IPOの自動申込サービスを利用してはいけない

IPOの申込み、大変ですよね。

ルーティーン。ポチポチ作業はすぐ慣れる

コツコツ応募するのは大変。
そんな時にふと目にした「IPOに自動応募できるシステムを無料提供!」という広告。

絶対に利用してはいけません!

利用者は個人情報が漏れるリスクと、思わぬ損害賠償を請求されるリスクを負うかもしれません。

IPOの自動申込みシステムは作ろうと思えば作れる

庶民のIPOでも、IPOに自動で申込みするシステムを作れるか?と問われれば、出来ます。(全社ではないですが)

ただし、

  • 利用者に、思わぬリスクを背負わせたくない。
  • 開発者側として、訴訟リスクを避けたい。
IPO管理帳

これらの理由で、開発はできるけど、開発していません

代わりに、IPO管理帳などのシステムを提供しています。
こちらは、ご自身で証券会社にIPOの申込みや当選確認を行うことを手助けするシステムであり、利用者も開発者もリスクはありません。


IPO自動申込みシステムを利用するリスク

IPOに申込みするまでの手順を確認しましょう。一般的には、

  1. 証券会社にログインする。
  2. 申し込むIPOを選ぶ。
  3. 価格と株数を選んで申し込む。

という手順になります。

よって、自動申込みシステムを作るには、下記の情報が必要です。

  1. 証券会社にログインする。
    → ログインIDと、ログインパスワードが必要。
  2. 申し込むIPOを選ぶ。
  3. 価格と株数を選んで申し込む。
    → 取引パスワードが必要。

ココでピンと来た方は、思わぬリスクを避けられるかもしれません。

IPOの自動申込みサービスを利用する方は、サービス提供側に、

  • ログインID
  • ログインパスワード
  • 取引パスワード

これらの3つを預ける必要がでてきます。

株のネット取引(オンライントレード)は、これらを使って入出金や株の売買を行っています。

つまり、サービス提供側になんでも出来る権利を与えています。

また、ログインしマイページを見れば、証券会社に登録している個人情報を抜き出すのもカンタンです。

  • 名前、生年月日、住所、電話番号
  • 勤め先
  • 金融資産
  • 利用している金融機関など

証券会社に登録している情報は、個人情報のオンパレード。
悪い業者なら、リストにして名簿を集めている事業者に販売できますね。

ごく当たり前のことなんですが、SBI証券のページでも「第三者にパスワードを知らせるのはお止めください。」と書かれています。

セキュリティは万全って書いてあったけど?

みなさんは、大手企業の情報漏洩のニュースをみたことがないでしょうか?

ありますよね。

セキュリティに万全を期すのは、サービス提供側にとっては当然のこと。

万全を期していても、破られるのがセキュリティなんです。

同様に、取得したIDとパスワードは他の事に利用しないと書かれていても、利用するかもしれませんし、第三者の攻撃者にセキュリティが破られて取得されたらオシマイです。

信用ある法人サービスならいいかもしれないけど、作らないと思われる

上場企業のような信用力のある企業が、IPOの自動申込みサービスを提供したら、利用を考えてもいいかもしれません。

けれども法人が、見込める収益や事業リスクを考慮してもなお、サービスを作るかなぁと考えると、作らないと思われます。

また、本来のブックビルディングの意味を考えると「1社からの申込で充分」という考え方なので、その意図を無視してまで作るのかはチョット疑問です。

各証券会社へ許諾もとらないといけませんし、様々なことを考慮しているせいか、サービスを実現している法人企業はいまのところなさそうです。

個人開発のサービスなんて論外!

個人開発のIPO自動申込みサービスなんて使うのは論外です。

信用力、セキュリティ対策、証券会社への許諾など、どれをとっても利用できるものじゃありません

また、せいぜい自動化できるのは数社かなと。
IPO申込みでは焼け石に水程度ですし、1社でも登録すれば個人情報を抜かれるリスクがあります。(故意、過失問わず)

どうしても利用されたい方は、自動化により得られるメリットと、リスクを天秤にはかってご検討ください。

ココまでいくことはあまりないと思いますが、自動ツールを使い証券会社になんらかのダメージを与えた場合、訴訟を起こされるリスクはゼロではありません。

ちなみに、庶民のIPOも不正アクセスによりサーバーがダウンしたことがあります。相手のIPアドレスは分かっており対処済。

開発者側は訴訟リスクを抱える

詳しくは書きませんが、開発者側も自動応募ツール開発については、多様な訴訟リスクを抱えます。

また、それらを考慮して開発に着手していないと思われます。

個人で開発・配布しているサービスを見ると・・・リスクを分かっているのかな?と思います。

個人で利用している分にはまだいいと思いますが、第三者にまで配布すると問題が増えそうです。

自身の開発力を認めてもらいたいという承認欲求の為に公開する気持ちは分からないでもないですが、利用者を危険な目に巻き込む人はサイテーだと思っています。

カブスルが監視していたサービスは4ヶ月で消えた

とあるIPOの自動申込サービスが2020年10月末まで事前登録を募集していましたが、2021年2月12日にサービスを終了しました。

実際にシステムが稼働したのかは分かりませんが、わずか4ヶ月での開発中止。(上場企業ではないけど法人)

サービス終了のお知らせ

開発を中止した経緯はカブスルには分かりませんが、見込める収益と開発によるリスクを天秤にかけた結果なんじゃないかと思います。

ログインを簡略化するサービス(法人向け)

IPOの自動申込みサービスを展開している信用ある企業はいまのところ見当たりません。

ですが、ログインIDとパスワードを預けて、ログインまで行うサービスならあります。
ただし、法人企業向けですが。

こちらは、上場企業のGMOが法人向けにサービスを提供しています。
サイト内を見ればおわかりいただけるかと思いますが、ログインIDとパスワードを預かるサービスなので、セキュリティはかなり万全です。

IDとパスワードって、コストをかけてしっかりと管理しないとダメなんです。(個人開発には無理)

カブスルは実家が小売店経営をしているので、こちらのサービスも一部の証券会社で利用しています。

ログインを簡略化する個人サービスもありますが、絶対に利用しませんように。
これまでの説明通り、セキュリティは甘いですし、個人情報を抜かれるだけかも。


IPOの申込みは大変ですが、コツコツ努力して当選を目指しましょう。

チョットした楽を手に入れようとして、思わぬもめごとに巻き込まれませんように。

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