即金規制とは?上場日に初値がつかなかった場合に規制あり
即金規制(そっきんきせい)とは、即日現金徴収規制のことで、「即日」に「現金を徴収する規制」です。
上場初日に初値がつかなかった場合、初値決定日まで対象のIPOに対して規制がかかります。
相場の過熱感を抑えるために実施される規制で、下記の制限がかかります。
- 即日に現金を徴収
- 成行買い注文の禁止
こちらで、即金規制の「即金」とは何か?を説明します。
目次
証券会社の口座には2種類の現金がある
証券会社にログインして、口座情報をみると2つの金額が書かれています。
- 「お預り金」または「現金残高」
すぐに出金できる金額。
⇒ つまり、この金額が即金
即金規制時の購入可能な金額になります。 - 「買付余力」
株などを購入できる金額。(受渡日を待たずに購入可能)
即金規制時はこの金額内で購入できません。
下記、わたしのマネックス証券の口座管理画面です。
2つの金額が表示されていますが、即金は「1」のお預かり金になります。
画像の例が悪いので後日、差し替えます。
3営業日以内に株を買っている方は、「1」の金額が「2」より低くなります。
お預かり金と買付余力の違い
株式を売却した場合、その売却金額はすぐに「買付余力」には反映されます。
ところが、「お預かり金」に反映されるまでには、約定日を含めて3営業日かかります。
受渡日と呼ばれ、買いと売り、それぞれ3営業日かかるんです。
- 株を購入した場合
- 証券会社:すぐに保有銘柄として表示される。売却も可能。
- 手続き上:実際には、3営業日後に株主として株主名簿に登録される。
- 株を売却した場合
- 証券会社:すぐに買付余力として表示される。株の購入に利用も可能。
- 手続き上:実際には、3営業日後に証券会社に売却代金が入金される。
(例)総合口座に100万円があり、10万円の株式を売却した場合。(当日)
- 「お預り金」や「現金残高」は、100万円
- 「買付余力」は、110万円
3営業日後に受渡が完了し、「お預り金」や「現金残高」も110万円になります。
受渡日については、株式サイト カブスルで詳しく解説しています。
即金規制で利用できる資金は「お預り金」や「現金残高」
すぐに利用できるお金を「即金」と呼びます。
証券会社でいえば、すぐに出金できる金額です。
お使いの証券会社において、「お預り金」や「現金残高」と表示されている金額が即金になります。
つまり、即金規制がかかったIPOは、お預かり金や現金残高の金額内で購入することになります。
即金規制のかかったIPOは、買付余力の金額で購入できません。
即金規制は、早く初値をつけるため
上場したIPOの「初値」を早く形成させるために、即金規制が行われます。
IPOの上場初日は即金規制が行われないため、下記の資金も流入し買い注文が多く集まります。
- 一般信用取引での買い注文。
- 買付余力での買い注文。
特に、一般信用取引は手持ち資金の約3倍の投資資金による買付注文が可能になります。
上場日の翌営業日以降に初値を早く形成させるために、上記の買い注文を減らして売買の均衡をとり、初値がつきやすくさせています。
即金規制の買い注文は指値注文のみ
即金規制中の買いの注文方法は、指値注文のみになります。
買いの成行注文は、利用できません。
- 指値注文(さしね ちゅうもん)
指定した株価で株の売り買いを行う注文(株価優先) - 成行注文(なりゆき ちゅうもん)
スグに株の売り買いしたい場合の注文(時間優先)
こちらも相場の過熱感を抑える規制となっています。
即金規制は当選IPOに関係なし
即金規制は当選IPOの売却に関係ありますか?
即金規制は「買い注文」に関する規制ですので、当選IPOの売却にはなんら規制はかかっていません。