、110万円

受渡日前は買付余力に反映されても、即金規制銘柄の買付けには使えない場合があります。
約定日から起算して3営業日目に受渡しが完了すると、「お預り金」や「現金残高」も110万円になります。

受渡日については、株式サイト カブスルで詳しく解説しています。

即金規制で利用できる資金は「お預り金」や「現金残高」

すぐに利用できるお金を「即金」と呼びます。
証券会社でいえば、受渡しが完了しており、すぐに出金できる金額です。

お使いの証券会社において、「お預り金」や「現金残高」と表示されている金額が即金になります。

つまり、即金規制がかかったIPOは、お預り金や現金残高の金額内で購入することになります。

即金規制のかかったIPOは、受渡前の売却代金を含む買付余力では購入できません。

即金規制は、早く初値をつけるため

即金規制は、上場したIPOの「初値」を早く形成させるために行われます。

人気のIPOでは、買い注文が売り注文を大きく上回り、上場初日に初値がつかないことがあります。

その場合、翌営業日以降は買付代金(現金)の即日徴収や成行注文の禁止などにより、過熱した買い注文を抑え、売買の均衡をとりやすくします。

東証では、IPOの初値がつく日まで、買付代金(現金)の即日徴収や成行呼値の禁止などの規制措置が実施されることがあります。

上場初日から初値がついた日まで成行注文が使えない

IPOは、上場初日は成行注文が使えません
上場初日に初値がついた場合でも、その日は終日、成行注文はできません。

上場初日に初値がつかなかった場合は、初値がついた日まで成行注文の禁止が続きます。
成行注文が使えるようになるのは、初値がついた日の翌営業日からです。

  • 指値注文(さしね ちゅうもん)
    指定した株価で株の売り買いを行う注文(株価優先)
  • 成行注文(なりゆき ちゅうもん)
    スグに株の売り買いしたい場合の注文(時間優先)

上場初日から初値がついた日までは成行注文を使えませんので、売買する場合は指値注文を利用します。

信用取引での新規建ても制限される

即金規制がかかった銘柄では、信用取引の新規建て注文も制限されます。

たとえば、マネックス証券では規制解除まで制度信用取引の新規建玉(買建・売建)、一般信用取引の新規買建ができません。
楽天証券でも、一般信用取引であっても新規建の注文を執行できないと案内されています。

即金規制中に対象IPOを買う場合は、受渡しが完了している現金の範囲内で、指値注文を出すイメージです。

即金規制そのものは当選IPOの売却には関係なし

即金規制は当選IPOの売却に関係ありますか?

いいえ。即金規制は、これからIPO株を買うときの規制です。
当選したIPOを売却する際に、買付代金のような現金を用意する必要はありません。

ただし、上場初日から初値がついた日までは成行の売り注文も禁止されています。売却する場合は、証券会社のルールに沿って指値注文を利用します。

また、初値がつく前に同じIPOを追加で買いたい場合は、即金規制や成行注文の禁止などの影響を受けます。


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